【モビリティ戦略特集】 経済産業省製造産業局素材産業課革新素材室長 沼舘建氏

2018年11月9日

革新的素材の開発を加速、素材から提案力強化が重要

 ━自動車産業の動向をどう見ていますか。 

沼舘室長01 沼舘 欧州では昨年、英国が内燃機関で走るガソリン車やディーゼル車の販売を2040年までに禁止する方針を打ち出した。また電気のみで走行可能な距離が50マイルに満たないハイブリッド車も販売禁止の対象に含めるといった案も検討しているとの情報も伝えられている。

 先日も、英議会のビジネス・エネルギー・産業戦略委員会では、温室効果ガス排出削減に向けて販売禁止時期を8年前倒し、EV導入の奨励策が必要といった提言もなされたようだ。こうした動きが自動車産業に影響を与えることから経済産業省としても注視している。

 一方、中国ではEV普及の動きが強まっており、2019年にはEVの生産や販売を義務付ける「NEV」規制が導入される予定だ。欧州や中国でのEV化の流れは加速していくことが予想され、その流れを逃すことなくウォッチしていく必要があるだろう。素材産業にとっても自動車産業の100年に1度の変革期をチャンスとして捉え、成長につなげていくことが求められる。

 すでに素材産業の各社では、様々な攻めの展開がはじまっていると承知しており、現場からの声としても聞いている。今後は「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」といった潮流のなかで、高機能に対するニーズを積極的に取り込みながら、新たな素材や材料の創出、また更なる広がりというものが進展していくのではないか。

 ━温室効果ガス(GHG)やCO2による地球温暖化といった環境問題も、自動車産業に影響を与えています。

 沼舘 経済産業省の自動車課では、自動車業界を取り巻く環境が大きく変化していく中で、わが国の自動車産業が世界のイノベーションをリードし、環境問題や渋滞問題などの解決に積極的に貢献していく戦略づくりを進めている。

 その一環として、今年4月に「自動車新時代戦略会議」を立ち上げた。7月には中間整理が発表され、その中ではとりわけ電動化について、世界に向けて長期的なゴールが掲げられた。

 2050年までに世界で供給する日本車について、世界最高水準の環境性能を実現するとして、1台当たりのGHG排出量八割程度の削減を目指すとして、乗用車の電動化率は100%に達すると想定されている。この方針から、自動車産業では環境性能を含めた電動化が加速化していくことが見込まれ、自動車メーカーでは経営戦略の見直しの動きが想定される。

 素材産業にとっては、

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三井化学・コクヨ 形状記憶素材の特性を「壺」で可視化

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2018年11月8日

 三井化学はこのほど、形状記憶シートの特性を「壺」で表現した作品を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」12月号の誌上で発表した。

 同社は、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト〝Material Meets Creative Team〟を進めており、これまでに無かった新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える活動を行っている。

UNFRAGMENT
UNFRAGMENT

 第6弾となった今回は、三井化学東セロの新開発品である「形状記憶シート」と、クリエイターの佐々木拓氏(コクヨ・クリエイティブセンター)とのコラボにより、初めから割れている壺「UNFRAGMENT」を製作し発表した。

 同作品は、その形状記憶性に着目し、「ゆっくりと元に戻る」特性をプロダクトに落とし込んだ。壊れた陶器を修繕することで新たな価値を生む金継ぎの技術を参考に、手で広げると壺が開き、時間の経過とともに元の状態に戻っていく。割れた状態と金継ぎされた状態を行き来する作品で、これまでに無いプロダクトの時間軸を表現した。

 三井化学東セロの形状記憶シートは、三井化学が開発した特殊ポリマーを発泡・シート化した製品で、特にその触感は高い評価を得ている。常温∼50℃付近で柔軟性を増す特性があり、人に触れている部分は柔らかく、触れていない部分は若干硬いため、サポートされている感覚が生まれる素材。

 各種ヘルスケアや医療、介護、スポーツ、シート、クッションなどの利用者にフィットするような用途で、世界に1つだけの製品開発に貢献できる素材として注目されている。

三菱エンジニアリングプラスチックス 人事(12月1日)

2018年11月8日

 [三菱エンジニアリングプラスチックス・人事](12月1日)▽カスタマーサービスセンター長、常務執行役員奥田克哉▽同センター製品管理部長中弥善廣▽同センターカスタマーサービス部長小川 哲司▽解兼第3事業本部業務部長、第3事業本部営業部長石田裕一。

クレハの4-9月期 PGA事業の一時的な費用増響き営業減益

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2018年11月8日

 クレハの2019年3月期第2四半期連結決算(国際会計基準:IFRS)は、増収となったものの、機能製品事業でシェールオイル・ガス掘削用途向けPGA(ポリグリコール酸)事業の一時的な費用増があったことから、営業減益となった。税引前四半期利益は金融収支の改善により増益だった。

