三井化学は、ファッションブランドのアンリアレイジ(東京都港区)が9月25日(現地時間)に「2019春夏パリコレクション」で発表した新作に、マテリアル・アドバイザーとして全面協力した。
三井化学の組織横断的なオープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(MOLp)」を通じて実施した。また、スポーツ用品メーカーであるアシックス(兵庫県神戸市)の、オニツカタイガーブランドとの3社コラボモデルにも協力。三井化学は3つの独自素材を提供した。
①「SunSensors-MR-8」は、メガネレンズ材料として世界トップシェアを誇る同社の調光レンズブランド。特殊色素をレンズ自体に練り込むインマスタイプであるにも関わらず、トップレベルの退色スピードを実現し、コーティングタイプのレンズに比べて調光性能が長持ちする。今回、色が変わる洋服に付けるボタンやコインなどのパーツとして使用された。
②「STABiO」は、同社が開発した世界初のウレタン新素材。植物を原料とするバイオマスプラスチックで、ライフサイクルでのCO2排出削減に貢献する。自動車塗料などに使用されている。パリコレでは、色が変わる洋服に付けるパールやスタッズなどの各種パーツ、靴などに使用された。
③「プライムポリプロ」は、同社子会社のプライムポリマーが製造・販売する日本トップシェアを誇るポリプロピレン樹脂。特にバンパーやインパネなどの自動車用途では、グローバルに高いシェアを誇る。三井化学東セロのフィルム加工技術を活用し、フィルムやシート、マイクロスリット糸に加工したのち、色の変わるスパンコールやニットとして使用された。
アンリアレイジの9度目となるパリコレでのテーマは「CLEAR(クリア)」。光を完全吸収する黒を、その対極にある光を透過する透明へと変化させ、見えない光と見えない色を共存させることで、「色即是空-ALL IS VANITY-」の表現に挑戦した。
一方、三井化学の素材の感性価値を再発見する取り組みMOLpは、機能的価値を体験価値に昇華すること。プラスチックの新しいエージング表現という観点からアンリアレイジのコンセプトに共感。今年1月に買収したグローバル開発支援企業のアークとともに、アンリアレイジが目指す新しい「色への挑戦」を素材から成形品に至るまで、ものづくりの面から全面的にサポートした。