大陽日酸 3Dプリンターコンサルティング企業に出資

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2021年4月22日

 大陽日酸はこのほど、3Dプリンティング技術のワンストップサービスを提供する企業である3D Printing Corporation(3DPC社)へ出資し、同社と業務提携契約を締結したと発表した。

 大陽日酸は、3Dプリンティング(アディティブ・マニュファクチャリング:AM)を重点事業分野と位置づけ、提携・出資により製品ラインアップの拡充や技術の差異化を推進している。

 3DPC社は2016年に設立された国内のAMベンチャー企業で、同社がもつ3つのサービス「①DFAM(AM専用の設計手法)ソリューションズ&コンサルティング」「②システム販売」「③製造環境の構築と改善」を国内で広く展開している。大陽日酸は3DPC社が扱う、3Dプリンタを中心とした幅広い製品群と、DFAMによるソリューション提案について、顧客へ展開するとともに、国内で販売権を所有する金属3Dプリンタやガス供給設備などとのシナジー創出を目指す。

帝人など ポリエステルのCR技術、共同協議書を締結

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2021年4月22日

 帝人、伊藤忠商事、日揮ホールディングスは21日、廃棄されるポリエステル繊維製品からポリエステルをケミカルリサイクル(CR)する技術のライセンス事業に向けた共同協議書を締結したと発表した。

 昨今、温室効果ガス(GHG)による地球温暖化や、廃棄プラスチック、遺棄漁具などによる海洋汚染といった環境破壊が深刻化し、世界中で対策が急がれている。日本でも2050年までにCO2をはじめとするGHG排出量をゼロにする目標が掲げられるなど、持続可能な社会の実現に向けて様々な取り組みが始まっている。繊維産業界も同様に、衣料品の大量廃棄問題や製造工程のCO2排出量などの環境負荷がクローズアップされ、サステナビリティ課題の解決が急務となっている。

 こうした中、帝人は、繊維製品を原料としたポリエステルのCR技術を使った大規模プラントを操業し、廃棄される繊維製品からポリエステル繊維を生産するCR技術を世界に先駆けて実用化し、グローバルに事業展開している。

 日揮HDは、世界屈指のエンジニアリング技術をもち、オイル&ガス、インフラを中心とする様々な分野での豊富な実績を国内外で保有。また、昨今では環境配慮型のプラント建設や、環境関連技術のビジネス化に注力している。

 伊藤忠商事は、2019年より繊維産業の大量廃棄問題の解決を目指す「RENU」プロジェクトを始動。使用済みの衣料や生産工程で発生する生地片などを原材料とするリサイクルポリエステル素材のグローバル市場への展開を推進してきた。

 今回の協議書締結に基づき、帝人のポリエステルのCR技術、グローバルにエンジニアリング事業を展開する日揮の知見、伊藤忠商事のもつ繊維業界の幅広いネットワークを活用し、ポリエステルのCR技術の国内外へのライセンス展開や、コスト効率に優れたCRシステムの構築を検討する。これにより、繊維製品の大量廃棄問題に対する有効な解決手段のさらなる拡大を目指す。

新日本理化 価値創造企業への経営ビジョンと中計

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2021年4月21日

三浦社長「目標到達に向け、働く全員が『変わる』」

 新日本理化はこのほど、2030年に向けた経営ビジョン(Vision2030)を打ち出し、同ビジョン達成への礎を築く5カ年の中期経営計画をスタートさせた。

三浦芳樹社長

 同社は、1919年の創業からこれまで、経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」の下、100余年にわたり着実に事業を継続している。今後も社会と共に成長し続けていくために、社内外で共有するVision2030「Be the best SPICE! ~心躍る極上のスパイスになる~」を策定した。同ビジョンにいう「スパイス」とは、キラリと光る唯一無二の特性をもつ素材と、それを生み出す多様な価値観をもった精鋭たちを意味する。一人ひとりがスパイスのように互いを引き立て合い、人々の心を躍らせるようなスパイスを提供していくという思いを込めた。

