石油化学産業の発展とともに、人間の生活は改善を続け、文明は新たな高みへと前進している。石油化学産業は私たちの生活のあらゆる面に大きな影響を与える。しかし、製造施設の操業ミスは、直接環境中の汚染に起因する火災や爆発の危険性の増大につながり、市民の健康と安全を危険にさらす。石油化学製品から発生する廃棄物が適切に回収または再利用されなければ、社会は石油化学業界全体に否定的な印象を与える傾向がある。
2015年には、国連が17の持続可能な開発目標(SDGs)を設定した。これらの目標が、2030年までに国際社会のすべての分野で達成されることが重要だ。SDGsのほとんどは、廃棄物管理、気候変動、化学物質管理の観点から、直接および間接的に石油化学産業に関連している。私たちは皆、石油化学産業が社会の持続可能な開発を達成する上で、ますます重要な役割を果たすべきであることに同意する。
APIC 2019のテーマである「スマート石油化学プロセス – より良い世界を可能にする持続可能なソリューション」は、「スマート」生産プロセスを開発するだけでなく、石油化学産業が関わるすべての段階で「スマート」環境プロセスを開発することも目的としている。
生産プロセスの分野では、プロセスの技術と今日入手可能な情報により、豊富な石油化学プラントデータを活用して、収益性や安全性、そして持続可能な開発を確保する「スマート」プラントのレベルに最適化した、正確なモデルを構築することができる。
環境プロセスの分野では、すべての段階でプラスチック廃棄物を総合的に管理することの重要性を、社会全体が認識することを提案し、海洋のプラスチックごみ問題の解決に貢献する。そのライフサイクルにおいて、石油化学産業はまた、社会が「スマート」な方法でプラスチックと共に生きることを常に訴求することによって、プラスチック廃棄物の海への流入を減らすのを助ける。石油化学業界が関わるすべての段階で「スマート」なプロセスを確立することは、持続可能な解決策によってより良い未来を可能にする。
私たちは、APIC 2019「スマート石油化学プロセス – より良い世界を可能にする持続可能なソリューション」というテーマが、化学業界で実施されているプロセスおよび情報の技術に関して、貴重な情報交換を促進すると確信している。私達はよりよい世界を可能にするために優れた、そして環境に優しい製品を開発するよう努力する。
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