SEMI 半導体製造装置販売額、2Qは四半期で最高に

, ,

2021年9月17日

 SEMIはこのほど、半導体製造装置(新品)の今年2Q(4-6月期)世界総販売額が248億7000万ドルとなったと発表した。これは前期(1Q、1-3月期)比で5%増、前年同期比では48%増の大幅な伸長となり、四半期ベースで過去最高を記録した。なお、このデータの詳細は、SEMIが発行する世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)で提供されている。

 地域別の2Q装置販売額を見ると、1位が中国(82億2000万ドル)、2位が韓国(66億2000万ドル)、3位が台湾(50億4000万ドル)、4位が日本(17億7000万ドル)となった。中国は前年同期比79%増、前期比38%増と大幅プラスとなっており、前期比9%減となった韓国を抜いて1位に浮上した。台湾も前期比では12%減とマイナス。日本は前期比7%増のプラスだった。また5位の米国(16億8000万ドル)と7位の欧州(7億1000万ドル)は、前期比で20%以上伸ばしており、今後の動向が注目される。

AGC メッセンジャーRNA生産設備、独工場で新設

, , , , , ,

2021年9月17日

 AGCはこのほど、バイオ医薬品の製造開発受託(CDMO)事業子会社である米AGCバイオロジクスが、ドイツのハイデルベルグ工場に、メッセンジャーRNA(mRNA)の製造受託サービスの提供体制を構築するとともに、その原料となるプラスミドDNA(pDNA)生産ラインの増設を決定したと発表した。2023年中ごろの稼働開始を予定している。

AGCバイオロジクスのハイデルベルグ工場(ドイツ)

 新型コロナウイルスワクチン用途で実用化されているmRNAは、新しい創薬モダリティとして注目が集まっており、ワクチン以外の分野も含め世界的な需要増が期待されている。AGCバイオロジクスは、すでにハイデルベルグ工場で事業化しているpDNAの製造受託事業で培った技術やノウハウを生かし、新たにmRNAの製造受託サービスを提供する。

 また、先日発表した遺伝子・細胞治療薬拠点であるイタリアのミラノ工場の増強、および米国のロングモント工場の買収に加え、mRNAだけでなく遺伝子・細胞治療向けの原料でもあるpDNAの製造能力を増強することで、世界でも数少ない原料から遺伝子細胞治療まで一気通貫のサービスを提供できるCDMOとしてさらに成長を加速させていく。

 AGCグループは、ライフサイエンス事業を戦略事業の1つと位置づける。合成医農薬CDMO、動物細胞と微生物を使ったバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきた。さらに、昨年には成長著しい遺伝子・細胞治療分野に事業の幅を広げており、2025年の目標として売上高2000億円以上を掲げている。

 今後も各地域の顧客にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを提供できるよう、各拠点のシナジーを最大限に発揮させ、製薬会社、患者、そして社会に貢献していく。

AGCグループCDMO事業拠点

エレファンテック 新開発、厚膜フレキシブル基板を投入

, ,

2021年9月17日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは、高速無電解めっきを活用したフレキシブル基板(FPC)に、基板上の配線となる銅膜の厚さが12㎛の厚膜タイプの「P-Flex PI」をラインアップに加え、15日から受注を開始した。銅膜厚を従来品と比べて4倍に厚くしたことで、高い電流値にも対応可能となることから、顧客ニーズへの適応力を高め、新たな市場開拓を図る考えだ。

新たにラインアップに加わった厚膜の「P-Flex PI」

 同社のFPCは、インクジェット技術をベースにした独自製法「ピュアアディティブ法」で製造する。従来のエッチング法と異なり製造工程を大幅に簡略化できるため、エネルギーや水の使用量や廃棄物量の劇的な削減により、環境負荷が低い、試作や量産への柔軟な対応が可能、高いコスト競争力をもつといった特長を備える。ただその利点の反面で、高耐熱性のポリイミド基材に同製法を施した「P-Flex PI」の銅膜厚は標準仕様で3㎛と一般的なFPCに比べて薄く、用途によっては使用できないという課題があった。ユーザーからは「銅膜がもっと厚ければ、高い電流値に対応でき電圧降下も抑えられるため、適用範囲が広がる」との声も多かった。

