【化学企業 入社式訓示⑤】トクヤマ 横田浩社長

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2024年4月8日

 皆さん入社おめでとう。化学は日本のGDPの10%を占める中核産業であるとともに、世界に誇れる先端材料の開発に大きく貢献しており、私たちもその一翼を担っている。トクヤマグループは「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」ことを存在意義とするが、私たちはこの存在意義を全うすることで、社会から必要とされる存在であり続けなくてはならない。

 今があるのは、先人が築いてきたバトンを引き継いだ結果であり、私たちが日々問われているのは、トクヤマグループの未来に対して一人ひとりがそれぞれの持ち場で何を行い、次世代に何を渡していけるかだ。私たちは、未来のために知恵と行動力で克服し、カーボンニュートラルや労働人口減少などの難題に立ち向かっていかねばならない。

 会社の力は社員一人ひとりが発揮する力によって決まる。身に付けた知識やスキルを発揮し楽しく仕事に取り組めるかは、皆さんの意識と日々の努力にかかっている。時間は誰にでも平等に与えられるものだが、その時間をどのように有意義に過ごすかにより、将来に大きな差がつく。漢籍の「大学」に「苟日新、日日新、又日新(まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり)」とあるが、日々心新たに向上・進歩してもらいたい。

 皆さんは社会人になり、未経験の状況に直面していくわけだが、私は皆さんに完璧な成果を求めているわけではなく、失敗しながらも全力で仕事に取り組んでほしいと願っている。そして、その仕事への真心が、皆さんの成長にとても有益であると信じている。孟子の言葉に「至誠にして動かざる者は、未だこれあらざるなり」とあるが、まさにこの言葉に集約されている。

 毎年、トクヤマグループで働く皆さんに「国際性の涵養」「実学の実践」「人間力の陶冶」「フロンティアスピリットの発揮」について話をしている。この4つを常に意識し自己を磨いてほしい。

 最後に、皆さんの成長と健康を祈念して、私が尊敬する新渡戸稲造の言葉「haste not,rest not.(急ぐなかれ、怠るなかれ)」という言葉を贈る。