コベストロの1-9月期 PC事業好調で売上高が5%増

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2018年11月14日

 世界最大のポリマー製造企業の1つであるドイツのコベストロはこのほど、2018年第3四半期の決算を発表した。

 グループの売上高は、販売価格の上昇と販売量の増加により、前年同期比5%増の約37億ユーロ、EBITDAは前年同期と同水準の8億5900万ユーロだった。ポリウレタン事業の利益率の低下は、ポリカーボネート事業の利益率の上昇により相殺された。純利益は同1%の4億9600万ユーロ。

 セグメント別では、ポリウレタン事業は、売上高が1%減の18億4900万ユーロ。EMLA(欧州・中東・アフリカ)とAPAC(アジア太平洋・パシフィック)地域での売上高の減少は、NAFTA(北米)地域での売上高増加によって相殺された。価格変更と為替の影響、予定外のプラント稼動停止がマイナス効果をもたらした。

 ポリウレタン事業の主要製品の販売量は2%減、EBITDAは22%減の4億3200万ユーロ。これは主に原料価格の上昇に起因している。

 一方、ポリカーボネート事業は引き続き力強い成長が見られ、売上高は11%増の10億3800万ユーロ。主要製品の販売量の伸びと販売価格の上昇が、売上高増に寄与した。EMLAとAPAC地域での売上高が大幅に増加し、NAFTA地域での売上高減少を相殺した。

 ポリカーボネート事業のEBITDAは、利益率と価格の上昇により、49%増の3億1500万ユーロとなった。これには、米国でのシート事業売却から得られた3600万ユーロの経常外収益も含まれる。

 塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業は、売上高が9%増の6億600万ユーロ。売上増には全ての地域が貢献した。主要製品の販売量も急増し、7%増となった。EBITDAは前年と同水準の1億2600万ユーロだった。

星光PMCの1-9月期 増収も原料価格値上がりで減益に

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2018年11月14日

 星光PMCが13日に発表した2018年12月期第3四半期の連結決算は、販売先業界の経営戦略に対応した差別化商品を市場に投入した結果、売上高は前年同期比5%増の191億円となった。

 しかし、営業利益は原料価格の値上がりの影響などにより、同9%減の14億円、経常利益は持分法による投資利益の減少などで、同13%減の15億円、純利益は同17%減の12億円と、利益項目はいずれも減益となった。

 製紙用薬品事業では、製紙業界の紙・板紙の国内生産が同2%減の1941万tとなった中で、同社グループは、国内市場・中国市場で差別化商品の売上増加に努めた。この結果、同事業の売上高は同11%増の128億円。 セグメント利益は原料価格の値上がりの影響などで、同1%減の12億円だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業については、印刷インキの国内生産は同3%減の24万3000tと需要が減少傾向となる中、オフセットインキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上高が減少した。フレキソ・グラビアインキ用樹脂の売上高は増加したものの、同事業の売上高は同1%減の38億円となった。 セグメント利益は、原料価格の値上がりの影響などで、同15%減の2億円。

 化成品事業の売上高は、主力製品の輸出売上の減少で、同13%減の25億円、セグメント利益は売上高の減少などにより、同30%減の3億円だった。

 通期の業績予想については変更していない。

デンカ 自動車関連製品で25年の売上1000億円目指す

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2018年11月14日

 デンカは経営計画「Denka Value-Up」(2018∼22年度)の成長戦略として重点3分野の1つ「環境・エネルギー」に注力している。

決算説明を行う鈴木常務執行役員
決算説明を行う鈴木常務執行役員

 特に自動車関連製品で、同社は車両の電動化・軽量化に対応したデファクトスタンダードの製品をもっていることから、22年度には売上高700億円、営業利益150億円を必達とし、25年には売上高1000億円、営業利益220億円にまで拡大させていく方針だ。

 7日の決算会見で、自動車分野の成長戦略と今後の展開について鈴木正治常務執行役員が説明を行った。鈴木常務は「内燃機関車ではクロロプレンゴム(CR)やERなどエラストマーが主要製品となっているが、電動化が進めば、高熱伝導セラミックス基板やアセチレンブラック、球状アルミナフィラーの使用量が増加する。車両電動化は

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住友ベークライトの4-9月期 販売増で増収も原料高などで減益に

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2018年11月13日

 住友ベークライトは12日、2019年3月期第2四半期の連結業績(国際会計基準:IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比3%増の1083億円、事業利益は7%減の95億円、営業利益は9%減の91億円、親会社四半期利益は8%減の70億円。売上収益は主に販売数量の増加により増収。事業利益は原料価格の上昇などを受け減益となった。

 セグメント別では、半導体関連材料は売上収益2%増の261億円、事業利益は5%増の48億円。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、中国市場での販売数量が増加したものの、民生用の用途で在庫調整の動きがあり、売上収益は横ばい。感光性ウエハーコート用液状樹脂と半導体用液状樹脂も、売上収益は横ばいだった。

 高機能プラスチックは売上収益5%増の477億円、事業利益は13%減の36億円。フェノール樹脂成形材料は、欧米の自動車部品向けや中国の電子部品向けが寄与し、販売数量と売上収益がともに増加した。

 工業用フェノール樹脂は、北米の自動車部品向けでの増加と原料高に伴う売価是正により増収。航空機内装部品は、新規受注の獲得で増収。銅張積層板は売価是正を行ったものの、販売数量が減少し売上収益は横ばいだった。

 クオリティオブライフ関連製品は売上収益3%増の341億円、事業利益12%減の25億円。医療機器製品は、既存分野の増加に加え、品揃えを強化した血管内治療や内視鏡治療の分野の拡販により増収となった。

 ビニル樹脂シートと複合シートは、売上収益は横ばい。医薬品包装用途はジェネリック医薬品向けで受注が増えたが、産業用用途のカバーテープやダイシングフィルムで顧客の在庫調整があり減少した。

 鮮度保持フィルム「P-プラス」は、産地野菜向けなどで新規採用があり増収。ポリカーボネート樹脂板と塩化ビニル樹脂板は、建装材向けの増加により増収となった。防水関連製品は、新築住宅向けが減少したが、マンションや蓄熱槽など建築物向けが増加し、売上収益は横ばいだった。

 なお、通期業績予測については、売上収益は、販売数量の増加もあり5月14日発表の予想を据え置いた。一方、利益面は原料価格の上昇が利益を圧迫する厳しい環境が見込まれるため、事業利益と親会社の所有者に帰属する当期利益を下方修正した。