ENEOSとトヨタ ウーブン・シティで水素エネ実証

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2021年6月11日

 ENEOSはこのほど、トヨタ自動車が静岡県裾野市で建設を進める未来技術実証都市、Woven City(ウーブン・シティ)での水素エネルギー利活用について、トヨタと具体的な検討を進めることに基本合意したと発表した。

ウーブン・シティでカーボンニュートラル実現を目指す
ウーブン・シティでカーボンニュートラル実現を目指す

 両社は、トヨタの子会社でソフトウェアを中心とした様々なモビリティの開発を担うウーブン・プラネット・ホールディングスとともに、水素を「つくる」「運ぶ」「使う」という一連のサプライチェーンに関する実証をウーブン・シティおよびその近隣で行い、日本や世界の多くの国が宣言する2050年までのカーボンニュートラル実現への貢献を目指していく考えだ。

 ENEOSは、四大都市圏で商用水素ステーションを45カ所展開する水素事業のリーディングカンパニー。本格的な水素の大量消費社会を見据えたCO2フリー水素のサプライチェーン構築や、水素製造に関する技術開発にも取り組んでおり、エネルギーの低炭素化を推進している。

 一方、トヨタは、水素を将来の有力なクリーンエネルギーと位置づけており、乗用車から商用車、産業車両、鉄道、船、定置式発電に至るまで様々な用途での水素や燃料電池(FC)技術の開発・普及に取り組んでいる。

 こうした両社の水素の知見を生かし、ウーブン・シティを拠点にした様々な実証により、モビリティや人のくらし、そして街全体のカーボンニュートラルを目指すことで、水素を身近に感じてもらいながら、豊かさと持続可能性が両立する社会の実現に挑む。

 具体的には、①ENEOSによるウーブン・シティ近隣での水素ステーションの建設・運営②同水素ステーションに設置した水電解装置により再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)を製造し、ウーブン・シティに供給。トヨタは定置式FC発電機をウーブン・シティ内に設置し、グリーン水素を使用③ウーブン・シティおよびその近隣での物流車両のFC化推進、FC車両を中心とした水素需要の原単位の検証とその需給管理システム構築④ウーブン・シティの敷地内に設置予定の実証拠点での水素供給に関する先端技術研究を行う。

中外製薬 クライオ電子顕微鏡装置を導入、国内製薬企業で初

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2021年6月11日

 中外製薬はこのほど、創薬研究のさらなる加速に向け、国内製薬企業で初めてクライオ電子顕微鏡装置を導入したと発表した。

 クライオ電子顕微鏡装置は、2017年にその基幹技術にノーベル化学賞が授与され、革新的な技術として注目を集めている。今回の同装置の導入は、創薬研究の必須プロセスである、標的タンパク質と結合した新薬候補化合物分子の立体構造解析を目的としている。

 同社は、創薬研究の際の立体構造に基づく化合物デザイン(SBDD:ストラクチャー・ベースド・ドラッグ・デザイン)を重視し、精緻なデザインの追求による質の高い新薬候補化合物の創製を目指している。これまで立体構造の取得に同社が主に行ってきたX線結晶構造解析は、標的分子となる細胞内タンパク質を結晶化するプロセスを必要とする。中分子医薬品の標的タンパク質は、結晶化が難しいものが多く、化合物デザインの精緻化の課題となっていた。

 クライオ電子顕微鏡装置による解析は、結晶化のプロセスを必要とせず、解析の大幅な効率化とともに、結晶化の難しい細胞内タンパク質を含む、より広い対象への立体構造解析が実現。これにより、SBDDが強化され、化合物デザインの成功確率の向上が期待される。

 同装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社より導入され、中外製薬の鎌倉研究所で、中分子医薬品を含む様々な新薬候補化合物の立体構造解析に使用される。

クラレ カルゴン社のUV・バラスト事業を伊社に売却

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2021年6月11日

 クラレは10日、米国子会社カルゴン・カーボン社のUV(紫外線)や活性炭・ろ過膜を使って船舶のバラスト水を処理する事業を、イタリアのデ・ノラ・ウォーターテクノロジーズ社に売却すると発表した。譲渡日は今月末日を予定。譲渡金額は非公開としている。

カルゴン社のUV・バラスト事業を売却する(デ・ノラ社ウェブサイトより)
カルゴン社のUV・バラスト事業を売却する(デ・ノラ社ウェブサイトより)

