デンカは22日、バイオスティミュラント市場へ本格参入することを決定したと発表した。経営計画「Denka Value‐Up」に基づき推進している、スペシャリティー事業の成長加速化の一環。
バイオスティミュラントは「植物やその周辺環境が本来もつ自然な力を活用することにより、植物の健全さ、ストレスへの耐性、収量と品質などに良好な影響を与える様々な物質や微生物」を指す。
世界市場の規模は昨年の約22億ドルから、2022年には約 33億ドルへと拡大し、その成長率は年率10.4%になると予測されている。世界では人口増加による農産物需給のひっ迫、地球温暖化と気候変動の影響による農産物被害の深刻化などが大きな問題となっており、それらの解決手段の1つとしてバイオスティミュラントに大きな期待が寄せられている。
同社は、50年以上にわたり国内を中心にバイオスティミュラントの一つである腐植酸を使用 した肥料「アヅミン」を販売してきた。「アヅミン」は土壌改善に加え、乾燥や低温などの不良環境下でも、主に農作物の根を活性化し生育改善に大きな効果を発揮することから、多くの農業生産者から高い評価を得ている。
「アヅミン」の製造販売により蓄積した技術的知見を基盤に、同社では腐植酸製品のさらなる高機能化や、オープンイノベーションによる、新たなバイオスティミュラント製品の開発を推進する。さらに海外32拠点のデンカグループのネットワークを活用し、海外のバイオスティミュラントメーカーとの事業アライアンスを進めていく。