昭和電工グループの2018年の業績は、2年連続で最高益を更新する見通しだが、市況好況の恩恵を十分に享受できたのは、「しっかりとした今」を作るため、各事業が長年にわたって取り組んできた施策が実を結んだ結果だ。
2019年の世界経済は、米中貿易摩擦や地政学リスクなどの要因から、2017年から好況が続く世界景気に陰りが見え、減速に向かう懸念が高まっている。風向きの変化に即応できるか、当社グループの真価が問われる重要な一年だ。
「個性派企業」に向け、本年から始まる新中期経営計画「The TOP 2021」では、これまで創出してきたキャッシュを基盤に、長期的な成長へ大きく舵を切る。山頂を意味する「The TOP」には、当社が目指す山の頂上、2025年に当社事業の半数以上を個性派事業とするという思いを込めている。
一定規模の営業利益、営業利益率10%以上、収益変動の抑制の3つを満たす個性派事業への道のりは事業ごとに異なるが、本計画で新たに定義した目指す方向性「高める」「伸ばす」「変わる」ために歩み始める。加えて、持続的な成長を実現するためには新規事業の創出が必須だ。新たな事業を「創る」、成長への強い意志をもとう。
2019年は創立80周年の節目の年だ。これまでの先人の苦労に感謝するとともに、「期待をもてる将来」をわれわれが示すことで、すべてのステークホルダーにご満足いただく企業を目指す。当社グループが、人々の「こころ」を動かし、「社会」を動かす。そういった存在となるために、価値創造の主役である従業員一人ひとりの主体的な行動を期待している。新たな成長に向けて、力強くスタートしよう。