三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)はこのほど、西豪州でのクリーン燃料アンモニア生産の事業化に向けたCO2の回収・貯留(CCS)に関する共同調査を実施することに合意し、三井物産子会社Mitsui E&P Australia(MEPAU)とJOGMECの間で契約を締結した。MEPAUは、調査の実施についてWesfarmers Chemicals,Energy & Fertilisers社(WesCEF)と覚書を交換した。
WesCEFはアンモニア製造事業者として製造・販売にわたる豊富な知見をもつ。MEPAUは50%の権益をもつ西豪州ウェイトシアガス田をオペレーターとして開発中で、近隣の廃ガス田の権益も100%もっている。
地理的に近いガス田と廃ガス田を結びつけ、ガス田で生産される天然ガスを改質し、得られる水素でアンモニアを合成し、副生するCO2は廃ガス田に貯留することで、クリーン燃料アンモニアを製造する。
今回、廃ガス田でのCCSの有効性を共同調査する。三井物産は西豪州での石油・ガス生産事業のオペレーター機能に加え、既存の優良ガス資産を活用したクリーン燃料アンモニアの生産と日本を含むアジアへの輸出を計画している。両社の強み・ノウハウを生かして協業を進め、クリーン燃料アンモニアのサプライチェーン確立に向けた投資と雇用創出を通じて、豪州経済にも貢献していく。
三井物産は、石油・ガス上流事業の知見と、今年3月に出資参画した英国のStoregga Geotechnologies社との業務提携を通じて得られる知見を生かし、「環境と調和した社会」の実現に向けてCCS事業をグローバルに展開し、低炭素エネルギーとCO2削減ソリューションを提供していく考えだ。