デンカは23日、グループ会社であるドイツのアイコン社が、ベルギーでノロウイルスワクチンの第Ⅰ相臨床試験を開始したと発表した。
今回の臨床試験はアイコン社で開発中のノロウイルスワクチンを健康な成人へ投与した際の安全性と免疫原性を評価することが目的。アイコン社はベルギーの保健当局に治験届けを今年2月に提出しており、当局の承認のもと同国内のヘント大学病院ワクチンセンターで実施する。
現在、デンカグループではアイコン社を中心に同社の技術プラットフォーム「magnICON(マグニコン)」によりノロウイルスワクチンや検査試薬に使われる原料などの研究開発を推進。研究開発の進展に伴い、研究開発・製造などの中核拠点を建設するため、アイコン社近傍のハレ市ヴァインべルク キャンパス技術団地に約5万㎡の用地を今年3月に取得した。
デンカグループは経営計画の中でヘルスケア事業を重点3分野の1つと位置づけ、感染症対策としてインフルエンザワクチンや新型コロナウイルスを含む各ウイルス抗原の迅速診断キットなどの製品を供給している。
デンカはアイコン社での研究開発を積極的に支援し、有効な予防法や治療方法が確立されていないノロウイルス感染症のワクチン開発を進め、人々のQOL向上に貢献していく。