《化学企業トップ年頭所感》中外製薬 小坂達朗社長

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2020年1月21日

 昨年、当社は3カ年の中期経営計画「IBI 21」を発表し、初年度として期待を上回る成果を挙げることができた。

 新製品では、抗がん剤「テセントリク」市場浸透と適応拡大が順調に進展し、自社創製の血友病A治療薬「ヘムライブラ」がグローバルで大きく成長した。

 がんの個別化医療では、包括的がんゲノムプロファイリング「FoundationOne CDx」、がん種を問わず特定の遺伝子変異を有する固形がんで承認を取得した「ロズリートレク」を発売し、がんゲノム医療への貢献を目指している。

 研究開発では、「ヘムライブラ」に続く成長ドライバーとして期待する、リサイクリング抗体サトラリズマブ(予定適応症:視神経脊髄炎スペクトラム)が日米欧の同時申請を果たし、抗体に続く新規モダリティである中分子医薬品の開発も順調に進捗した。将来の成長を支える基盤整備も進み、新たな中核的研究拠点である中外ライフサイエンスパーク横浜が着工している。

 まさに、新たに掲げた「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーターになる」という目標に向かい、着実に歩みを進めた1年だった。今年も独自のサイエンス力・技術力に基づくイノベーションを通じた医療への貢献を目指し、一層取り組みを進めていく。

 サトラリズマブを世界の患者にいち早く届けるため、ロシュと共に引き続き努めるとともに、「テセントリク」の複数の適応拡大をはじめとする承認申請を着実に実行していく。次世代のイノベー ションとしては、新たな抗体エンジニアリング技術を用いたスイッチ抗体の臨床試験が今年スタートの予定で、中分子医薬品についても、「IBI 21」の期間中に臨床開発に着手することを目指し、引き続き進めていく。

 また、製薬産業を取り巻く激しい環境変化に対応するため、必要な改革も推進する。環境変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、中外製薬グループ全体の機能をさらに強化し、スピードと機動力を高める必要がある。

 特に重視するのがデジタルへの対応であり、デジタル・ITを活用した一元的な戦略の確立・実行に向け、昨年新設したデジタル・IT統轄部門の下、AIを活用した革新的な新薬創出と、バリューチェーン効率化をスピーディーかつ強力に推し進めていく。

 世界の医療と人々の健康に貢献するため、全社員が一丸となり、新しい技術や方法を積極的に取り入れながら、今年もイノベーション創出に果敢に挑戦していく。

NEDO 熱電発電試験用の標準参照モジュールを開発

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2020年1月21日

 NEDOはこのほど、産業技術総合研究所(産総研)、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)と共同で、熱電発電モジュールの発電性能評価を行うための試験装置用標準器(標準参照モジュール)を開発したと発表した。

 1次エネルギーの多くは効率的に利用されておらず、未利用熱エネルギーとして廃棄されている。そのため、未利用熱エネルギーの有効活用は、省エネルギーとCO2排出削減の重要な柱。特に、未利用熱エネルギーの電力回収(排熱発電)には高いニーズがあり、熱エネルギーを電力に直接変換できる熱電変換技術には大きな期待が寄せられている。

 しかしながら、熱電発電システムの基本構成部品である熱電発電モジュールの発電性能や耐久性を正確に評価する技術は標準化されておらず、その性能を保証する技術の確立が課題だった。

 今回、こうした課題を解決するため、NEDOは産総研とTherMATとともに、熱電発電モジュールの正確で迅速な発電性能評価を行うための試験装置用標準器(標準参照モジュール)を開発。熱電変換材料としてニッケル合金を使用することで、この標準参照モジュールに高い耐久性と信頼性を持たせた。これにより、熱電発電性能の試験法を標準化する上で大きな貢献が期待される。

 今後、3者は国内外の研究機関と連携し、同モジュールの普及を進めることで、熱電発電モジュールに関する信頼性の高い性能計測技術の確立を目指す。また3者は、この熱電発電試験用標準参照モジュールを、現在、国際電気標準会議(IEC‐TC47/WG7)で進めている熱電発電モジュールの発電性能試験法に関する国際標準化活動にも活用する。