 クラレが2018年に買収した世界最大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社は、瀝青炭系、木質系、ヤシ系の幅広い活性炭を展開し、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用される活性炭ビジネスの拡大を図っている。クラレは、カルゴン・カーボン社の事業ポートフォリオの見直しを進めた結果、UV・バラスト事業のリーディングカンパニーであるデ・ノラ社への譲渡を決めた。

 同事業のバラスト水処理システムは、沈殿物とプランクトンをろ過などで除去したのち、さらに微生物やバクテリアを中圧UVランプにより殺菌するもの。事業譲渡先のデ・ノラ社は、持続可能な技術を提供するグローバル企業であり、1923年の創業以来、工業用電気化学プロセスと水・廃水処理ソリューションのパートナーとして、革新的な電極や電気化学システム、高度なろ過、消毒技術を提供している。近年は、脱炭素化や水素社会に向けたエネルギー転換に対応する革新的なソリューション開発に取り組んでいる。

昭和電工 次世代記録技術対応HD、共同開発契約を締結

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2021年6月11日

 昭和電工は10日、シーゲイト社とハードディスクドライブ(HDD)の次世代記録技術である熱アシスト磁気記録(HAMR)に対応した次世代ハードディスク(HD)メディアを共同開発する契約を締結したと発表した。

 昭和電工は、HAMRに対応した技術として従来のHDメディアでは実現困難とみられていたFePt合金の超高温規則化温度を実現しつつ量産を可能とするメディア製造技術にめどをつけ、FePt新磁性体を開発。シーゲイト社は、HDD業界でHAMR対応HDDの技術開発を長年リードしてきている。今回の共同開発契約に基づき、FePt新磁性体および両社が将来共同で開発する同磁性体を評価する。この協業により、両社のHAMR対応HDD関連技術の開発スピードを一層加速する考えだ。

 5Gのサービス開始、IoTの普及やテレワークの浸透、DXの進展・拡大などにより、新たに生成されるデータ量は今後とも飛躍的に増大することが見込まれる。それに伴いそれらのデータを保管するデータセンター向けHDDは1台当たりの記憶容量の増大がこれまで以上に重要な課題となっている。

 昭和電工グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)としており、HD事業を個性派事業のコアの1つと位置づけている。今後も〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、世界最大のHDメディア専業メーカーとして、HAMR、MAMR(マイクロ波アシスト記録方式)などの次世代記録技術に対応した業界最高クラスの製品をいち早く市場に投入し、HDDの高容量化に貢献していく。

出光興産 人事①(22日)

2021年6月11日

[出光興産・人事①](22日)▽出光ユニテック常務取締役前田修▽同社取締役事業企画部長関澤寿樹▽日本地下石油備蓄取締役業務部長宗藤紀夫▽プラロックアジア社長兼営業部長紙村和忠(23日)▽販売部ビジネスデザインセンター長吉野聡▽関西支店販売三課長新田登志夫▽沖縄ターミナル社長岸主税▽大分液化ガス共同備蓄社長安藤徹▽豊通石油販売社長羽田森彦▽同社常務取締役藤田剛史(25日)▽昭和四日市石油取締役本村賢一▽同社監査役増田克己(30日)▽ペトロスター関西社長石丸芳雅▽QLCプロデュース社長東敏郎。

ダイセル 人事(1日)

2021年6月11日

[ダイセル・人事](1日)▽スマートSBU長補佐岩瀨浩(7月1日)▽レスポンシブル・ケア室化学品管理グループリーダー萱嶌政信▽同室同グループ、チェーンプロダクションカンパニー品質保証部品質保証グループ勝又信宏▽リサーチセンターリサーチグループ上席技師、大阪大学奥山直人▽同センター同グループ上席技師北口透▽事業支援本部法務グループ主任部員羽倉隆夫▽デジタル戦略室業務革新グループ主任部員、同室システムオペレーショングループ主任部員久保田栄紀▽チェーンプロダクションカンパニー大竹工場安全環境部主席部員小谷和也▽マルチプルプロダクションカンパニー姫路製造所広畑工場生産部長兼同カンパニー同製造所同工場同部生産グループリーダー、同カンパニー同製造所同工場同部同グループ第1室担当リーダー兼東洋スチレン山本隆裕▽ダイセル・セイフティ・システムズ第一工場生産部生産グループリーダー兼同社同工場同部成型生産グループリーダー、同社同工場生産部長岩田浩靖▽同社同工場同部同グループ副グループリーダー宮田伸二▽同社第二工場安全環境グループリーダー、同社第一工場安全環境グループリーダー兼同社総務部主任部員満田琢也▽同社第二工場生産部生産グループリーダー鈴木晋介▽同社第一工場生産部開発生産グループリーダー髙田知宏▽パイクリスタル齋藤一成。

