米国のポリエチレン輸出 10月は対前年比78%増

2018年12月20日

 貿易統計によると、米国の10月のポリエチレン(PE)輸出は前年同月比77.7%増の65万2000tと大幅に伸長した。米国でシェール由来のエタンクラッカーが稼働を開始し、誘導品であるPE設備も立ち上がってきたことで、需要地に向けて輸出量が増加している。

 1―10月期で見ても

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

ADEKA 次世代二次電池用活物質のサンプル提供を開始

, ,

2018年12月19日

 ADEKAはこのほど、次世代二次電池用活物質「硫黄変性ポリアクリロニトリル」(SPAN=エスパン)のサンプル提供を開始した。2020年度の製品化を目指す。

外観
外観

 SPANは、ポリアクリロニトリル(PAN)と硫黄を反応させたもの。電極材料に用いた試作電池では、長期にわたり安定した電池性能を保持することが確認されており、硫黄を超える活物質として期待されている。

 これまでは、製造時に発生する多量の硫化水素により量産化は困難とされていたが、同社は硫化水素処理技術やノウハウを駆使し、産業技術総合研究所と豊田自動織機が開発した製造方法をもとに、量産化検討を推進してきた。

 二次電池は、スマートデバイスや電気自動車など、現代の豊かなくらしに欠かせないものであり、小型化やエネルギー密度の増大、長寿命化といった、よりいっそうの高性能化ニーズが高まっている。

SEM 図
SEM 図

 また、リチウムイオン二次電池に用いられているレアメタル(希少金属)は、その需要増加に伴い、資源枯渇とコスト増化が懸念されている。性能面やレアメタル問題を解決する次世代電池向け活物質として、以前から硫黄が注目されていたが、充放電時に生成する反応中間体が電解液へ溶出し、寿命を悪化させることから、二次電池向け活物質としては広く実用化には至っていなかった。

 ADEKAは、次世代二次電池のレアメタルフリー化と軽量化、充放電サイクル長寿命化を可能にする活物質として、SPANを有望視。サンプル提供を通じて次世代二次電池向け活物質の標準となるよう、市場開発を加速していく考えだ。

 また同社では、次世代二次電池向け材料として、グラフェン(導電助剤)や電解液添加剤の開発も進めている。特に、電池業界のトレンドである全固体電池への材料開発を拡大するなど、環境・エネルギー材料分野での研究開発を推進し、持続可能な社会の実現に寄与する製品の創出を目指していく。

東洋紡 高耐熱性ポリイミドフィルムの子会社工場が完成

, ,

2018年12月19日

 東洋紡はこのほど、子会社ゼノマックスジャパンの本社工場(福井県敦賀市)が10月に完成、操業を開始し、今月17日に竣工式を開催したと発表した。

ゼノマックスジャパンの本社工場
ゼノマックスジャパンの本社工場

 同日は、福井県の西川一誠知事、敦賀市の渕上隆信市長をはじめ、ゼノマックスジャパンの中村英弘社長、長瀬産業の朝倉研二社長、東洋紡の楢原誠慈社長ほか、多数の関係者が出席した。

竣工式の模様
竣工式の模様

 ゼノマックスジャパンは、今年4月に長瀬産業との合弁により東洋紡の敦賀事業所内に設立。出資比率は、東洋紡が66.6%、長瀬産業が33.4%。高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」を生産・販売する。本社工場の延べ床面積は、約4300平方メートル、鉄骨2階建て(1部5階建て)。投資額は約30億円となっている。

 同製品はこれまで、東洋紡のコーポレート研究所(滋賀県大津市)内の設備で少量生産を行ってきたが、ゼノマックスジャパン本社工場の完成に伴い、今年10月から同工場に生産拠点を移した。売上目標は、2020年度に100億円を目指す。

 「ゼノマックス」は、室温から500℃まで熱膨張係数が約3ppm/℃と一定で、ポリマーフィルムとしては世界最高レベルの寸法安定性をもつ高耐熱性ポリイミドフィルム。同社がもつ高耐熱ポリマーの合成技術やフィルム製膜技術などを駆使し、従来のポリイミドフィルムでは不可能だった、ガラス基板と同等の高い寸法安定性を実現した。

高耐熱性ポリイミドフィルム 「ゼノマックス」(左)
高耐熱性ポリイミドフィルム 「ゼノマックス」(左)

 電子ペーパーディスプレー向けTFT基板材の需要増に対応するとともに、「薄い」「軽い」「割れない」「曲がる」というフィルムの特性を生かし、フレキシブルな有機ELディスプレーや各種センサー、マイクロLEDといった次世代ディスプレー用途での展開を図る。

三井物産 アルゼンチン南部の風力発電事業に出資参画

,

2018年12月19日

 三井物産はこのほど、仏エネルギー大手トタル社傘下の再生可能エネルギー発電事業会社Total Eren社から、アルゼンチン南部で風力発電事業を推進するVientos Los Hercules社の株式34%を、今月13日に投資子会社を通じて取得したと発表した。

 同事業は、ブエノスアイレス南西約1500kmに位置する、サンタクルス州ピコ・トルンカド市付近の350haの敷地に、総発電容量97.2㎿の風力発電設備(3.6㎿の風車27本で構成)を建設し、20年にわたりアルゼンチン卸電力市場運営会社であるCAMMESAに米ドル建てで売電するもの。総事業費は約2億2000万米ドル(約250億円)で、来年半ばの商業運転開始を予定している。

 三井物産は、これまで国内外で培ってきた発電事業の知見を活用することで、同事業の着実な完工と円滑な事業立ち上げに貢献する。なお、今回の株式取得にあわせ、世界銀行グループの多数国間投資保証機関と政治的リスク、非商業的リスクから生じる損失に対する投資保険契約を締結している。

 アルゼンチン政府は、2015年にエネルギーに関する新たな法律を制定し、国内の再生可能エネルギー供給率を2018年までに8%、2025年までに20%の達成を目指している。この目標達成に向け、世界銀行の支援を受ける国際入札プロセス「RenovArプログラム」では、これまでに太陽光・風力・バイオマス・小規模水力など、本事業を含めた発電プロジェクト59件が落札されており、三井物産にとってアルゼンチンで初の発電事業になる。

 同社の発電事業での持分発電容量9.1GW(2018年9月末現在)のうち、再生可能エネルギーは16%を占めており、2030年までにこの比率を30%に引き上げる目標を掲げている。

 また、中期経営計画では機械・インフラ領域を中核分野と位置づけ、強固な収益基盤づくりを目指し、生活に欠かせない社会インフラの長期安定的な提供を通じ、より良い暮らしや国づくりに貢献していく。

 

宇部興産 カプロラクタムの12月価格は前月比240ドル安

,

2018年12月19日

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、12月の韓国・台湾大手向け契約価格を1910ドル/tで決着。11月の価格(2150ドル/t)に比べ、12月は240ドル安の大幅な下落となった。

 前月から先安観で下落していたが、原油・ナフサ価格が低水準で推移していることに加え、米中貿易摩擦の深刻化により需要家の購買意欲が失せており、底打ちが見えない状況だ。

 ただスプレッドは、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について