信越化学工業は2日、セルロース製品の国内向け販売価格について、2022年2月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格比で最大20%」。
世界的な需要の増加に伴う原料パルプ(ウッドパルプ、リンターパルプ)のひっ迫に加え、コンテナ不足による国際物流の停滞により、セルロース製品の主原料である高純度パルプの価格が大幅に上昇している。同社は、顧客への供給責任を果たすために高純度パルプの安定調達に努めているが、各種原材料の急騰やエネルギーコストの増加も収益を圧迫しており、セルロース事業の採算が急激に悪化している。
こうした中、同社は、製造コストの削減による自助努力を継続しているものの、これらのコスト上昇分を吸収することは困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。