皆さんは、まさにVUCAという言葉に代表されるような激動、不確実、複雑、不透明な時代に社会人としての一歩を踏み出した。自由と民主主義を基調にした正義が揺らぎつつある。
AIは人類を豊かにするのか、人の脅威になるのか、人の仕事を奪うのか、共存できるのか。こうした世の中にあって、何に希望を見出してこれからの人生100年時代を生き抜いていくのか。
常に勉強し知識を蓄えながら、仕事の実践を通じて、自分を磨き続けることが大事。そして、しなやかに世の中の変化に対応していく。そうした能力を、人間力を養い続けることによってしか、明るく楽しい人生を切り開く術はないのではないか。
変化の中には必ずビジネスチャンスがある。そのチャンスをつかみ取るには不断の積み重ねにより、広く細密な網を張れるかどうかにかかっている。常にその準備を怠らないこと。
皆さんには、トクヤマのビジョンにある4つの価値観を常に念頭にそれを実践する社員になってほしい。
1、日本人が育んできた求道的職業倫理を持って自立した人になる。
2、勉強する習慣を身に着け、ベースになる知識を基に常に好奇心を持てる人になる。
3、常に外に目を向けて、世界中の人と触れ合いながら人間力を磨く人となる。
ドラッカーはこう言っている。 「未知への跳躍を大きくしようとすれば、離陸の基礎を固めなければならない」。皆さんはプロの仕事人にならなければいけない。
4、これをやりたいという自立した人になってほしい。そうすれば仕事はとても面白くワクワクするような日々を過ごせるようになるはず。
最後に、創業者である岩井勝次郎の言葉を紹介してあいさつを締めくくりたい。「常に事業は艱難に成り、安逸に敗る」。
わが社はマレーシアのつまずきから立ち直り、今、成長戦略に軸足を移した。常に困難に立ち向かってこそ事業は強くなる。それは社員一人ひとりの力の結集でしか成し遂げられない。そしてより高みを目指すには、 一人ひとりの力が他社に負けない力を持っていなければならない。
まさに企業は人なり。皆さんに大いに期待している。