 一方、新中計(2021~25年度)は、ビジョン達成に向けた第1フェーズとして、稼ぐ力の強化とCSR推進に重点を置き、2026年度以降の飛躍につなげる期間と位置づける。基本コンセプトは価値創造企業への転換と成長戦略の実現。三浦芳樹社長は今回の中計策定について、本紙取材に対し「1番の狙いは、将来のありたい姿・目標に到達するために、当社と当社で働く全員が「変わる」というメッセージを打ち出すことにある」と強調、「チームワークとスピード感をもって計画を遂行し、〝the best SPICE〟へと邁進していきたい」との決意を語った。環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジすることで価値創造企業を目指すとともに、「情報・通信」「モビリティ」「ライフサイエンス」「環境ソリューション」の4領域に経営資源を集中し、成長戦略を実現していく考えだ。2025年度に売上高360億円、営業利益22億円、ROE8.0%を目指す。

 具体的な事業戦略として4つのテーマを設定した。①「稼ぐ力の再構築」では、既存事業のスクラップ&ビルドによる事業ポートフォリオの最適化、高付加価値製品へのシフト、徹底したコストダウンの追求、海外売上高比率の向上を図る。②「技術革新による競争優位の獲得」では、5月に稼働する京都R&Dセンターを拠点としたオープンイノベーションの加速、DX推進による生産性向上と新市場の創出を目指す。③「CSRの推進」では、CSR推進体制を強化し事業を通じた社会課題の解決と、天然素材やクリーンエネルギーを活用する事業の拡大を狙う。そして、④「組織再編と人材育成の強化」では、組織のスリム化や事業領域別チーム活用による意思決定の迅速化、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、チャレンジを促す仕組みづくりなどを行っていく。就任2年目を迎える三浦社長が率いる新日本理化は、「全員参加・スピード・やり切る」をキーワードに、基本コンセプトと事業戦略に基づく施策を実行していく。

Vision2030
Vision2030

 

 

東レ 界面自由エネルギー予測技術を開発、技術進歩賞に

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2021年4月21日

 東レはこのほど、「分子シミュレーションを用いたフッ素ポリマーの界面自由エネルギー予測技術の開発」で、日本化学会から「第26回技術進歩賞」を受賞した。同社の受賞は6年ぶり6度目となる。

日本化学会の技術進歩賞を受賞
日本化学会の技術進捗賞を受賞

 今回の受賞は、スーパーコンピュータを活用した大規模な分子シミュレーションにより、フッ素ポリマーの接触角と液体の界面自由エネルギーを定量的に予測することに世界で初めて成功し、分子レベルでの表面構造設計技術を開発したことで開発期間の短縮が期待される点が評価された。

 界面自由エネルギーは、吸着・接着・毛管現象など多様な現象を支配することで知られている。中でも吸着は分離膜の分離性能を決定する主要因であり、水処理膜のファウリング(汚れ成分の膜表面への吸着が引き起こす目詰まり)や気体分離膜の分離性能を左右するガス分子の膜への吸着など、分離の基礎科学を理解する上で重要な熱力学量。

受賞対象となった液滴シミュレーション
受賞対象となった液滴シミュレーション

 界面自由エネルギーの評価には一般的に接触角測定が利用され、簡便な測定手法ながら表面の官能基や形状を高精度で測定できる。しかし、マクロな接触角とミクロな分子レベルでの表面構造との相関の明確化が容易ではないため、分離膜設計のコンセプト実証は試行錯誤的に進めざるを得ず、開発期間が長期化する一因となっていた。

 東レは、NEOD(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」の、先端素材高速開発技術研究組合に参画。名古屋大学との共同研究を通じて、長年培ってきた独自の分子シミュレーション技術を深化させ、モデル材料として水処理膜製造に用いられるフッ素ポリマーを選択し、大規模分子シミュレーションによる界面自由エネルギーの定量的予測を実現した。

