UBEの4-6月期 樹脂・化成品の業績悪化で減収減益

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2023年8月7日

 UBEは4日、2024年3月期第1四半期(4―6月期)連結業績を発表した。売上高は前年同期比6%減の1092億円、営業利益40%減の26億円、経常利益3.5倍の53億円、純利益26%減の37億円となった。

 オンライン会見の中で石川博隆執行役員CFOは「ナイロンポリマーやカプロラクタム(CPL)の販売数量減や販売価格下落の影響が大きく、減収減益となった」と総括した。経常利益が38億円増加した要因については、「UBE三菱セメントの連結化で持分法投資損益66億円を取り込んでいる」と語った。

 セグメント別では、機能品セグメントは増収増益。ポリイミド、分離膜、セラミックスの各事業は堅調だったが、セパレータは自動車生産が低調に推移した影響を受けた。

 樹脂・化成品セグメントは減収・営業赤字。需要減退を受けたナイロンポリマーおよびCPLは、販売数量が減少したことに加え、市況が下落しスプレッドも悪化した。エラストマー事業は販売数量が前期並みだったが、ブタジエン価格と値差が開いたことでスプレッドが改善した。

 機械セグメントは増収増益。製鋼事業は国内外の需要減退により販売数量は厳しかったが、スクラップ価格の下落によりスプレッドが拡大。成形機事業および産機事業は堅調に推移した。

 その他セグメントは増収増益。医薬事業では昨年12月に買収した医薬品受託製造会社APIコーポレーションが業績に寄与した。セメント関連事業(持分法適用関連会社)は、国内では販売数量が減少したが、石炭などエネルギー価格高騰を受け販売価格の是正とコスト改善に努めた。北米市場では、前四半期に天候不順で滞っていた生コンの出荷が回復し、販売価格も上昇したことから採算が改善した。

 なお、通期業績予想については前回発表を据え置いている。石川CFOは、「樹脂・化成品セグメントの収益改善を見込む。CPLは冬物衣料の需要期に入る秋頃から持ち直し、ナイロンポリマーも漁網向けにインドへの出荷が伸びていく」と語った。