NEDO 次世代浮体式洋上風力発電システム実証機が完成

, , , , ,

2018年9月10日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、丸紅などとのコンソーシアムで、日本初のバージ型浮体に風車を搭載した次世代浮体式洋上風力発電システム実証機を完成させた。

 同システム実証機は水深50m程度の浅い海域でも設置が可能なバージ型と呼ばれる小型浮体を採用し、コンパクトな2枚羽風車を搭載。今後、北九州市沖設置海域に向けて曳航し、係留、電力ケーブルの接続を行い、試験運転を行った後、今秋から実証運転を開始する予定だ。

 洋上風力発電は風車を支える基礎構造の形式により、海底に基礎を設置する「着床式」と、基礎を海に浮かべる「浮体式」に大別される。NEDOが実施した調査では、日本近海で洋上風力発電が導入可能な着床式と浮体式を比較すると、浮体式は着床式の約5倍の導入可能面積がある。

 しかし、世界的に商用化が進んでいる浮体式の一つであるスパー型は100m程度の水深が必要であるため、水深50~100mの範囲で着床式に対してコスト競争力のある浮体式の開発が課題となっていた。

 こうした中、NEDOでは2014年度から、同水深海域で適用可能な低コストの次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究を開始し、実証海域の選定、浮体の設計、製造などを行い、今年6月にバージ型と呼ばれる小型浮体を製作。今回、NEDOと丸紅などのコンソーシアム(日立造船、グローカル、エコ・パワー、東京大学、九電みらいエナジー)は、このバージ型浮体にコンパクトな2枚羽風車を搭載した日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システム実証機を完成させた。

 今後、北九州市沖15km、水深50mの海域に設置を行い、試験運転の後、今秋から2021年度までの予定で実証運転を開始する。なお、発電した電力は九州電力の系統に接続する予定だ。

太陽石油 人事(9月30日、10月1日)

2018年9月10日

 [太陽石油・人事](9月月30日)▽解兼生産管理グループ長、四国事業所生産・技術部長大西和宏(10月1日)▽四国事業所生産・技術部副部長兼生産管理グループ長村上弘光▽本社経営企画部管理グループ長添田美彦▽同環境安全部環境安全・品質グループ長大森好洋▽四国事業所製造一部製造一グループ長日野明一▽同事業所製造二部グループ長渡部仁▽同事業所環境安全部環境安全グループ長太田哲三▽同事業所同部保安グループ長漆谷英司▽山口事業所環境安全部グループ長友近太一▽四国事業所製造一部製造一グループ副グループ長遠藤健也▽同事業所同部製造三グループ副グループ長陸野亮二▽山口事業所製造部副グループ長中馬光太郎▽四国事業所生産・技術部技術グループ越智敬。

出光 タイでバイオディーゼル10%混合品の実車テスト

, ,

2018年9月7日

 出光興産は6日、タイ政府が推進する「バイオディーゼル高配合化プロジェクト」への技術支援で改良試作品の連続生産に成功し、パームヤシ由来のバイオディーゼルの燃料混合比率を10%とした実車テストを今月から開始すると発表した。バイオディーゼルの原料には、パームヤシの果肉部分から抽出したパーム粗油(CPO)を使用する。

原料となるパーム椰子の実

 タイ政府は再生可能エネルギー導入の推進とエネルギー自給率向上を目的として、バイオディーゼル配合率を現行の7%から10%に引き上げることを目標としている。

 しかし、バイオディーゼルの使用には金属腐食やオイル劣化、フィルター詰まりなどの酸化安定性に起因する問題があるため、目標達成のためにはバイオディーゼルの品質改良が必要とされる。

 出光興産はこれらの問題を解決するため、産業技術総合研究所が日本で開発した基本技術を活用し、タイでのプロジェクトメンバーと連携。酸化安定性を改善する部分水添技術(H‐FAME)の実証設備の連続運転に成功した。

テスト用の車両

 実車テストではピックアップトラック8台を使用し、エンジンなどへの影響を確認する。同社は実車テストの結果をもとに当該技術の商業化を検討し、東南アジアでの再生可能エネルギーであるバイオ燃料の普及に、積極的に取り組んでいく考え。

 なお、同プロジェクトには、タイ国立金属材料研究所(MTEC)、グローバルグリーンケミカル社(GGC)、出光興産の3者が参加。昨年10月に、バイオディーゼルの高配合化の技術協力に関する契約を締結した。

 出光興産はこの契約に基づき、部分水添技術の実証設備の設計、運転などの技術支援を実施している。

ダイセル インドにエアバッグ用インフレータの販売拠点

,

2018年9月7日

 ダイセルは6日、インドの自動車エアバッグ用インフレータなどの販売拠点として、「Daicel Safety Systems India(DSSI)」を10月に設立すると発表した。

 場所はハリヤナ州グルグラム。資本金は約2200万円で、ダイセルが99.8%、Daicel Safety Systems(Thailand)が0.1%、Daicel(Asia)が0.1%出資する。

 インドでは自動車市場の急速な成長と安全規制強化に伴い、エアバッグへの需要も拡大している。ダイセルはこれまでインドでの営業活動を、主にタイを拠点に行ってきた。DSSIの設立により、インド市場で、より顧客に密着した営業活動を展開するとともに、将来的なインドへの生産拠点設置の検討も進めていく。

