住友化学はこのほど、同社グループ会社を含めた温室効果ガス(GHG)排出に関する削減目標が、総合化学企業として世界で初めて「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」による認定を取得したと発表した。
SBTイニシアチブは、国際NGO、UNGC(国連グローバルコンパクト)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4組織からなる団体。また、SBTとは産業革命前からの地球の平均気温上昇を 2℃未満にするという、2015年に採択された「パリ協定」の「2℃目標」を実現するため、企業が気候科学に基づき設定した高水準な目標のこと。
同社は気候変動問題を社会が直面する最重要課題の1つと捉えており、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を生かし、GHG削減などに積極的に取り組んでいる。こうした中、気候変動対応に関する中長期の取り組み方針を新たに策定し、 7月に目標をSBTイニシアチブに申請、審査を経て認定された。
認定された目標では、2030年度までに、グループの工場からのGHGの直接排出量および工場外からの電力購入などによる間接的なGHG排出量を、2013年度比で30%削減する。また、2050年度までに、バリューチェーンでGHG大幅削減のためのソリューションを提供しつつ、グループの工場内外からのGHGの直接的・間接的な排出量を、2013年度比で57%以上削減する。
さらに、購入する原料の製造段階・輸送段階などでの排出に関して、同社の主要サプライヤーが、2024年度までに科学に基づくGHG削減目標を設定するよう、エンゲージメント(目的をもった対話)を実施する。