LG化学 プラスチックのケミカルリサイクル事業に参入

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2022年1月28日

 LG化学はこのほど、超臨界水を利用した韓国初となる廃プラスチックの超臨界熱分解油施設を建設すると発表した。プラスチックの循環経済構築に向け、ケミカルリサイクル(CR)事業へ本格的に参入する。忠清南道(チュンチョンナムド)の唐津(タンジン)市に、年間処理能力2万tの超臨界熱分解油プラントの建設を年内に開始し、2024年初めまでの本格稼働を目指す。

 同社は、超臨界水による独自CR技術「HydroPRT」をもつ英ムラ・テクノロジー社と提携・資本参加し、同社の世界特許・建設パートナーであるKBR社と、技術ライセンスと基本エンジニアリングパッケージを契約した。これは臨界点を超える高温高圧の水蒸気で使用済みプラスチックを分解する技術で、投入原材料の80%以上を熱分解油としてリサイクルし、残り20%の副生ガスは同施設を運転するためのエネルギー源として再利用するため、生産性は業界最高レベルだ。また、反応器に直接熱を加えないため、熱分解時の炭化物の発生はなく、長時間連続運転が可能だ。

 世界のCR市場は、プラスチック廃棄物から抽出できる熱分解油換算で、2020年の70万tから2030年には330万tへと、年平均17%以上の成長が見込まれている。LG化学はCR技術の独自開発・研究を進めるほか、韓国で関連するリサイクル技術や原料をもつ研究機関・中小企業・新興企業などとの協力をさらに拡大。環境に配慮した材料・技術の研究開発を強化し、新たな関連市場を積極的に開拓する考えだ。