ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスの2018年度連結決算は、売上高が前年比10%増の72億ユーロ、特別項目を除いた EBITDも同10%増の10億ユーロ、純利益は4億ユーロ(前年度は8700万ユーロ)となった。アドバンスト中間体部門、スペシャリティアディティブス部門、エンジニアリングマテリアルズ部門の経営基盤強化に加え、ケムチュラ社とソルベイ社から買収したリン添加剤事業の統合も貢献した。
純利益の大幅増については合成ゴム事業の合弁会社アランセオの全保有株式50%を、元合弁会社のパートナーであるサウジアラムコ社に売却したことや、前年度に一時的な費用の計上があったことが影響した。
部門別では、アドバンスト中体部門は厳しい農業市場にもかかわらず堅調に推移。売上高は前年比12%増の22億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同7%増の4億ユーロとなった。
スペシャリティアディティブス部門の売上高と営業利益は、ケムチュラ社とソルベイ社から買収した事業の統合により大幅に増加。売上高は同23%増の20億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同29%増の3億ユーロだった。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高と営業利益は、好調だった前年度から減少。特に皮革と建設業界の低迷が影響した。売上高は同6%減の13億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同26%減の2億ユーロ。
エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高と営業利益は大幅に増加した。軽量化構造向けプラスチックの利益性の高い事業が好調で、ケムチュラ社買収の一環として獲得したウレタン事業も貢献した。売上高は同15%増の16億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同22%増の3億ユーロとなった。なお、2019年度の特別項目を除いたEBITDAについては、前年度と同水準と予測している。