 同技術は、分離膜だけでなく界面接着強度の制御などにも応用可能であり、汎用的な高分子表面の設計技術となり得るため、将来にわたり高分子素材産業の発展に大きく貢献していくことが期待される。同社は今後、シミュレーションやインフォマティクスを活用したデジタル材料設計の発展を進めていく。

産総研と東大 モビリティ・サービス研究で連携・協力

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2021年4月20日

 産業技術総合研究所(産総研)と東京大学はこのほど、モビリティ・サービス分野の連携・協力の推進に関する協定を締結した。

 年齢や障害などに関わりなく、すべての人が「いつでも、どこでも」移動できる革新的なモビリティ・サービスの創出と社会実装を促進させることを目指したもの。これにより、移動の制限や不自由によって生じる生活の質(QOL)の低下を防ぎ、誰でも楽しく移動できる社会の実現を目指す。

 パーソナルモビリティから公共交通機関を含めた各種モビリティの要素技術となる生体計測・評価、AI、データ連携に関する研究と、異なるモビリティを切れ目なく連携し、安全・安心・便利なモビリティ・サービスの社会実装に必要なモビリティマネジメントやサービスに関し、研究協力を行う。両者の実験プラットフォームを活用して、研究開発の成果をシームレスに社会実装へとつなげていく考えだ。

日本触媒 D&I推進組織を新設、人財の多様性で会社を進化

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2021年4月20日

 日本触媒は、よりダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進するため、人事部にD&I推進グループを4月1日に新設した。

 多様な人財が活躍できる風土づくり、環境・制度などの整備を進め、個人と組織の持続的成長やイノベーションの創出に繋げることは、重要な経営課題の1つ。経営理念および行動指針の下、非合理なあらゆる差別やハラスメント行為を一切行わないことを明文化し、人権を尊重する風土の醸成を図ってきた。

 女性活躍推進については、2019年に社内選抜メンバーによる女性活躍プロジェクトを発足させ、現状の課題を抽出し、社長への提言を行うなどの活動を推進。また、2020年には、D&I推進方針を策定。重点課題を設定の上、社長からのトップメッセージとともに全従業員への発信と周知を行った。社内のD&Iマインドの醸成を目的に全役員・ライン長職を対象としたD&Iマネジメント研修を実施するなど、重点課題に対する施策の実行を進めている。

 また、女性活躍と男性の育児休職取得を推進するため、新たに目標を設定。女性社員の採用比率を向上させ、さらに活躍できるフィールドを整え、基幹職(管理職)など、重要なポジションに配置することで、様々な意見を会社の意思決定に反映していく。男性の育児休職取得率向上については、取得者を増やすことで業務の属人化抑制や効率化を促し、より強固で機能的な組織づくりを進めていく。加えて、育児休職を取得しやすい環境を整え、社員のモチベーションや働きやすさを向上させる。

 D&I推進グループが中心となり、同社グループ全社員がやりがい・働きがいをもち、さらに活躍することで、企業理念「テクノアメニティ‐私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を実践していく。

 

旭化成ホームズ 豪・住宅会社を子会社化、シェア拡大へ

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2021年4月20日

 旭化成ホームズは19日、株式の40%を保有するマクドナルド・ジョーンズ・ホームズ社の株式を追加取得する契約を締結したと発表した。これにより、マクドナルド・ジョーンズ社は、旭化成ホームズ持分80%の連結子会社となる見込み。

