住友化学の4―9月期 環境悪化で三セグメントが損失に

,

2023年11月2日

 住友化学は1日、2024年3月期第2四半期(4―9月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比22%減の1兆1869億円、コア営業損失967億円(同2123億円減)、営業損失1337億円(同1942億円減)、純損失763億円(同1574億円減)と大幅な減収減益となった。

 セグメント別に見ると、エッセンシャルケミカルズは減収・営業損失。合成樹脂やメタアクリル、各種工業薬品などは原料価格の下落により市況が低水準で推移。世界的な景気減退による石化品の需要減少、合繊原料の事業撤退により出荷が減少した。加えてラービグの業績悪化も収益悪化の要因となった。

 エネルギー・機能材料は減収減益。アルミニウムや正極材原料の貴金属の市況は低水準で推移し、自動車関連用途を中心に出荷が低調だった。

 情報電子化学は減収減益。ディスプレイ関連材料や半導体プロセス材料の高純度ケミカルやフォトレジストは、消費マインドの悪化で出荷が減少した。

 健康・農業関連事業は減収・営業損失。農薬は南米でのジェネリック品の高騰売価が落ち着いたことや、流通在庫の増加で出荷が減少したため販売量が減少。飼料添加物のメチオニンは市況が下落し、交易条件が悪化した。

 医薬品は減収・営業損失。北米では、進行性前立腺がんなどの治療剤は売上が伸長したが、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の米国での独占販売期間の終了が大きく影響した。

 同日、通期業績予想の修正を発表。売上収益2兆7000億円(前回発表比2000億円減)、コア営業損失700億円(同1100億円減)、営業損失1250億円(同1450億円減)、純損失950億円(同1050億円減)を見込む。エッセンシャルケミカルズやエネルギー・機能材料の需要減や交易条件悪化に加え、健康・農業関連事業における南米での農薬在庫の削減やメチオニン事業の損益悪化などを修正理由に挙げている。