三菱ケミカル・クリンスイ 蔵元と共同で超軟水仕込み吟醸酒

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2019年2月7日

 三菱ケミカルのグループ会社で浄水器の販売を行う三菱ケミカル・クリンスイは、山形県の酒造メーカーと共同し、超軟水を仕込み水としたオリジナル吟醸酒を発表した。

 クリンスイが運営する、水にこだわったライフスタイルを体感できるカフェ「MIZUcafe PRODUCED BY Cleansui」(東京都渋谷区神宮前6-34-14 原宿表参道ビル1階)で、今月6日から提供を始めた。

出羽桜
クリンスイの超軟水で醸造した出羽桜

 蔵出しとなったのは、「出羽桜 純米吟醸酒 Cleansui仕込み(瓶火入)」。山形県天童市にある老舗造り酒屋、出羽桜酒造と共同開発した。

 山形県産の酒造好適米「出羽燦々(さんさん)」のみを使い、約50時間かけて精米歩合50%にまで磨き上げたのち、山形酵母とクリンスイの超軟水で醸造。熟した果実のような豊かな香りと上品な酸味がある、辛口でキレのある純米吟醸酒に仕上げた。

 日本酒の醸造過程で味の仕上がりを左右するのは「水」だ。出羽桜酒造では、以前から三菱レイヨン(現:三菱ケミカルアクア・ソリューションズ)の三層中空糸膜を使用した脱気装置を採用し、酒造りの重要な工程で活用してきた。

 今回、クリンスイブランドで様々なコラボレーションに挑戦してきたクリンスイは、三菱ケミカルの同じ部門に所属するグループ会社・ウェルシィの協力のもと、クリンスイの超軟水を仕込み水として供給した。

 クリンスイによれば、2社のコラボは、出羽桜酒造の日本酒造りへのこだわりと、伝統を守りながら積極的に海外に発信していく姿勢に、クリンスイの〝水を通じて世界中の人々にワクワクを届けていきたい〟という思いが共鳴し実現したとのこと。同時に、三菱ケミカルの環境・生活ソリューション部門でシナジー効果が生まれたという。

 なお同純米吟醸酒は、前述のカフェで味わえる。グラス(120㎖)が700円、ボトル(720㎖)が3500円で、いずれも税込み価格。ちなみに、瓶での販売は行っていない。

帝人 急性期脳梗塞の新治療薬を目指し臨床試験を開始

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2019年2月7日

 帝人は6日、ヒト(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた再生医療等製品「JTR‐161」が、第1例目となる被験者に投与されたと発表した。同治験製品は、JCRファーマ(兵庫県芦屋市)と共同開発を進めているもので、このたび急性期脳梗塞患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験で被験者の組み入れが開始された。今回の試験は、静脈内投与した際の安全性と有効性を、探索的に検討することを目的としている。

 帝人グループでヘルスケア事業を展開する帝人ファーマが治験依頼者として実施し、試験に用いる治験製品はJCRファーマが製造を行う。「JTR‐161」は、人の抜歯体から単離したDPCを原材料とする再生医療等製品。抜歯体を利用するため、骨髄などに比べて細胞採取時の侵襲性が低く、国内で細胞ソースを調達できるのが特徴となっている。

 また、ヒト(同種)歯髄由来幹細胞は、体内に投与しても拒絶反応が起こりにくいとされており、同治験製品は、免疫調整因子産生による炎症抑制や、栄養因子産生による臓器保護・再生促進などの効果が期待されている。

 帝人とJCRファーマは、2017年7月に、日本国内でのDPCを用いた急性期脳梗塞を適応症とする同治験製品の共同開発契約と実施許諾契約を締結し、研究開発を進めてきた。両社は、「JTR‐161」が急性期脳梗塞の新たな治療選択肢となることを期待し、患者のQOL向上を目指すために同製品の一日も早い上市に向けて連携強化を図っていく。

NEDO 逆駆動可能なギヤの開発でロボットの関節へ期待

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2019年2月6日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、横浜国立大学と共同で、従来不可能であった100分の1を超えるような高い減速比の減速機でも、逆駆動が可能なギヤ(バイラテラル・ドライブ・ギヤ)を開発した。

逆駆動可能なバイラテラル・ドライブ・ギヤ
逆駆動可能なギヤ

 同開発は逆駆動のメカニズムに特徴がある。ロボットの関節が外力に対して柔軟に動くことを可能にするだけでなく、逆駆動制動時の熱を電気エネルギーとして回収する(エネルギー回生)際の効率化を図ることができる。

 モーター情報による負荷トルクの推定が行え、小型軽量化・低コスト化・省エネ化を同時に達成する。今後は協働ロボット、アシストロボット、移動ロボットなどの関節部材や、電気自動車(EV)、電動自転車の変速機などへの展開が期待される。

 高齢化社会では、ロボットが産業界だけでなく社会全体で人の役割の一部を担う、人とロボットが共存する社会の実現が期待されている。このような共存社会では、人とロボットの意図しない接触により危険が生じるおそれがある。

