出光興産 アンモニアSC構築、JERAなどと共同検討

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2021年10月7日

 出光興産はこのほど、アンモニアサプライチェーン構築に向けた共同検討について、JERA(東京都中央区)、およびヤラ・インターナショナル(ノルウェー・オスロ)と覚書を締結したと発表した。

 今回の覚書締結により3社は、徳山事業所(山口県周南市)を拠点としたアンモニア国内物流構築、同拠点を活用したアンモニアバンカリング(船舶向け燃料)事業や需要開拓、国内向け燃料アンモニアの海上輸送の最適化についての共同検討に取り組む。

 カーボンニュートラル社会の実現が世界的に目指される中、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、CO2排出量削減に寄与することが出来る次世代燃料として期待されている。また、アンモニアは発電用燃料としても注目されており、特に石炭火力発電では石炭との混焼実証が進められている。

 出光興産は、徳山事業所の既設ナフサ分解炉や石炭ボイラーを利用したアンモニアの混焼実証試験を計画するとともに、将来はCO2低減策の1つとして徳山事業所近隣の顧客へのCO2フリーアンモニア供給を目指している。

 JERAは国内最大の発電事業者として、自社の保有する石炭火力発電所にてCO2フリーアンモニアの混焼を目指し、その生産にも積極的に取り組んでいる。

 また、世界最大規模のアンモニアメーカーであるヤラ・インターナショナルは、アンモニアの国際物流を数多く担い、欧州や豪州ではCO2フリーアンモニアの生産プロジェクトを進めている。

 出光興産は中期経営計画において、既存の製造拠点を新たな低炭素・資源循環エネルギーハブへと転換する「CNXセンター構想」を掲げる。その一環として、CO2フリーアンモニアのサプライチェーン構築の早期実現を目指しており、まずは徳山事業所を拠点とした検討を推進。今回3社で共同検討に取り組むことで、アンモニアSC構築の実現に向けて、より一層前進すると見られる。

 出光興産は今後も、自社操業に伴うCO2排出量削減を推進するとともに、顧客のCO2排出量低減に貢献するため、低炭素エネルギーの安定供給に向けた活動を展開する。