カネカはこのほど、生乳を取引する酪農パートナー別海ミルクワールド(北海道野付郡別海町)と有機生乳製造・販売の別海ウェルネスファームを6月に設立したと発表した。別海ウェルネスファームの有機専用牧場は来年4月に稼働、2022年に生乳の有機JAS認証取得を目指す。同牧場の生乳は全量カネカが買い取り、ヨーグルトを中心に牛乳、バターなどの有機乳製品を拡充し、24年には乳製品事業全体で売上高100億円を目指す。
カネカはベルギーのPur Natur Investと技術提携し、18年に乳製品事業に参入。「パン好きの牛乳」「パン好きのカフェオレ」「ベルギーヨーグルト」「発酵バター」など、技術導入による製品を相次ぎ上市し、市場での高い評価とともに販売は順調に伸長している。今後、有機乳製品や同社のサプリメント素材と組み合わせた機能性食品などの高付加価値商品の品揃えを増やし、販売を拡大していく予定。
後継者不足や労働力不足で国内の酪農業は厳しい環境下にある中、同社は「酪農家と共に魅力ある酪農業を考え、持続可能な酪農を推進する」ことを乳製品事業展開の理念としている。新会社では高付加価値の有機生乳生産に加え、酪農現場の省力化、飼料の自家栽培など、酪農の生産性向上に取り組み、人・乳牛・環境に配慮した持続可能な循環型酪農を目指す考えだ。