KHネオケムは10日、2020年12月期(1-12月期)の連結業績について電話会見を行った。売上高は前年比18%減の773億円、営業利益41%減の56億円、経常利益43%減の56億円、純利益42%減の40億円となった。髙橋理夫社長は減収減益について、「新型コロナの影響で販売数量が10%減少し、国内ナフサ価格の22%下落による製品価格の低下、大規模修繕費用や冷凍機油原料の大型設備投資の償却費の増加が主な要因だった」と総括した。電子材料は販売数量・利益ともに堅調だったが、機能性材料の需要が低迷した。
セグメント別に見ると、基礎化学品は減収減益。第2四半期(4-6月期)は幅広い分野で国内需要が減退したが、第3四半期(7-9月期)以降は自動車関連を中心に緩やかに需要が回復した。機能性材料は減収減益。エアコン用冷凍機油原料の需要が落ち込み、サプライチェーンでの在庫調整の影響などで第3四半期まで低迷した。化粧品の販売減で化粧品原料が低調に推移し、販売数量が減少した。
電子材料は増収増益。国内外のテレワーク拡大や5Gへの移行進展などを背景に半導体・ディスプレイ向け需要が堅調に推移する中、高純度溶剤の販売数量が前年を上回った。
2021年12月期の通期業績は、売上高864億円(前年比12%増)、営業利益82億円(45%増)、経常利益83億円(48%増)、純利益58億円(43%増)を見込み、「大幅に回復するものの2019年レベルには戻りきらない。しかし、EBITDAは若干上回る見込みだ。冷凍機油原料は新設備の稼働により、確実に需要を取リ込む。電子材料は子会社の新世代半導体向け設備稼働と、四日市工場の最高水準のクリーンルームを備えた品質管理棟の着工で、高付加価値製品の供給体制を強化する。四日市の職場環境整備投資も開始する」と述べた。
濱本真矢取締役常務執行役員は「基礎化学品と機能性材料は回復需要を確実に取り込み数量を大幅に増やし、価格下落や原価償却費の増加をカバーし増益を目指す」としている。