ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、価格が高騰する赤リンを使わずに難燃性を達成したポリアミド66のコンパウンドを提供している。
赤リンはポリアミド66に使用される難燃性添加剤として定着している。その特長は、機械的性能にほとんど影響を与えず、少量でも熱可塑性樹脂に優れた耐火性を与えること。しかし、最近、ポリアミドベースの樹脂と赤リンの価格が上昇していることから、同社は赤リンを使わないポリアミドのコンパウンドの提供を始めた。
赤リンベースの難燃機構をもつポリアミド66コンパウンドが含有可能なガラス繊維は、通常20~40%。この代替となる素材として、同社はガラス繊維を25%含有するポリアミド66コンパウンド「デュレタンAKV25FN04」と、ポリアミド6コンパウンド「デュレタンBKV25FN04」を用意した。どちらも同様の引張弾性率、破断強度と破断点伸び率、シャルピー衝撃強度、密度をもち、600Vで高いトラッキング抵抗を示す。
「デュレタンAKV25FN04」は、高い熱変形温度が要求される部品、あるいは0.4㎜以下のプラスチック試験片に対し、米国認証企業による難燃性規格「UL94」で V-0が要求される部品に、特に適している。
一方「デュレタンBKV25FN04」は、0.75㎜のプラスチック試験片に対してV-0の評価を得ている。いずれもULでf1認証を受けており、これらの素材は、太陽光発電システム用のコネクターといった、屋外で水や紫外線の影響を受けやすい部品にも適している。
同社では顧客が素材を切り替える場合、例えば要求仕様書や納入仕様書で定義された基準を満たすようサポートしていく。