昭和電工はこのほど、連結子会社である昭光通商の株式を丸紅系投資ファンドに譲渡すると発表した。昭和電工は昭光通商の44%の株式を所有しているが、投資ファンド「アイ・シグマ・キャピタル」が運営するファンドのTOB(株式公開買い付け)に29%を応募する。昭和電工は株式を15%残すことで、昭光通商との取引関係を継続する方針だ。
昭光通商は、1947年に化学品、肥料の国内販売と輸出入を目的として設立され、1981年には東証第一部に上場した。その後の事業・商材の拡充などを通じて、現在では化学品、合成樹脂、および金属セラミックスなどを取り扱う総合商社として幅広い部材や商品を取り扱っている。
一方、昭和電工は昨年に日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)の買収を完了。12月に公表した「統合新会社の長期ビジョン」では、事業ポートフォリオの再編として、事業価値2千億円相当の事業売却の方針を示した。今年1月末にはアルミニウムの2事業(アルミ缶、高純度箔)を米国ファンドへ売却している。
こうした中、昭光通商について、アイ・シグマ・キャピタルから企業価値向上に向けた提案を受けた。昭和電工は内容を慎重に検討した結果、投資ファンドならびに親会社である丸紅や同社グループがもつ国内外のネットワーク、経営ノウハウを活用することで、昭光通商のさらなる成長加速と企業価値の向上を実現できるとの結論に至った。