厚膜「P-Flex PI」(左)と既存品の走査電子顕微鏡による断面図

 同製法では樹脂製のフィルム基板上に銀をインクジェット印刷したのちに、無電解銅めっきを行う。この無電解銅めっきは、インクジェット印刷した銀が触媒として働くことで銀を印刷した部分にのみ銅が成長する仕組み。銀を印刷した部分に均一に成長する「均一性」、銀を印刷していない部分には成長しない「選択性」、高速に成長するための「高速性」の3つの要素が必要になる。これまで銅膜を厚く成長させること自体は研究レベルではできていたものの、量産レベルでは3要素をうまく調整することができず量産での供給は銅膜厚3㎛が限界だった。そこで印刷プロセスとめっきプロセスを同時に最適化し3要素のバランスを追求することにより、12㎛の銅膜厚を形成させながらも量産化に成功した。

厚膜「P-Flex PI」の層構成

 今回開発した厚膜の「P-Flex PI」は、エレファンテックの大規模量産実証拠点「AMC名古屋」での生産を予定する。同拠点の現在の生産能力は月産2万㎡。厚膜タイプを加えラインアップを強化し、既存品と合わせでフル生産を目指す。なお、開発にあたっては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果の一部を活用した。

 

NEDOと産総研 誘電体基板の温度特性が計測可能に

, , , ,

2021年9月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、高周波回路などに使われる金属張りの誘電体基板の誘電率と導電率の温度特性を、10G㎐~100G㎐超の超広帯域で計測する技術を確立した。幅広い温度域での低損失化が要求されるミリ波対応材料の開発を後押しするとともに、ミリ波を使う次世代高速無線通信のポスト5G.6G実現に向けた材料やデバイスの開発期間の大幅な短縮が期待される。

 今回の技術の確立に際し、両者は新たに温度制御可能な超広帯域動作の共振器を開発。この装置は、ミリ波帯での超広帯域の材料計測が可能な平衡型円板共振器を、銅板に埋め込んだヒーターと熱電対で局所加熱して温度制御するもので、恒温チャンバーや耐熱性ミリ波ケーブルなど大掛かりで高コストな装置や部材を使わずに、100G㎐超までの超広帯域特性を、室温から100℃の温度域で計測できる。誘電体基板材料の誘電率と導電率の温度特性を計測することで、材料設計・開発へのフィードバックだけでなく、計測した材料を使った回路やデバイス性能の温度依存性の推定が可能になる。

 今回、シクロオレフィンポリマーと合成石英の誘電率と、シクロオレフィンポリマー基板上に形成した金属層の導電率の温度依存性を計測しシミュレーションしたところ、シクロオレフィンポリマー基板回路の125G㎐での伝送損失(㏈/㎝)は、温度が25℃から100℃に上昇すると約18%増大することがわかった。

 今後、産総研は今回開発した材料計測技術と計算科学やプロセス技術を融合し、より良い物性値のミリ波対応材料を得るための分子構造や配合比、プロセスなどの最適化条件を予測できるように、データプラットフォームの拡充に取り組む。

BASF 加工安定剤で高透明度の注射器用PPを実現

, , ,

2021年9月16日

 BASFはこのほど、色相安定性に優れた加工安定剤「イルガスタブ」がロッテケミカル(韓国)の製造する医療用途ポリプロピレン(PP)に採用されたと発表した。さらに、同PPは韓国の医療用注射器メーカーが開発したLDS注射器(低デッドスペース)に採用された。

 同注射器は注射後に注射器本体に残る薬剤の量を最小限に抑え、ワクチンを無駄にせず20%多くの人に接種できる特長をもつ。新型コロナワクチンの予防接種が世界中で展開される中、PP製注射器のニーズが急増し、大きな需要が見込まれる。

 LDS注射器用材料には高透明度の認証が必要であるが、医療用プラスチックは滅菌処理によりポリマーの劣化や変色が起こってしまう。「イルガスタブ」は色調の保持や透明性に優れており、コンパウンディングや射出成形中に、PPを変色させることなく加工安定性を提供する。

 ロッテケミカルは、高強度PPをはじめとする医療材料の生産品質管理を徹底し、医療や安全に関するニーズの高まりに対応するため、特殊PP素材の開発を拡大するほか、繊維やシートへの使用拡大の可能性を評価している。プラスチック注射器をはじめとする多くの医療用アプリケーションは、持続可能な未来のための重要な柱の1つとして、人々の健康と安全に役立っている。

 BASFは、「イルガスタブ」の持続可能性の利点について、センシティブな用途のプラスチックに低濃度で処方することで、環境や貴重な資源の保護にも貢献できるとしている。

三菱ケミカル クリンスイのウォーターサーバー、各所に設置

, , , , ,

2021年9月15日

 三菱ケミカルはこのほど、グループ会社である三菱ケミカル・クリンスイが、ニューヨーク発のライフスタイルブランド「ピルグリム サーフ+サプライ」の渋谷店、京都店にクリンスイのウォーターサーバーを設置したと発表した。

