クラレは4日、100%間接出資子会社のクラレアメリカ(米国・テキサス州)が、米シールドエアー社と北米を対象としたガスバリア材「プランティック」樹脂の販売に関する契約を締結したと発表した。
同契約は同社との間で結んでいる北米での「プランティック」フィルムの販売代理店契約に続くもの。クラレはすでに米国(テキサス州ヒューストン近郊)での樹脂工場建設に着工しており、今年9月の完工と来年初頭の稼働を予定している。
「プランティック」は、バイオマス由来のガスバリア材で、酸素バリア性が高く、主に肉や魚などの生鮮食品の包装材として使用される。食品の鮮度保持により食品ロスを削減することを目的とし、食品産業と環境保全への貢献を図っている。
フードロス低減への取り組みや、環境対応型包装材料への切り替え需要の高まりにともない、世界的にバイオマス由来のガスバリア材のニーズが拡大。
クラレは、グローバルに食品包装材料を展開するシールドエアー社と、米国・カナダ・メキシコでの食肉・魚介類などの生鮮食品に使用するバイオマス由来の食品包装用フィルムについて、販売代理店契約を締結している。
こうした中、シールドエアー社は3月に、米国工場での「プランティック」を含む多層フィルム生産設備の投資を決定。クラレは今回の契約に基づき、現在建設中の「プランティック」樹脂工場で生産した樹脂製品を同社へ供給する予定だ。
食品包装材料の生産と販売に強みをもつシールドエアー社とともに、「プランティック」樹脂を使用した食品包装用フィルムの新たなマーケットを開拓し、事業拡大を加速していく考え。