 

JXTGエネルギー 東京2020大会の200日前イベントに出展

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2020年1月21日

 JXTGエネルギーはこのほど、今月25日に開催される横浜市主催の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)に向けた200日前イベント「200 Days to Go! フェスティバル in 横浜市 ~東京2020開催まであと200日!~」に、「ENEOSブース」を出展すると発表した。

 同イベントでは、東京2020大会のパートナー企業各社をはじめ、関係団体や小・中学校などによる多彩なコンテンツが展開される。横浜ゆかりのオリンピアン・パラリンピアンによるトークショー・パフォーマンス、さまざまなスポーツ体験ブースなども企画されており、子どもからシニア、障がい者、外国人など、誰でも楽しみながら、オリンピック・パラリンピックイヤーの幕開けが感じられるイベントとなっている。

 「ENEOSブース」では、キャラクター「エネゴリくん」と写真撮影ができるフォトスポットや「ENEOSオリジナルグッズプレゼント」などを用意。また、東京2020大会で野球・ソフトボールの競技会場となる横浜市にちなみ、バッターになりきって写真撮影ができる「ENEOSオリジナル野球トリックアート」を準備。

 さらに、聖火リレーサポーティングパートナーとして、「ENEOS東京2020聖火リレートーチ フォトコーナー」も設置しており、オリンピック聖火リレー、パラリンピック聖火リレー両方の聖火リレートーチに触れることや、記念撮影などが楽しめる。

 同社は、東京2020ゴールドパートナー(石油・ガス・水素・電気供給)として、「ENERGY for ALL」を合言葉に、すべての人に「熱いエネルギー」を届けるさまざまな活動を展開し、東京2020会の成功に貢献していく。

 

東洋紡 TCFDの提言に賛同を表明、コンソーシアムに参画

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2020年1月21日

 東洋紡グループはこのほど、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言へ賛同を表明し、同提言に賛同する企業や金融機関からなる「TCFDコンソーシアム」に参画した。

 TCFDは、主要25カ国・地域の中央銀行や金融監督当局などの代表を参加メンバーとする金融安定理事会(FSB)が2015年に設置。その提言では、企業・団体などに対し、気候関連のリスクと機会に関する情報開示を推奨している。また日本でも、経済産業省が「気候関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFDガイダンス)」を公表するなど、同提言への対応に向けた整備が進む。

 こうした中、同社グループは、企業の「めざす姿 Vision」に「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループになる」ことを掲げている。その一環として、気候関連の課題解決につながる製品・サービスの提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らも長期的に成長することを目指している。

 昨年には「地球温暖化に関する長期ビジョン」を定め、2050年度の温室効果ガス排出量の80%削減(2013年度比)などを打ち出した。

 今回のTCFD提言への賛同表明とコンソーシアムへの参画を機に、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、分析と対応を一層強化し、関連情報の開示を拡充することで、ステークホルダーへの説明責任を果たしていく考えだ。

 

住友化学 CDPの気候変動対応調査で2年連続の最高評価

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2020年1月21日

 住友化学は20日、気候変動対応で特に優れた活動を行っている企業として、CDPにより最高評価の「気候変動Aリスト2019」に選定されたと発表した。Aリストへの選定は2年連続となる。

 CDPは、企業や政府による温室効果ガス排出削減や水資源管理、森林保全を促進している国際NGOで、2000年に設立。現在、世界の機関投資家を代表して、主要企業の気候変動対応に関する取り組みの情報を収集し、評価している。

 2019年度の評価では、気候変動情報を開示した約8000社の中から、最高評価のAリストに選定されたのは、世界で179社、そのうち日本企業は38社。

 住友化学は、環境負荷低減への貢献を経営として取り組むマテリアリティ(最重要課題)の1つと位置づけており、昨年11月に、それぞれのマテリアリティに対して主要取り組み指標(KPI)を設定した。

 環境負荷低減に関しては、Science Based Targets(SBT)認定を受けた温室効果ガス排出量や、「スミカ・サステナブル・ソリューション」認定製品の売上収益などをKPIとしている。