クリンスイのウォーターサーバ
クリンスイのウォーターサーバ

 同ブランドとは、これまでも浄水機能付きのタンブラーを限定販売するなどコラボレーションを実施。今回のウォーターサーバーの設置により、来店客にマイボトルの普及を推進し、ペットボトルの消費削減が、海洋プラスチック問題へのアクションに繋がることを目指している。

 三菱ケミカル・クリンスイは、浄水器の製造・販売を通じて、環境に優しく安心して使えるおいしい水を暮らしに届けるとともに、国内の水資源の活用を軸に、人々のよりサステナブルなライフスタイルを推進する様々な取り組みを推進。その一環として、戦略的パートナーシップを締結した「mymizu」との取り組みのみならず、水道水を活用した浄水によるウォーターサーバーを製造し、今年より都内をはじめ各所に設置。安心でおいしい水を届けるだけでなく、使い捨てペットボトルによる環境負荷の削減のサポートを実施している。

クリンスイとピルグリム サーフ+サプライ
クリンスイとピルグリム サーフ+サプライ

 今回、「ピルグリム サーフ+サプライ」がクリンスイの水資源の活用と環境への取り組みに賛同し、ウォーターサーバーを各店舗に設置することとなった。

 クリンスイは、2009年から「water alive 水道水を飲もう!」というスローガンの下、水と環境をテーマにしたイベントなどを通じて、水道水の利用を勧めるメッセージを多くの人に発信してきた。

 世界中で飲まれているペットボトル飲料水は、製造、輸送時に莫大なコストとエネルギーがかかる上に、多量の空きボトルのごみが発生する。このペットボトル飲料水の代わりに、身近な水である水道水を利用することが、大幅なごみやエネルギーの削減、コスト減につながる。

 同社は今後も、この活動への賛同者を増やし、日本各地にウォーターサーバーの設置場所を広げていくことで、使い捨てペットボトルの削減を目指し、循環型経済(サーキュラー・エコノミー)の実現に向けてブランド全体で取り組みを進めていく。

ポリプラスチックス 射出成形のガス焼け、評価方法をウェブに公開

,

2021年9月15日

 ポリプラスチックスは14日、「射出成形時のガス発生メカニズムから生まれた新評価法~射出成形品表面のガス焼け~」を同社のウェブサイトに公開した。

 射出成形の現場では、ショートショットやガス焼けの発生により連続生産ができなくなり、製造コストアップや納期トラブルが起きる事例が多く発生する。今回、成形時のガスを同社独自の手法で捕集・評価する新たな評価法「成形時ガス評価法(Gas Investigation Method in Injection Molding)」を使い、ガス焼けを引き起こす原因について考察を行った。

 ガス焼けを引き起こす主な要因として、①樹脂のエネルギー損失によるガス発生、②バレル内部での熱伝導の不均一、③ガスベントの詰まり、④不適切なパージ作業の四つが挙げられる。これらのうち③と④について、PPS樹脂「ジュラファイド」やその他のエンプラを実験材料とし、「成形時ガス評価法」によるガス焼けの原因を解析。各原因の対策についてウェブサイトに掲載している。 

 同社は「今回の結果を参考に、生産効率アップに役立つことを期待している」と述べている。エンプラの素材メーカーである同社は、材料技術のみならず、成形・加工技術の開発にも積極的に取り組む。今回紹介した材料や技術に加え、成形・加工技術を融合させた新たな発想を生産者に届けていく。今後も材料情報や設計技術について、引き続きウェブサイトに公開していく予定だ。

 

トクヤマとパナソニック 純水素型燃料電池の実証を開始

, , , , ,

2021年9月15日

 トクヤマとパナソニックは14日、トクヤマの徳山製造所(山口県周南市)で発生する副生水素を使った純水素型燃料電池の実証を開始したと発表した。実証期間は2023年3月までを予定している。

純水素型燃料電池 実証機の外観
純水素型燃料電池 実証機の外観

 世界的に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速する中、次世代エネルギーの1つとして水素への関心が高まっている。カセイソーダの製造工程で副次的に発生する副生水素の有効活用は、地球温暖化防止やエネルギーセキュリティの観点のみならず、化学産業にとっても社会貢献へ活用できるものであり、大きな意義がある取り組みになる。

 今回、徳山製造所内に設置した実証機は、パナソニックが開発する6台の純水素型燃料電池を1つのユニットに収めたシステム構成。水素の供給配管や熱配管、電力出力ラインなどを集約してユニットに接続し、6台の純水素型燃料電池を1つのシステムとして稼働させる連携制御を実現した。なお、純水素型燃料電池の六台連携制御の実証は、国内で初となる。