小林社長
小林社長

 今年度は中期経営計画の最終年度となるが、7日に行った決算説明会で、小林豊社長は「ほとんどの既存事業で改善が図られ、数字的には達成できるだろう。しかし、

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国際臭素会議 横浜でアジア会議を開催、日本の研究者らが講演

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2018年11月8日

 「臭素科学・環境フォーラム(BSEF)アジア会議」が5日、横浜市の横浜グランドインターコンチネンタルホテルで開催され=写真、日本の臭素研究者、自動車・電気電子機器業界の専門家らが講演を行った。

臭素会議 BSEF(国際臭素会議)は、臭素と臭素系難燃剤の科学・環境面での理解を深めることを目的に、世界の4メーカーで構成。本部をブリュッセルに置き、米国・中国・日本・インド・ブラジルに支部がある。

 BSEFジャパンは本部との連携を通じて、行政当局・ユーザー、利害関係者への科学的情報の提供などを行っており、アルベマール日本、ICLジャパン、ランクセス・ソリューションズ・ジャパン、東ソーの4社がメンバーとなっている。

 フォーラムでは、最初にBSEFのカストゥリランガン・カンナ会長(ランクセス・グローバルプロダクトアドボカシー担当)があいさつを行い、世界的な規制の現状、規制の関係でポリマー系が延びていること、臭素系難燃剤がアジアで好調なことなどを紹介した。

 講演では、西澤技術研究所の西澤仁代表が「臭素系難燃剤‐実用に向けた高効率難燃剤の役割」をテーマに、臭素系難燃剤が

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デンカの4-9月期 販売数量増加や交易条件改善で増益に

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2018年11月8日

 デンカは7日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6%増の1983億円、営業利益2%増の146億円、経常利益3%減の150億円、純利益7%減の114億円だった。

 同日開催された決算会見で、山本学社長は「今年は中計の初年度だが、計画通りにスタートができている。2つの成長戦略として掲げた、事業ポートフォリオ変革や革新的プロセスによる生産性向上の進捗も順調だ」と語った。上期業績については「売上高は電子・先端製品などの販売数量の増加や石化系製品の売価改定が進み増収となった。営業利益は

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旭化成 コンセプトカー「アクシー」がドイツのデザイン賞を受賞

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2018年11月8日

 旭化成は7日、EVメーカーであるGLM(京都市)と共同開発したコンセプトカー「AKXY(アクシー)」が、ドイツの「ドイツデザインアワード Special Mention Category 2019」を受賞したと発表した。授賞式は来年2月8日にフランクフルトで開催される予定。

走るコンセプトカー「アクシー」
走るコンセプトカー「アクシー」

 アクシーは昨年5月に発表した走るコンセプトカー。これまで国内外の様々な展示会や顧客とのプライベート展示会で活用し、自動車関連産業の関係者と未来の自動車と自動車がもたらすソリューションについてディスカッションを行ってきた。

 今回、「このコンセプトカーはすべての内装と外装の要素が調和し、先進的なデザインに落とし込まれている。その形状と機能は細部に至るまで印象的で、未来の自動車の姿を彷彿させる」との評価から、同賞を受賞することになった。

 アクシーの開発・運用責任者であるオートモーティブ事業推進室の宇高道尊室長は「アクシーは有機的なイメージをもつ曲線と、無機的なイメージを持つ直線を巧みに組み合わせ、当社が理想とする安全・環境・快適な自動車を表した未来的なデザインにしている。そのことが評価され、今回の受賞に至ったことは大変嬉しい」と述べている。

 同社は、アクシーを今後も国内外の展示会などを通じて最大限活用し、より多くの顧客とのコネクトを続け、自動車の安全性と快適性の向上、環境への貢献に応じた多様なキーアイテムを総合的に提案していく考えだ。

JXTGホールディングスの4-9月期 堅調な事業環境を背景に増収増益

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2018年11月8日

 JXTGホールディングスは7日、2019年3月期第2四半期の連結業績(国際会計基準:IFRS)を発表した。売上高は前年同期比16%増の5兆4296億円、営業利益126%増の4412億円、税引前利益133%増の4241億円、親会社四半期利益131%増の2851億円。なお、在庫影響を除いた営業利益相当額は3411億円(前年同期は2194億円)となった。

 小野田泰取締役常務執行役員は「上期の在庫影響除き営業利益は、事業環境を背景に3411億円となり、前年同期比で1217億円の良化となった。エネルギーセグメントについては、堅調な国内の石油製品マージンに加えて、統合シナジーの創出、培地事業の売却などにより増益となった。石油・天然ガス開発セグメントでは、原油価格の上昇や経費削減などにより増益、また金属セグメントについても、

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