住友化学は31日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比4%減の1兆6507億円、コア営業利益25%減の1163億円、営業利益11%減の1277億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益58%減の376億円となり、それぞれ前年同期を下回った。
セグメント別に見ると、主力の石油化学は、売上収益は前年同期比586億円減の5183億円、コア営業利益244億円減の274億円。石油化学品や合成樹脂は原料価格の低下に伴い市況が下落し、合繊原料やメタアクリルも市況が低水準で推移したことが主な減収要因。コア営業利益についても、石油化学品やメタアクリルなどの交易条件の悪化により前年割れとなった。
エネルギー・機能材料は、売上収益240億円減の1906億円、コア営業利益26億円減の177億円。レゾルシン(接着材用原料)の出荷が堅調に推移した一方で、アルミニウム市況や正極材料の原料金属の市況が低水準で推移し、販売価格が下落したことから、減収減益となった。
情報電子化学は、売上収益40億円増の3049億円、コア営業利益36億円減の187億円。偏光フィルムはテレビ・モバイル用途、タッチセンサーパネルの出荷増加が増収に貢献したものの、販売価格の下落が響き減益となった。
健康・農業関連事業は、メチオニン(飼料添加物)の市況は下落したが、前年度に実施した能増による出荷増が寄与し、売上高58億円増の2185億円。一方、コア営業利益は、メチオニンの交易条件悪化や農薬の出荷減により、175億円悪化し136億円の損失となった。
医薬品は増収増益となり、売上高104億円増の3822億円、コア営業利益83億円増の676億円。北米や中国でのラツーダ(非定型抗精神病薬)の販売が伸長し、収益増をけん引した。
なお、通期業績予想に変更はなく、売上収益は1%増の2兆3300億円、コア営業利益22%減の1600億円を見込んでいる。