SEMI ファブ装置投資額が来年に過去最高の見込み

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2018年10月11日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会のSEMIはこのほど、半導体前工程ファブの装置投資額が、来年には過去最高になる見込みであると発表した。

 8月31日に発行した最新の世界ファブ予測レポートによると、今年の投資額は前年比14%増の628億ドル、来年には同7.5%増の675億ドルとなり、年間投資額として過去最高を記録する見通しとなった。

 新規ファブ建設投資額についても、来年の投資計画は530億ドルと過去最高に近い水準に達している。ファブの技術・製品のアップグレード投資と、生産能力拡張投資の両方が増加し、多数の新規工場建設によって、装置需要が大幅に増加することが予測される。

 同レポートによれば、実現の可能性は計画によって異なるが、2017~20年に着工する新規ファブ・ラインは78に上る。こうした新規ファブ建設の結果、2200億ドル以上の装置需要が発生。この間の建設投資は530億ドルに達する見込みだ。

 17~20年着工の新規ファブ向け装置投資額では、韓国が630億ドルで首位に立ち、10億ドルの差で中国が続く。台湾は400億ドルで3位となり、日本(220億ドル)、南北アメリカ(150億ドル)が4、5位に、6位には同額の80億ドルで欧州と東南アジアが並ぶ見通し。

 装置投資額全体の60%がメモリー分野(最大シェアは3D NAND)、3分の1がファウンダリー分野のものとなっている。78のファブ建設計画のうち、59が17年と18年に着工し、19が19年と20年に着工する予定だ。新規工場への装置搬入は着工から1~1年半かかかるのが通常だが、企業の事情やファブの規模、製品タイプ、地域などの諸事情で2年以上かかる場合もある。

 計画されている2200億ドルのうち、17~18年に投資が実行されるのは10%未満で、40%近くが19~20年に、残りは21年以降の投資となる見込み。2200億ドルの投資額は、現在発表されているファブ計画から予測したものだが、依然として多数の企業が新規ファブ計画を発表しており、投資額の総計はこの水準を上回る可能性がある。

 なお、6月1日に発表された前回レポートと比べ、最新レポートでは18の新規ファブ計画が追加された。