 トクヤマは、イオン交換膜食塩電解法でカセイソーダを製造する際に発生する副生水素を、純水素型燃料電池に安定供給。実証機で発電した電力は製造所内の事務室で使用し、発電時に生成する熱も温水にして回収し有効利用する。トクヤマでは、副生水素の有効活用を図るとともに、水素を活用した地域貢献モデルの検討を進めているが、今回の実証もその一環となる。

 一方、パナソニックは、副生水素を使用した場合の稼働性能に加えて、連携制御の検証・評価を行う。実証に使う純水素型燃料電池単体の発電出力は700Wだが、6台の実証機を個別に稼働および停止させることができるため、700W~4.2kWで任意の発電出力に設定することが可能。将来的には、連携制御による大規模な電力需要への対応を想定している。さらに、仮に1台が故障したとしても残りの5台は継続して稼働させることができる。そのため、順番にメンテナンスを行えばシステムとして電力の連続供給も可能となるなど、連携制御により運用の柔軟性向上が期待される。

 両社は、今回の実証を通じて、水素社会の実現を目指した取り組みをさらに進めていく。

NEDOなど 固体表面の高速・高分解能測定技術を開発

, , , ,

2021年9月14日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、人工知能(AI)を使った材料開発プロジェクト「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」で産業技術総合研究所(産総研)と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)が金属酸化物の固体表面解析に必須の動的核偏極核磁気共鳴法(DNP-NMR)で高速・高分解能なスペクトルを得ることができる測定技術を開発したと発表した。固体材料表面の高速・高精度解析が可能になり、触媒の合成や表面処理などが革新的材料の開発時間を大幅に短縮できる。

 固体触媒の開発では、触媒表面の化学構造を知るために酸素をはじめとする各種原子核のNMR測定が重要だが、四極子核に対する測定感度とスペクトル分解能が低く、適用範囲はH、C、N、Siなどに限られていた。

 今回、マイクロ波照射で感度を上げるDNP-NMRに、四極子核測定を可能にする新設計の照射プログラムと高分解能化のための新型パルスプログラムを組み込むことで、固体表面の四極子核の高速・高分解能の観測が可能となり、O、Zn、Mo、TiなどのNMRスペクトル観測に成功した。

 触媒担体として汎用されるγ-アルミナ(Al2O3)は、従来のNMRではAl-O結合に由来する構造が示唆されるだけであるのに対し、今回Al-Oの各ピークが分離され、3配位、4配位、6配位構造と、表面上にのみ存在する5配位構造が実測できた。

 引き続き、同事業で様々な金属酸化物の表面構造を詳細に解析し、高度な計算科学や高速試作・革新プロセス技術、先端計測評価技術を融合し、材料開発の加速と製品性能や製品寿命に優れた超先端材料の開発に貢献する考えだ。

 

ダイセル にんにくの希少成分、機能性表示食品で販売

, , ,

2021年9月14日

 ダイセルはこのほど、カラダの疲れを感じている人のための機能性表示食品「S-アリルシステイン」について消費者庁に届け出を行い、受理されたと発表した。同成分を含む素材は昨年7月に販売を開始していたが、さらに販路を拡大していく予定だ。

にんにく中のS-アリルシステインが機能性関与成分として受理
にんにく中のS-アリルシステインが機能性関与成分として受理

 S-アリルシステインは、強い抗酸化作用をもつにんにく由来の機能性成分。ただ、にんにくにはごく微量にしか含まれない希少成分であり、にんにくを熟成する過程で増加する。S-アリルシステインを指標成分の1つとし、熟成にんにくエキスを機能性関与成分とした疲労感の軽減効果を訴求する機能性表示食品は、すでに他社品で受理されていたが、S-アリルシステイン単一成分を機能性関与成分とした疲労感を軽減する機能性表示食品は初となる。

 今回の届け出は、システマティックレビュー(SR)による届け出で、採用文献として同社が実施した研究成果を使用しており、機能性関与成分による研究レビューで、機能性を評価している。

 1日にS-アリルシステイン2㎎を含む試験食品またはプラセボ食品の摂取を四週間継続し、摂取前後に運動負荷試験を実施し、身体作業負荷中、回復期および翌朝起床時の主観的な疲労度の評価についてVAS法により行った。その結果、運動負荷試験中は各群に有意差はなかったが、回復2時間後に試験食を摂取した群では、プラセボ食を摂取した群に比べ運動後の疲労度が有意に少ないことを確認した。

 同社は今後、今回の届け出受理の実績をもって、サプリメントメーカーへ素材販売を本格的に開始し、抗疲労を訴求した機能性表示食品の届け出支援を行っていく。