トクヤマの4-6月期 製造コスト低減で大幅な増益に

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2024年7月29日

 トクヤマは26日、2025年3月期第1四半期(4―6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3%減の825億円、営業利益46%増の75億円、経常利益49%増の84億円、純利益72%増の74億円となった。売上高はエクセルシャノンを連結対象から除外した影響で減収となったが、営業利益は石炭価格下落などによる製造コストの低減が寄与し大幅な増益となっている。

 セグメント別に見ると、化成品セグメントは増収増益。カセイソーダは、国内の販売数量は前年同期並みだったが、輸出数量の増加などで増益。塩ビモノマーは輸出数量が増加したが、製造コストが増加し前年並み。ソーダ灰は販売数量が減少し減益だった。

 セメントセグメントは減収増益。国内出荷は微減となったが、製造コストの改善が進み増益だった。電子先端材料セグメントは減収増益。半導体向けポリシリコンは、半導体市場低迷により販売数量は低調に推移したが、製品ミックスの改善および棚卸資産評価損の戻入を計上し増益。ICケミカルは台湾拠点の稼働率向上で収益が改善した。乾式シリカは半導体市場および中国景気の低迷で販売数量は低調に推移したが、円安効果やコスト削減で増益。放熱材は半導体製造装置向けの出荷が振るわず減益だった。

 ライフサイエンスセグメントは減収減益。歯科器材は海外向けを中心に出荷が増加し増益だったが、医薬診断システムおよび医薬品原薬・中間体は販売が減少し減益だった。

 環境事業セグメントは減収・赤字縮小。イオン交換膜は出荷減で減益。廃石膏ボードリサイクルは廃石膏ボードの受け入れが堅調で前年同期並みだった。

 なお、通期業績予想については、売上高3%増の3520億円、営業利益29%増の330億円など前回の数値を据え置いている。