 これまでは、ロボットの関節に使用されている減速機が、外力に対して柔軟に動く逆駆動性がないため接触の衝撃を吸収できず、結果として人の安全を十分に確保できなかった。さらにロボットの中核部品である減速機は、古くから数多く研究されてきたため、大きな改善の余地はないと考えられていた。

 なお、横浜国立大学は今回の開発品を、パシフィコ横浜で2月6~8日に開催される工業技術見本市「テクニカルショウ ヨコハマ2019」に出展する。

 

ニチバン 台所回りで便利なテープの新タイプを発売

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2019年2月4日

 ニチバンはこのほど、食品袋のラベルや封などキッチン回りのさまざまな用途に使える「ディアキチ ワザアリテープ」シリーズに新製品を投入すると発表した。

ディアキチワザアリテープ柄付きタイプ
柄付きタイプ

 「柄(がら)付きタイプ」(全3種)と「細幅タイプ」(全3色)の2種類。2月21日から全国のキッチン雑貨店・量販店などで発売する。

 同シリーズは、手で簡単に切り取れ、貼ってはがせる糊残りの少ないフィルム素材のテープ。食品袋の封はもちろん、保存容器やフリーザーバッグの日付・内容物のラベルなど、キッチン回りのさまざまな用途に使え、冷蔵庫(4℃)、冷凍庫(マイナス18℃)内でも使用可能だ。

  柄付きタイプは「ドットストライプ」「タイル」「さんかく」の3種類。テープのベースカラーは、日付や内容物などを書いた文字が読みやすいホワイトを採用し、柄は約5cmごとに切り替わるので、長さを揃えてカットする目安にもなる。細幅タイプは、通常タイプ(25mm)より10mm細い15mm幅で、「ピンク」「ブルー」「イエロー」の3色をラインアップ。細幅なので、背の低い保存容器や丸型容器の曲面への添付が容易になった。

 フリーザーバッグなどの側面に貼り付けても見やすく、冷凍庫で立てて収納する際の上からのラベルの読みやすさが向上した。

 いずれの新商品も、冷蔵庫などへ貼り付けて収納できるマグネット付ホルダーを付属。

DIC 曲がる無線センサーで温湿度・照度をセンシング

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2019年2月4日

 DICは1日、商業施設やオフィスビルなど施設内の温度や湿度、照度のセンシングに用いるセンサーデバイスを開発し、昨年秋から複数企業との実証実験を開始したと発表した。

手で曲げられる柔軟性を実現
手で曲げられる柔軟性を実現

 同開発品は、同社グループ製品を組み合わせることで、手で曲げられる柔軟性と設置・除去作業の簡便さに加え、安全性や意匠性を兼ね備えた画期的な無線タイプのセンサー。実証実験を重ね、1~2年以内での製品化を目指す。

 商業施設やオフィスビルなどで快適な空間を維持するためには、施設環境の測定が不可欠となる。また環境負荷低減が求められる中、空調などの省エネルギー対策を講じる際にも施設環境のデータ化が求められている。

 一方、主流の有線タイプは既存施設へ設置しづらい欠点があり、従来の無線タイプは筐体がプラスチック成形品のため、両面テープでの固定には落下の危険性を伴うことが課題だった。

 同開発品は、回路基板に同社グループ製品の配線用導電インキ「サントロニック」を用いた印刷方式を活用することで、柔らかくて曲げられる筐体と、薄さ約5mm、軽さ約20gを実現した。

 加えて、設置面に同社の再剥離性粘着テープ「ダイタック」を採用し、「貼る、剥がす」といった設置・除去作業を簡便化。基材には柔軟性と難燃性を備えた材料を採用し、表面を印刷シートで外装したことで、安全性だけでなく意匠性も兼ね備えた。無線通信方式には、低電力で長距離通信が可能なLoRa方式を採用した。

 同社グループでは、〝2025年のありたい姿〟を目指し取り組む中長期的なテーマに、社会要請にマッチした最適ビジネスモデルの構築を位置づけている。今後も、顧客と社会の持続可能な発展に貢献する製品や技術の開発に注力していく考えだ。

旭化成ホームプロダクツ キャラクター入りプラ保存容器を限定発売

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2019年2月1日

 旭化成ホームプロダクツは31日、ディズニーキャラクターをデザインした限定商品を発売すると発表した。

 「ジップロックフリーザーバッグ」「ジップロックイージージッパー」「ジップロックスクリューロック」「ジップロックコンテナー」の4種5商品を、3月1日から全国のスーパーやドラッグストアを通じ数量限定で販売する。

 「ジップロック」は食品の保存だけでなく、身の回りの整理やアウトドアでの小物の持ち運びなど、生活の幅広いシーンでの利用を想定。毎日がさらに楽しくなるよう、ディズニーの仲間たちを採用した。希望小売価格は300~780円(税抜き)。

