日鉄ケミカル&マテリアルは16日、ビスフェノールA(BPA)について、9月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「25円/kg以上」。
BPAの需要は、一時の異常な高騰からは一段落した。しかし、ポリカーボネート樹脂の一部には需要に陰りが見える反面、依然としてエポキシ樹脂向け需要が、中国を中心に風力発電用途などで堅調に推移。それに加え、国内外で設備トラブルが相次ぎ供給面の不安も抱えていることを背景に、需給バランスがタイト化し、BPA市況も高水準を継続している。
また、足元では、原料となるベンゼン市況が1050ドル、国産ナフサ価格も5万5000円を超えるレベルまで上昇。さらに、原油価格の上昇に伴い燃料となるC重油も上昇が予想されている。同社は、原料費高騰や用役費の上昇、設備老朽化によるメンテナンス費用増大など、これらのコストアップを価格転嫁せざるを得ないと判断した。