ダイセルはこのほど、エクオールを含有する機能性食品素材「フラボセル EQ‐5」の摂取により、女性ホルモンの減少による心身の不調をもつ女性のQOLが改善する研究成果を報告した。同社は今回の研究成果について、9月25日に開催された「第20回日本抗加齢医学会総会」で発表している。
エクオールは、大豆イソフラボンの一種のダイゼインが腸内細菌によって代謝を受けて生成される物質で、ダイゼインと比較して高い女性ホルモン様作用をもち、更年期障害の緩和、骨密度の維持、乳がんや前立腺がんリスクの低減、肌の老化予防、認知症や生活習慣病のリスク低下の効果があることが認知されている。また、エクオール産生能には個人差があり、食生活や生活習慣に影響されることも知られている。
同社は、エクオールを含有する機能性食品素材である「フラボセル EQ‐5」の摂取が、女性ホルモンの低下による不調をもつ閉経後の女性のQOLに与える影響について研究した。事前アンケートによって、心身の不調を自覚し、分析により女性ホルモンが低下し、エクオール産生能をもたないことを確認した閉経後の女性を抽出。「フラボセル EQ‐5」(エクオールとして5㎎)を含むカプセルを1日2粒、12週間にわたり摂取してもらい、日本抗加齢医学会の「抗加齢QOL共通問診票」に沿いQOLを評価した。
その結果、「肩こり」の改善といった、更年期障害で見られる項目に加え、「食欲不振」「胃がはる」「便秘」といった消化器官に見られる症状や、「意欲」「幸福感」といった心の症状など、幅広い項目で改善が見られた。これにより、「フラボセル EQ‐5」を摂取することで女性ホルモン低下に伴う自覚症状を改善させ、QOLを改善することが示された。
同社は、今後もエクオールのような腸内代謝物をはじめとする様々な機能性食品素材の開発を進め、女性のQOL向上にとどまらず、幅広い研究を行っていく考えだ。