DNP リサイクルしやすいフィルムパッケージ2種を開発

, ,

2018年9月7日

 大日本印刷(DNP)は6日、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発したと発表した。

 近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、全世界でリサイクルの推進が求められている。これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせて各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという問題があった。

 同社はモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に注力し、製品化に成功。これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを生かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、PE素材とPP素材のモノマテリアルパッケージを実現した。

 さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用したフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していく。

 昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加しており、今後はさらに環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。同社は、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることで、2025年度で国内と海外市場を併せて年間500億円の売上を目指す。

 今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や、製品ラインアップの拡充を進めていくことに加え、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく考えだ。

新日鉄住金エンジ 大ガスとタイでエネ供給プロジェクト

, , , ,

2018年9月7日

 新日鉄住金エンジニアリングと大阪ガスはこのほど、共同出資するタイの現地法人NSETが、同国で二輪車製造を行うホンダグループのタイ・ホンダ・マニュファクチャリング向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、4月1日からエネルギー供給を開始したと発表した。

 同様のエネルギー供給プロジェクトは、昨年11月のホンダ・オートモービル・タイランド社向けに続き、同国では4件目となる。両社は引き続き、これまでの豊富な建設・操業・保守経験を生かし、環境性・経済性に優れたエネルギーエンジニアリングソリューションを提供することで、低炭素社会の実現に向けた顧客企業の取り組みに貢献するとともに、タイでの事業拡大を図っていく考えだ。

 同プロジェクトはガスエンジンによる発電後の排熱から蒸気・温水の双方を回収し、電熱供給する高効率コージェネレーションシステムと、高効率ターボ冷凍機を用いた冷水システムの導入により、15年間にわたり電気と熱(蒸気・温水・冷水)の供給を行い、工場内の省エネを図るもの。

 ガスエンジン・コージェネ設備の能力は、発電出力:7800kW、温水供給能力:2000kW、蒸気供給能力:4t/時、冷水供給能力:4900kW、想定CO2削減量:7000t/年。NSETが、コージェネの建設からオペレーション、ガスの調達まで全て行う「エネルギー・ワンストップサービス」を提供するビジネスモデルとなっている。

 また、系統電圧が低下した際には速やかに自立運転に移行し、コージェネが非常用電源として単独でのエネルギー供給を継続することが可能なため、系統事故時でも工場操業を安定化できる。

 環境面では、同プロジェクトは2国間クレジット制度(JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「環境省 平成27年度JCM設備補助事業」に採択されており、8月23日に環境省の確定検査を完了。JCMを活用することで、15年間で約10万tのCO2を削減し、日本のCO2削減目標の達成に貢献する。

帝人F 「ポランバリア」が花粉問題対策の認証マークを取得

, , , ,

2018年9月7日

 帝人フロンティアはこのほど、花粉対策素材「ポランバリア」が、花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)の認証マークであるJAPOCマークを取得した、と発表した。認定番号はJAPOC‐0043~0049。衣料用の生地がJAPOCマークを取得するのは初めて。

 JAPOCマークは、JAPOCが制定した花粉問題対策のシンボルマークであるとともに、JAPOCの規格を満たした製品・用品に付与される認証マーク。関連業界の発展と生活の向上に寄与することを目的としている。

 ポランバリアは細い糸を高密度に織り上げ、生地の表面を平滑にすることで、衣服に付いた花粉を落としやすくした花粉対策素材。コート、ジャンパーなどのアウターウェアや、スポーツウェアなどの素材として使われている。

 ポランバリアが衣料用の生地として、初めてJAPOCマークを取得したのは、衣服に付着した花粉を払い落としやすい性能や、衣服着用時の快適性能など、衣料用の生地に対する全ての評価基準をクリアしたことによる。

ULジャパン EV・HV用電磁環境両立性試験サービス開始

, , ,

2018年9月7日

 米国の第三者安全科学機関ULの日本法人であるULジャパン(三重県伊勢市)はこのほど、愛知県みよし市の自動車業界向け試験所「オートモーティブ テクノロジー センター」(ATC)内に、国内初となる電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber」 を開設した。

 既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け最新試験のワンストップ・サービスを提供する国内唯一の試験所となった。今月3日から正式にEMC(電磁環境両立性)試験サービスを開始している。

 同社はEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーや部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化していく考えだ。2016年10月に発行された国際規格「CISPR 25:2016 Edition4」では、Annex ⅠにEV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法が新たに追加された。これにより、EV/HV用車載部品の製品化段階で、走行中を模した実負荷試験が要求されるようになった。

 EHV Chamberは、最高トルク125Nm、最高回転数1万2000rpm、動力吸収容量一七〇kWまでの実負荷の再現が可能。さらに、ATCでは欧州メーカーが電気自動車に要求する電気試験(LV123、LV124、LV148)も提供しており、近年増加傾向にある車載向け高電圧製品にも対応する。

 米国・欧州が排ガス規制や燃費規制を開始するなど、現在各国の次世代自動車普及へ向けての対策が急速に進む中、国内各車両メーカーや部品メーカーも、EV/HVに付随する試験要求に対応するために、迅速に体制づくりを推進している。

 ULは最先端試験設備であるEHV Chamberの導入を通じて、EV/HV市場拡大に備えるメーカー各社の試験・開発体制構築をサポートするとともに、次世代自動車の普及と、自動運転技術の実現に貢献し、未来のクルマに対するトータルソリューションを提供していく方針だ。