三菱ケミカルグループは15日、キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)について、7月18日出荷分から値上げすることを決定し、需要家と交渉に入ったと発表した。改定幅は、EDTA類が国内「100円/kg以上」、輸出「740ドル/t以上」。DTPA類が国内「180円/kg以上」、輸出が「1300ドル/t以上」。
キレート剤は国内の洗剤や肥料向けの需要が堅調に推移し、海外では水処理用途を中心に需要が伸張している。一方、原油価格の上昇により国産ナフサ価格が?8万円を超えるレベルで推移していることを受けて、EDA・苛性ソーダ・ホルマリンといったキレート剤の原料価格が高騰。加えて梱包材料、物流費など諸経費が上昇し、さらに働き方改革や設備安全への要求の高まりから製造コストが上昇するなど、採算が悪化している。
同社グループは、生産の効率化などによるコスト低減努力を続けているが、原料価格の上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えていることから、コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断し、価格改定の実施を決定した。