デンカの4-6月期 需要減と価格見直しで減収減益

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2020年8月17日

 デンカは7日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比16%減の762億円、営業利益35%減の44億円、経常利益21%減の50億円、純利益17%減の42億円だった。一部の電子・先端プロダクツ製品で販売数量は増加したが、全体的には世界的景気後退による需要減のため販売数量が減少。また原材料価格下落に応じた販売価格の見直しも影響した。

 セグメント別では、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は31%減の271億。クロロプレンゴムの販売減とSMやPS樹脂、MS樹脂の価格見直しを行った。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は9%減の117億円。特殊混和材や農業・土木用コルゲート管は堅調だったが、セメントや肥料、耐火物・鉄鋼用材料が前年を下回った。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は微増の156億円。球状アルミナはxEV関連で数量が増加し、電子部品・半導体関連の機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、5Gやデータセンター需要で堅調だった。高純度導電性カーボンブラックや高信頼性放熱プレート、LED用サイアロン蛍光体は前年並。金属アルミ基板ヒットプレートなどの自動車産業用製品は前年割れとなった。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は11%減の79億円。食品包材用シート・加工品はテイクアウト需要で堅調だったが、プラスチック雨どいや合繊かつら用原糸、工業用テープは前年を下回った。

 ライフイノベーション部門の売上高は3%増の53億円。試薬は健康診断の減少が響いた。「アビガン錠」の原料マロン酸ジエチルの出荷を行った。その他部門の売上高は5%減の87億円。商社の取り扱い量が前年を下回った。

 なお、上期業績予想を発表。売上高17%減の1600億円、営業利益22%減の120億円を見込む。通期業績予想については前回発表を据え置いている。第2四半期以降も経済情勢の先行き不透明感は残るが、電子・先端プロダクツやライフイノベーションのスペシャリティー事業を中心に、「Denka Value-Up」成長戦略を推進し、期初予想の達成を目指す考えだ。