豪州マクドナルド・ジョーンズ社 施工イメージ

 旭化成ホームズは現中期経営計画の中で、新規事業の柱の1つに「海外事業」を位置づけ、現在、豪州と北米を中心に事業を展開。豪州については、2017年ニューサウスウェールズ州の大手戸建て住宅会社であるマクドナルド・ジョーンズ社と資本提携し、営業・マーケティング分野の支援や工期短縮によるコスト改善など、旭化成ホームズの工業化住宅のノウハウを生かした協働で成果を挙げてきた。また、2020年には、豪州のスチールフレームメーカーを子会社化し、マクドナルド・ジョーンズ社の躯体工程を内製化した。サプライヤとビルダーが情報連携できる体制を構築し、製品改良や生産性向上を図る取り組みなどを行っている。

 今回、マクドナルド・ジョーンズ社の業績が拡大していること、また豪州の住宅市場が引き続き安定拡大を見込めることから、株式追加取得を決定した。現経営陣との協力体制を継続しながらさらなるマーケットシェア拡大を目指して、同国での住宅事業の発展に注力していく。

昭和電工 昭光通商の譲渡完了、投資ファンドのTOB成立

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2021年4月19日

 昭和電工は16日、丸紅系投資ファンド「アイ・シグマ・キャピタル」が運営するファンドが、連結子会社である昭光通商に対して行っていたTOBが今月15日に成立したと発表した。

 昭和電工はTOBに対し、保有していた昭光通商の株式(44%)のうち29%を応募している。これにより昭光通商は、昭和電工の連結対象から外れるとともに上場廃止となる見通し。ただ昭和電工は、昭光通商の株式15%を保有しており、今後も取引関係を継続する。

 昭和電工と昭光通商は、親子上場の関係にあることが近年の課題となっていた。こうした中、昭和電工は、投資ファンドからの買収の提案を受け、TOBに応募する契約を3月に締結していた。

 

宇部興産 西沖の山発電所の計画を中止、再エネ拡大が影響

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2021年4月19日

 宇部興産は16日、山口宇部パワー(YUP:電源開発(Jパワー)90%、宇部興産10%)が2015年から進めてきた、西沖の山発電所(仮称)新設計画を取り止めると発表した。同計画が位置する西日本エリアにおいて、電力需要が横ばいで推移すると見込まれることや、再生可能エネルギーの導入が拡大しており、事業環境をめぐる状況を総合的に判断した。

 YUPは2015年に、Jパワー、大阪ガス、宇部興産の3社によって設立され、同発電所の検討及び準備を進めていた。しかし2019年に大阪ガスが撤退を決定したため、国に対し環境アセスメントの準備書を取り下げていた。Jパワーと宇部興産は、最新鋭・最高効率の石炭火力発電所建設の検討を継続することに合意していたが、計画を取り止めるとの結論に至った。

 

出光興産 新ブランド誕生記念キャンペーン、全国SSで開催

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2021年4月19日

 出光興産は16日、「新ブランド誕生記念 ALL FOR EVERY ONEキャンペーン!」を全国のアポロステーション、出光サービスステーション(SS)、シェルSSで開催すると発表した。

新ブランド誕生記念キャンペーン
新ブランド誕生記念キャンペーン

 同社は今月から「あなたの移動を支えるステーション」をブランドビジョンとする新SSブランド「アポロステーション」の展開を開始。新ブランド誕生を記念するのと同時に、未だ新型コロナウイルスの影響で自由な移動に制限がある中、地域それぞれでの活性化とユーザー一人ひとりの移動と暮らしを応援する想いを込めてキャンペーンを開催する。

 キャンペーンでは、購入者を対象に、クルマでの移動や自宅時間を充実させるアイテムを抽選でプレゼントする企画のほか、自由に移動ができる日を願い、対象を購入者に限らずに、広く「夢のドライブプラン」にまつわるエピソードを募集する。

 寄せられた作品は、同社提供のラジオ番組「apollostation Drive Discovery PRESS」(TOKYO FM/JFNネットワーク)で紹介するほか、抽選で30人に5万円のギフト券プレゼントも用意する。ユーザーのスムーズで快適な移動の支えとなり、それぞれの地域の支えとなるキャンペーンとして取り組んでいく。