トクヤマ 化成品とライフアメニティーが減収減益に

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2020年10月29日

 トクヤマは28日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の決算発表をオンラインで開催した。横田浩社長は「コロナの影響などにより減収減益となった。カセイソーダは国内販売数量が減少し、石化製品の市況が軟調だった。またロックダウンの影響で歯科材料や眼鏡材料の輸出が減少した」と総括した。売上高は前年同期比6%減の1432億円、営業利益11%減の129億円、経常利益8%減の124億円、純利益4%減の99億円となった。

 セグメント別で見ると、化成品セグメントは減収減益。カセイソーダは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内の販売数量が減少し、海外市況が下落した。塩ビモノマーは、国産ナフサの価格下落による製造コストの低減はあったものの、コロナ影響で海外市況が下落した。塩ビ樹脂は、海外での需要が堅調だったこと、原料価格と販売価格のスプレッドの維持に努めたことで、前年同期並みとなった。

 特殊品セグメントは増収減益。半導体向けの多結晶シリコンは、5Gの導入やリモートワークの増加を背景に販売が堅調に推移した。電子工業用高純度薬品は、海外向けを中心として販売数量が増加。乾式シリカは、コロナ影響などで販売数量が減少した。

 セメントセグメントは増収増益。コロナ影響の国内出荷への影響が限定的であり、原料価格の下落で製造コストが低減したことで増益となった。

 ライフアメニティーセグメントは減収減益。ロックダウンの影響により、海外市場でメガネ材料や歯科材料の需要が減少した。微多孔質フィルムは、紙おむつなどのサニタリー用品向けの需要が堅調に推移した。その他セグメントは減収増益だった。

 なお、同日、通期業績予想の修正を発表。子会社サン・トックスの連結除外に伴い、売上高3000億円(前回予想比100億円減)を見込んでいる。各利益項目については前回予想を据え置いている。

 横田社長は「利益は据え置いたが、セグメント別に内容を見直している。化成品はカセイソーダの出荷減により営業利益が10億円減少、ライフアメニティーも下期に挽回するものの、5億円減少となる。ただ、セメントが石炭価格下落のメリットを受け、下期も好調に推移する」との見通しを示した。