カネカは26日、第7回無担保普通社債として、カネカ生分解性ポリマー「PHBH」の製造設備と研究開発の資金調達を目的とするグリーンボンド(環境債)を発行すると発表した。
募集金額は50億円、発行年限は5年で、今年9月の発行を予定している。グリーンボンドは環境問題の解決に貢献する事業に資金使途を限定したESG債の1つで、事業債として日本の化学会社では初めての発行となる。
「PHBH」は同社が開発した100%植物由来の幅広い環境下で優れた生分解性を有するポリマーで、海水でも生分解するユニークな物性を持っている。近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系への影響を与えるとして世界的な社会問題となっているが、「PHBH」は海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得しており、海洋汚染低減に大いに貢献すると期待されている。
欧州では使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化され、「PHBH」は果物・野菜袋やコンポスト(有機物を微生物の働きで分解させて堆肥化)袋などへの採用が進み、販売量が増加。また、国内ではコンビニエンスストアや化粧品メーカーなど大手顧客による、ストローやレジ袋、包装材など幅広い用途で採用が進んでいる。
同社は、今後さらなる需要拡大に向けて、「PHBH」の製造設備(高砂工業所)の現行生産能力を年間1000tから5000tに増強することを決定、今年12月の稼働を予定している。