大陽日酸 工場のリモートオペレーションシステムを構築

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2022年2月28日

 大陽日酸はこのほど、産業ガス(酸素、窒素、アルゴンなど)を生産する大型の空気分離装置について、リモートオペレーションを可能とするシステムを構築したと発表した。

 同社はDX推進による、保安や品質管理、生産性向上を取り組むべき課題の1つに捉えている。これまでも、顧客の構内や隣接エリアに設置した小型の窒素ガス製造装置においては、独自開発した遠隔監視システムによる一元的な状態監視(総合監視センター)により、安全・安定供給継続とトラブル発生時の早期復旧に備えるなど、顧客をサポートする運用をしている。

 一方、大型の空気分離装置が稼働する生産工場は24時間体制で操業。工場ごとに専門知識を有する保安要員を配置し、保安、品質、安定供給を最優先とした操業を徹底している。しかし生産年齢人口の減少が見込まれる中、より高度なリスク評価に基づく厳格な工場操業が求められてくる。同社のリモートオペレーションシステムを導入することで、これまでと遜色のない高度な運転管理が維持でき、生産性の向上と人的資源の有効活用を実現した工場運営体制が可能となる。

 同社は今後、同システムの検証を行い、法的要件を遵守した生産工場のリモートオペレーションの実現を目指す。2023年度にはリモートオペレーションセンター(仮称)を開設し、以後、対象工場(新相模酸素など)を順次拡大していく予定。

 同センターでは総合監視センターで培った遠隔監視技術に加え、IoT、AIをはじめとしたデジタル技術を活用しながら、プラント運転、設備管理、品質管理などを担う構想。併せて自動で最適運転を行うオートオペレーションにも取り組み、より高度で効率的な操業も推進していく。