信越化学工業が27日に発表した、2021年3月期第2四半期(4-9月期)連結決算は、売上高が前年同期比10%減の7105億円、営業利益は同13%減の1843億円、経常利益は同12%減の1922億円、純利益は同15%減の1403億円となった。
セグメント別では、塩ビ・化成品事業は売上高が同16%減の2138億円、営業利益は同28%減の374億円。米国シンテックでフル操業を継続し、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を維持したが、4~5月の経済活動制限による市況の影響を受けた。欧州や国内拠点でも販売数量の維持に努めたものの、市況の影響を受けた。
シリコーン事業は売上高が同14%減の992億円、営業利益は同34%減の206億円。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化が響いた。
機能性化学品事業は売上高が同9%減の531億円、営業利益は同22%減の108億円。セルロース誘導体は、医薬用製品や塗料用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調だった。
半導体シリコン事業は売上高が同4%減の1891億円、営業利益は同1%増の755億円。ウエハー市場動向にバラつきが見られたものの、出荷水準の維持に注力した。
電子・機能材料事業は売上高が同2%減の1096億円、営業利益は同1%増の335億円。希土類磁石は、経済活動制限により一時海外工場の稼働が影響を受けたが、ハードディスクドライブ向けは好調に推移した。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調に推移。マスクブランクスも先端品が伸長した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受け厳しい状況となったが、大型パネル用フォトマスク基板は堅調だった。
加工・商事・技術サービス事業は売上高が同13%減の454億円、営業利益は同12%減の64億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器の出荷は堅調だったが、自動車用入力デバイスが自動車市況悪化の影響を受けた。
また、同日にコロナ禍で見送っていた通期の連結業績予想を発表した。売上高は前期比7%減の1兆4300億円、営業利益は同7%減の3770億円、経常利益は同7%減の3900億円、純利益は同10%減の2830億円を見込む。