旭化成ホームプロダクツ ジップロック

ダイセル 新型のUV‐LED硬化型インクジェットインクを開発

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2019年1月31日

 ダイセルはこのほど、新型のUV‐LED硬化型インクジェットインクを開発したと発表した。独自の配合技術を生かした機能により、UVインクジェットインクが実現できなかった機能を備えている。

 これまでUVインクジェット印刷が難しかった製品の装飾を可能にし、デザインの幅を広げる。将来的には産業用印刷、封止材や接着剤、コーティング剤などへの展開を目指す。

 特長の1つが高い密閉性。従来、金属やガラスにUVインクジェットインクで印刷を行う場合、剝がれなどの防止のため、前処理が必要だった。

 しかし、新製品は同社が新たに開発した重合性化合物を配合することで、インクと対象物との間に高い密着性を獲得。前処理を施すことなく、金属やガラスに直接、フルカラーの印刷を行うことが可能になった。

 もう1つの特長は、匂いの低減と高い薬品耐性である。UVインクジェットインクは、アクリレートモノマーで構成されているため、モノマー特有の匂いが残ってしまう。加えて、印刷物の薬品耐性が低く、屋内での使用が敬遠される傾向にある。

 開発品はアクリレートモノマーを使わないインクであることから、臭いの低減と高い耐薬品性を実現した。このため、建築材料やビン、缶など、屋内製品にも安心して使うことができる。

 なお、同製品は「新機能性材料展2019」(30日~2月1日、東京ビッグサイト)に出展する。ブース番号は2B-10。

 

BASF 果樹と畑作物向け新規殺菌剤を年内に発売

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2019年1月31日

 BASFジャパンはこのほど、独BASFが開発した新規有効成分「ゼミウム」(成分名:フルキサピロキサド)を含む「アクサーフロアブル」と 「イントレックスフロアブル」の2つの新規殺菌剤の販売を開始すると発表した。これらの殺菌剤は果樹と畑作物の主要な病害に対し、強力で長期間防除効果を発揮する。

BASFアクサーフロアブルボトル
アクサーフロアブルボトル

 果樹専用殺菌剤のアクサーフロアブルは、ゼミウムとジフェノコナゾールの混合剤。リンゴのモニリア病や黒星病、梨の黒星病や黒斑病、桃の灰星病など、果樹のさまざまな主要病害に効果がある。作用が異なる有効成分の混合剤であるため、耐性菌管理にも有効。3月の販売開始を予定している。

イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応
イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応

 畑作物専用殺菌剤のイントレックスフロアブルはゼミウムの単剤で、小麦・ジャガイモ・テンサイの主要病害に対応する。特に小麦の雪腐病やテンサイの葉枯病など、北海道で問題になっている病害の防除に高い効果を発揮する。今年第4四半期中に販売を開始する予定だ。

 ゼミウムは果樹と畑作物のさまざまな病害を防除する効果に加え、浸達性と移行性に優れているため、成分が葉面の裏側や葉内を含む植物のすべての部分にいきわたる。また、そのユニークな特性により植物表面に吸着することから、長期にわたり病害を防除することが期待できる。

東レ 塗布型半導体CNTが世界最高移動度を達成

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2019年1月30日

 東レは29日、塗布型半導体としては世界最高となる移動度155㎠/Vsを達成したと発表した。

 今回の移動度向上は、塗布型半導体の特徴である高性能と低コストを生かすことで通信距離が長いUHF帯RFIDを用いて、複数のタグを一度に読み取る性能が向上し、より実用化へ一歩近づく技術。

 同日開催された記者会見において、電子情報材料研究所の後藤一起所長は「カーボンナノチューブ(CNT)はこれまで、実用化に様々な課題があった。塗布型半導体CNT技術が確立すれば、

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東ソー 新規プリンテッドエレクトロニクス材料を開発

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2019年1月29日

 東ソーはこのほど、短チャネル有機トランジスタ向けプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体、絶縁膜材、撥液バンク材、保護膜材)を開発したと発表した。

 有機半導体(開発コード名:TS5)は、溶解性と耐熱性を併せもち、塗布で良好な結晶膜を形成。5㎛の短チャネル有機トランジスタで1㎠/Vs以上の高移動度を発現する。絶縁膜材(DC100)、撥液バンク材(BC400)、保護膜材(DK500)は、いずれも感光性があり、低温・短時間硬化が可能で、光パターニングにより微細な開口部を形成する。

 同社では、これまでに山形大学との共同研究で、有機ELディスプレイやセンサの試作・駆動実証に成功している。なお新規開発の4製品は、東京ビッグサイトで30日~来月1日に開催の「JFlex2019」(コンバーティングテクノロジー総合展内)に出展される。

 ブース番号は2X‐17。また、同会場で併催される「新機能性材料展」では、同社のファインセラミックス「ジルコニア」関連製品を出展する。ブース番号は2P‐20。