 住友化学グループは、「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、これからもグループを挙げて、経済価値と社会価値を一体的に創出し、持続的な成長とサステナブルな社会の実現を目指していく。

昭和電工 不飽和ポリエステルとビニルエステルの生産を最適化

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2020年1月21日

 昭和電工は20日、不飽和ポリエステル樹脂(UP)とビニルエステル樹脂(VE)事業の収益性向上を図るため、UP・VEの国内生産について2021年6月末をめどに伊勢崎事業所の生産ラインの一部を停止し、龍野事業所に集約することを決定したと発表した。

 同社の機能性高分子事業は、国内2拠点、海外では中国2拠点、タイ1拠点に生産ラインを持ち、UPは主に住宅・建設資材用途や自動車関連用成形材料、VEは主に耐食・耐薬品用途、電子材料用途を中心に展開している。

 UP・VE市場は、海外では中国・ASEANを中心として住宅建築やインフラ投資、自動車産業の成長を背景に需要が拡大しているが、国内は主用途の住宅資材向けが新規住宅着工件数の減少などにより市場規模が縮小。

 そのため同社は、国内のUP・VE生産を龍野事業所に集約して生産体制を最適化するとともに、付加価値が高く需要が拡大しているインフラ分野などに注力し、海外は中国・ASEANを含め高収益が期待できるセグメントを対象とすることで収益性向上を図る。なお、伊勢崎事業所は引き続き電子材料向け高機能性樹脂の開発・製造に注力していく。

 同社グループは、個性派企業(収益と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)とし、2025年に事業の半数以上を個性派事業とすることを目指している。機能性高分子事業についても、最適な市場領域を選択して収益性を向上させ、個性派事業へと進化を図る考えだ。

三菱ケミカル旭化成エチレン 24日に水島工場を再稼働

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2020年1月21日

 旭化成と三菱ケミカルの合弁会社である三菱ケミカル旭化成エチレンは17日、今月1月14日に停止した水島工場のエチレンプラント(非定修年:年産56万7000t)について、設備の詳細点検を行い、補修作業の工程などを検討した結果、24日から再稼働させる見通しとなったと発表した。

 同社は、「関係各位の多大なるご協力をいただきながら、1日でも早く正常稼働ができるように全力で取り組んでいく」とコメントしている。

 

出光興産 シェル美術展「オーディエンス賞」に井口氏

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2020年1月20日

出光興産 「オーディエンス賞」受賞作品 『今日の装い』
オーディエンス賞を受賞した「今日の装い」

 出光興産が主催する「シェル美術賞展2019」の来場者が選ぶ「オーディエンス賞」に、井口麻未氏の作品「今日の装い」が選ばれた。

 「シェル美術賞展2019」は次世代を担う若手作家を対象とする、シェル美術賞2019の受賞・入選作品などを展示する美術展。時代の変化に沿って企画・展示を充実させ、常に進化を続けている。

 今期は昨年12月11~23日の期間で開催し、会期中に5487人が来場した。今回で6回目の開催となる「オーディエンス賞」には、3488人の来場者が投票した。受賞者の井口氏には後日、同社から賞状を贈呈する。

 井口氏は「今回出展した作品は、人々の装いをモチーフとして、画面の中に378人の様々な装いを描いた。このような結果を受け、装いは人々の生活に身近なものであり、人を惹きつける魅力のあるモチーフであると感じた」と述べ、今後も装いというモチーフを研究して展開させていく考えを示した。

 同社は今後も次世代育成を社会貢献活動の柱として、次世代を担う若者を支援し、芸術・文化の発展に貢献していく方針だ。

可塑剤工業会 鮫島会長「安全・安心な可塑剤を供給」

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2020年1月20日

挨拶を行う鮫島会長
挨拶を行う鮫島会長

 可塑剤工業会は17日、都内で新年賀詞交歓会を開催し、関係者約80人が参加した。

 鮫島政昭会長(新日本理化 執行役員 可塑剤事業部長)は、冒頭の挨拶で昨年の実績に触れ、「2019年1-12月期の統計では、フタレート系可塑剤は20万1000t、前年比では95%となり、アジペート系可塑剤は1万6千t、前年比96%だった」と報告し、全体では

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