出光興産は6日、2025年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比24%増の2兆2603億円、営業利益173%増の1225億円、経常利益137%増の1368億円、純利益109%増の950億円の増収増益となった。
決算説明会で坂田貴志経理財務部長は、燃料油の動向について「揮発油は乗用車保有台数減少や燃費改善、軽油は物流効率化などで需要は減少。ジェット燃料はコロナ以降の復便などで販売は増加した」と説明。「油価上昇に伴う在庫影響などで営業+持分損益(セグメント利益)は774億円増の1301億円で、在庫影響分が480億円、在庫影響を除く利益は、燃料油事業でのタイムラグなどにより248億円増の822億円だった」と総括した。
セグメントでは、燃料油セグメントは増収増益。原油価格上昇に伴う在庫評価影響とプラスタイムラグを含む国内マージン改善と輸出が要因。
基礎化学品セグメントは増収増益。前期の定期修繕の反動に伴う販売数量増加と在庫影響による。
高機能材セグメント増収増益。機能化学品の価格改善などが貢献した。電力・再生可能エネルギーセグメント減収減益で損失拡大。価格要因やバイオマス原料コスト増加などが要因だ。
資源セグメントは減収減益。石油・天然ガス開発事業・地熱事業は、生産数量減少を円安影響が上回り増収増益。石炭事業・その他事業は、数量増に対し石炭市況の下落に伴う価格要因などで減収減益となった。
なお、5月に公表した連結業績予想の変更は行わない。坂田部長は「第1四半期は燃料油事業を中心に計画を上回り進捗したが、足元の油価下落などの状況も踏まえた」と説明した。