太陽石油の3月期 石油製品マージン改善で大幅な増益

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2021年6月10日

 太陽石油が9日に発表した2021年3月期の決算は、売上高は4576億円(前年比1757億円減)、営業利益376億円(同593億円増)、経常利益374億円(同589億円増)、純利益260億円(同460億円増)となった。なお、在庫影響除き経常利益は104億円(同38億円減)だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、航空燃料をはじめとした石油製品需要の落ち込みや海外製品市況、石油化学製品市況の低迷を受け、生産および販売数量は減少(前期比126万kl減の733万kl)し、売上高は減収となった。

  一方、損益面は、市況に応じた最適な稼働と柔軟な販売を実施したことに加え、OPECプラスの協調減産やワクチン普及に伴う景気回復への期待感などを背景とした原油価格の上昇による石油製品マージンの改善が大きく貢献。前年度末に多額のたな卸資産簿価切り下げを行ったこともあり、各利益項目は大幅な増益となった。

三井化学 循環型経済の実現に向けて包括的協働

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2021年6月10日

HK1896との連携深め、MR起点の開発推進

 三井化学は、2050年のカーボンニュートラル達成を目標に、様々な取り組みを始めている。このほど、hide kasuga 1896(HK1896)との、サーキュラーエコノミー(循環型経済)実現に向けた包括的協働を発表。両社は、環境対応型素材やリサイクル技術の開発、市場と連携した素材の回収システムの構築など、循環型ビジネスモデルの確立を共同で目指す。

HK1896の春日社長(左)と三井化学の柴田研究開発本部長
HK1896の春日社長(左)と三井化学の柴田研究開発本部長

 三井化学が参画するのは、マテリアルシンクタンク・HK1896が昨年、東京と長野を拠点に設立した「グリーン・コンポジット・ヒルズ by hide k 1896」プロジェクト。HK1896が開発した炭素繊維と特殊樹脂によるテキスタイル複合材「hide k 1896」をベースに、製品、市場、リサイクル技術、教育を連動させて、サーキュラーエコノミーを構築していく。

 三井化学・研究開発本部長の柴田真吾常務執行役員は、「グリーン・コンポジット・ヒルズ構想には、サーキュラーエコノミーの具現化という視点から、

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出光など3社 再エネアグリゲーション実証事業に参画

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2021年6月10日

 出光興産、関西電力、関電エネルギーソリューション(Kenes)は9日、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「再生可能エネルギー(再エネ)アグリゲーション(集約)実証事業」に共同で申請し、補助金の執行団体から採択決定の通知を受けたと発表した。

 2022年度から再エネ発電事業者が市場価格で電力を販売する場合、市場価格との差額(上乗せ分)をプレミアムとして補助する「FIP(フィード‐イン・プレミアム)制度」が導入されることなどを踏まえ、同実証事業では、変動性の高い太陽光発電といった再エネ発電設備や蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DER)を組み合わせた需給バランス制御技術の構築を目指す。なお実証期間は、2021年6月8日~2022年2月17日を予定している。

 関西電力は、これまで負荷変動に対応する調整力に活用するため、ユーザー所有のDERを統合制御することで、バーチャルパワープラント(VPP)の構築を目指した制御実証を実施。また、VPP事業を推進する際のプラットフォーム「K-VIPs」(Kanden Vpp インテグレーテッド・プラットフォーム・システム)の開発や運用などを実施してきた。一方、出光興産とKenesは、これまで多数の再エネ発電所の開発をはじめ、同実証事業に関連するビジネスを推進している。

 同実証事業では、3社がもつ再エネ発電所を「K-VIPs」で監視・制御することで、需給バランスを制御するための発電量予測やリソース制御に必要な技術の実証に取り組むとともに、需給バランス制御に関するビジネススキームの検討を進めていく。

 3社は今回の実証事業を通じて、DERを活用した安定かつ効率的な電力システムの構築と、再エネの普及拡大への寄与を目指し、2050年のゼロカーボン社会の実現に貢献していく。

実証事業のシステム構成と体制のイメージ
実証事業のシステム構成と体制のイメージ