積水化学工業の2020年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績は、海外でのモバイル端末や自動車の市況が、期初の想定を超えて低迷した影響を受けたものの、国内の戸建て住宅の引き渡し増加や建築用管材の販売拡大などにより、売上高は前年同期を上回った。
一方、営業利益については、為替や戦略投資による固定費増加の影響を受け、経常利益は為替差損などの影響を受けたことから、それぞれ減益となった。売上高は前年同期比微増の5565億円、営業利益は2%減の414億円、経常利益は8%減の421億円、純利益は9%減の296億円。
セグメント別に見ると、住宅カンパニーの売上高は4%増の2569億円、営業利益は8%増の185億円。新築住宅事業は分譲住宅や建て売り住宅などが大幅に伸長したほか、高コストパフォーマンスなエネルギー自給自足型住宅の商品ラインアップ強化が奏功し、増収増益。リフォーム事業は蓄電池によるエネルギー自給自足提案を中心とした戦略商材の拡販により、増収増益となった。
環境・ライフラインカンパニーの売上高は2%増の1132億円、営業利益は26%増の54億円。国内の重点拡大製品の販売が順調に拡大し、戦略投資による国内の固定費の増加を、数量・構成の拡大によってカバーし増収増益。第2四半期連結累計期間としての最高益を更新した。配管・インフラ分野は、国内での非住宅施設や公共インフラ向けに重点拡大製品の販売が拡大、機能材料分野では、航空機・医療向けの成形用プラスチックシートなどの販売が拡大した。
高機能プラスチックスカンパニーの売上高は6%減の1604億円、営業利益は15%減の197億円。住インフラ材分野は、耐火材料・不燃材料の拡販で増収となったものの、車輌・輸送分野は、海外市況の大幅な低迷が響いた。
なお通期の連結業績予想は、為替が円高に変動したことや海外市況の回復遅れを理由に、全項目を下方修正したものの、増収増益を見込む。売上高は1兆1500億円(前年比1%増)、営業利益1000億円(5%増)、経常利益970億円(4%増)、純利益670億円(1%増)としている。