SEMIはこのほど発表した最新レポートの中で、300mmファブ投資額が今年、前年比13%増と最高額を更新し、さらに2023年には再度、記録を更新する見通しを示した。
コロナ禍による全世界のデジタル・トランスフォーメンションの加速により、今年、ファブ投資に火が付き、この投資増は来年まで続く見通し。この成長を後押しするのが、クラウドサービス、サーバー、ラップトップ、ゲーム、ヘルスケア向けの半導体需要の高まりだ。また、5G、IoT、自動車、AI、機械学習などの急速に発展するテクノロジーが、コネクティビティの拡大、大型データセンター、ビッグデータの需要を盛り上げていることも、この成長の背景にある。
半導体ファブへの投資は来年まで継続するが、その勢いは前年比4%に減速する見込み。レポートでは2022年、2023年の700億ドルという最高額の翌2024年にも、わずかな減少を予測している。また、同レポートは2020~2024年の間に半導体産業が少なくとも38の新規300mm量産ファブを建設することを示している。同期間にウェーハ生産能力は月産180万ずつ増加し、2024年までに生産能力は月産700万枚を超えると見られる。
地域的には、台湾が11、中国が8と全体の半分を占める。半導体産業の300mmファブの数は2024年に161に上る見通し。中国は300mm生産能力の世界シェアを急速に高めており、2015年はシェア8%だったが、2024年にはシェア20%まで増加し、月産能力は150万枚に達する。
この成長の大部分は非中国系企業だが、中国系企業による生産能力投資は加速している。中国系企業の中国ファブ生産能力に占める割合は2020年43%、2022年50%、2024年60%に達する見込み。日本の生産能力のシェアは減少傾向であり、2015年19%から2024年には12%となる。南北アメリカのシェアも縮小、2015年13%から2024年10%になることが予測される。最大投資は韓国で、150億~190億ドルが見込まれる。第2位が台湾で140億~170億ドル、3位が中国で110億~130億ドルとなる見込み。