帝人グループのインフォコムは17日、医療領域の専門家検索サービス「エイチワンプラットフォーム」を提供する、米国のH1 Insights(H1社)と業務提携し、同サービスの日本での販売活動とマーケティング活動を開始すると発表した。
製薬企業は、対象領域で知見と影響力をもつ「キーオピニオン・リーダー(KOL)」と呼ばれる医師などの専門家に協力を依頼するが、情報が様々なデータベースやSNS上に散らばっており情報収集に多大な費用と時間を費やしている。この課題を解決するため、H1社はインターネット上のオープンデータから、医師や研究者約900万人分の実績や論文などの情報を独自の技術で収集したデータベース「エイチワンプラットフォーム」を開発。製薬企業に販売し、最適な専門家の選定を通じて研究開発を支援している。
日本でも、製薬企業が新たな疾患領域や希少疾患に関する新薬開発に乗り出す中、従来の人脈や経験だけでは発見できなかったKOL探索の手段が求められている。インフォコムは、国内の製薬企業の研究開発部門、営業部門を中心にソフトウェアやクラウドサービス「DigiPro(デジプロ)」を提供。そのノウハウを生かし、同社の顧客を中心に、H1社が提供する医療専門家検索サービスの製薬企業への紹介、販売活動を行う。また、日本の製薬企業のニーズに合わせた機能の追加や、日本人の専門家の登録拡大も支援する。デジタル化が急速に進む製薬業界では、今後、様々なデータの分析を通して、より効率的な研究開発・マーケティング活動が求められる。
インフォコムは、今回のH1社との業務提携により、製薬企業向けに、「DigiPro」などのクラウドサービスの仕組みとともに、それらをより効果的に活用するためのデータ提供を含め、総合的なサービス展開を進めていく。