出光興産は8日、2024年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比18%減の1兆8189億円、営業利益81%減の449億円、経常利益76%減の578億円、純利益75%減の454億円の減収減益となった。
決算説明会で、尾沼温隆執行役員経理財務部長は「1914億円の大幅減益のうち、前年度の原油価格上昇に伴う在庫影響の反転などによるものが約1600億円、残り275億円は燃料油の輸出における価格・マージン、数量減などが要因」と総括した。
セグメント別に見ると、燃料油セグメントは減収減益。原油価格の下落や販売数量の減少で減収。前年度の在庫評価影響や輸出マージンの悪化、前年度のプラスのタイムラグの減少による国内製品マージンの縮小などで減益となった。
基礎化学品セグメントは減収損失。ナフサ価格の下落や販売数量の減少で減収。定期修繕による販売数量の減少や経費の増加などで損失となった。高機能材セグメントは増収増益。潤滑油事業でのマイナスのタイムラグ解消などで増益となった。
電力・再生可能エネルギーセグメントは減収損失。電力事業での自社電源での供給・販売を基本とした取り組みで収益改善したが、損失となった。
資源セグメントは増収増益。石油・天然ガス開発事業・地熱事業は生産数量の増加などで増収、操業費用の増加などで減益となった。石炭事業・その他事業は、生産数量が減少し市況が下落基調であったが、販売価格とのタイムラグや為替影響などで増収増益となった。
なお、5月に公表した連結業績予想は据え置いた。尾沼部長は「第1四半期の進捗は概ね計画通りであり、足元の石炭価格・為替変動の通期業績への影響は限定的である」との見方を示した。