富士石油はこのほど、環境エネルギー(広島県福山市)およびHiBD研究所(福岡県北九州市)とバイオジェット燃料の製造に関する共同研究契約を締結したと発表した。
持続可能な社会の構築に向けて脱炭素化の議論が行われる中、航空輸送分野でもCO2排出量削減の取り組みが進められている。国際民間航空機関(ICAO)は「国際民間航空のためのカーボンオフセット及び削減スキーム(CORSIA)」を導入し、来年以降に国際線を運航する航空会社が、決められた排出量を超えてCO2を排出した場合、排出枠を購入しオフセットすることが求められる。こうした中、燃焼しても大気中のCO2総量を増加させないバイオジェット燃料は、CO2排出削減の有効な手段と期待され、導入の気運が世界的に高まっている。
環境エネルギーとHiBD研究所は、2018年の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」でバイオジェット燃料の製造技術の開発に取り組んでいる。今回の共同研究契約の締結により、富士石油グループの石油精製の知見を活用しながら連携して技術開発を行う。
同社グループは「事業を通じて社会に貢献しながら持続的な成長を目指す企業であるべき」との信念の下、低炭素社会への貢献に向け積極的に取り組んでいく考えだ。