SEMIはこのほど、世界の半導体前工程ファブのパワー半導体と、化合物半導体デバイス向け投資が、最終製品の需要回復により2021年までに59%もの急成長を遂げて、この製品分野では過去最高となる69億ドルに達するとの見通しを発表した。
今年は、後半からの需要回復が年間の下げ幅を緩和し、ファブが新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)からの回復の波に乗ることで、8%減まで縮小すると予測。パワー・化合物半導体デバイスは、電力を制御するために、コンピューティングや通信、エネルギー、自動車といった数々の産業で使用されている。 COVID‐19の拡大を抑制するために「外出禁止(ステイホーム)」が世界中で求められる中、サーバー、ラップトップPCなどのオンライン通信の中核となる電子機器の需要が急増している。
「SEMIパワー及び化合物半導体ファブアウトルック2024」は、800以上のパワー・化合物半導体関連の設備/ラインのデータを収録し、その設備投資と生産能力を2013~24年までの12年間にわたって網羅。2019年については、804の設備/ラインの合計で200㎜ウェーハ換算月産800万枚の生産能力が確認されている。
今後2024年までに生産を開始する38の新規設備/ラインが全体の生産能力を20%押し上げ、月産能力は970万枚に達する見通し。地域別に見ると、2019~24年の間に最も成長が著しいのは中国で、パワー半導体の生産能力は50%、また化合物半導体の生産能力は87%増加する。同期間にパワー半導体のファブ生産能力が大きく増加するのは、欧州/中東と台湾、また、化合物半導体のファブ生産能力が増加するのは米国と欧州/中東が見込まれる。