海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)は13日、「エネルギーリカバリーの有効性の検証結果」に関する説明会を開催した。
海洋プラスチック問題を契機として、プラ資源の循環利用を推進する動きが国際的に活発化。廃プラの有効利用手法である、マテリアルリサイクル(MR)、ケミカルリサイクル(CR)、エネルギーリカバリー(ER)の環境負荷削減効果(CO2排出量とエネ資源消費)の客観的、科学的な評価の必要性が高まっている。
JaIMEから調査を委託されたプラスチック循環利用協会の井田久雄専務理事は、「ERの重要性は国際的にも理解されているが、EUの議論などではERに対して必ずしも肯定的でない見方も存在している。今回の調査手法は各国共通で使えるものであり、ERはプラ資源の循環利用に有効な手段だということを主張していきたい」との考えを示した。
今回の検証では、特に可燃ごみの発電償却も含めたERの環境負荷削減効果を評価し、さまざまな有効利用手法の中での位置づけを明らかにした。評価・検討の手法として、使用済みプラ製容器包装(容リプラ)を投入原料とし、容リプラ1㎏を有効利用した場合の環境負荷と、有効利用しなかった場合の環境負荷を算定。その差分を環境負荷削減効果として、CO2排出量(kg‐CO2)の結果を示している。
その結果、MRのCO2排出量削減効果は1.65、CRは同2.11となった。それに対しERでは、PRF(固形燃料)利用は同2.97、発電償却(発電効率12.81%)は0.73、発電償却(発電効率25%)は1.43を示した。現時点の最も高いレベルの発電効率である25%の場合、ERはMRとほぼ同等レベルのCO2排出量削減効果を示し、環境負荷削減効果が劣っていなかった。またRPF利用は、むしろ環境負荷削減効果は高い部類に属することが示された。
JaIMEは今後、今回の検証結果をもとに、ERの有効性を広くアピールしていく考えだ。