塩ビ工業・環境協会(VEC)がこのほど発表した需給実績によると、4月の塩ビ樹脂(PVC)の総出荷量は前年同月比20%減の10万5400tとなり、7カ月連続で減少した。
国内出荷は、
2020年5月29日
2020年5月29日
2020年5月28日
積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーにおいて、2019年度の新築戸建て住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)比率が80%(北海道除く)となり、目標としていた60%を大幅に上回ったと発表した。
国が目標としている「2020年度までにZEH比率50%(北海道除く新築戸建て住宅)」を大きく上回っている。さらに、エネルギー収支により分類したZEHの中で、環境貢献度が最高ランクの「ZEH」が91%と大半を占めており、環境意識の高いユーザーから支持を得ていることを確認した。
一方、同社が注力する「エネルギー自給自足型住宅」が3万棟を突破した。ZEHは光熱費やCO2排出量削減などのメリットがあるが、同社ではさらなる環境貢献と災害時の安心向上のため、「エネルギー自給自足型住宅」の開発・普及に積極的に取り組んでいる。
より大容量の太陽光発電システム(PV)を搭載し、PVの余剰電力を蓄電池に貯めて夜間に使うことで、自家消費を拡大。平常時は省・創・蓄エネ性能を向上させ、自然災害などによるライフライン途絶時にも生活を維持することができる。
今後も、ZEHの供給と合わせ「エネルギー自給自足型住宅」の普及に努め、環境負荷軽減とともに、より多くの居住者に災害時の安心を提供していく。同社住宅カンパニーでは、ESG経営を推進し、環境問題と社会課題の解決、盤石な経営基盤の構築を事業の成長力として位置づけている。その一環として、ZEHの推進を軸に商品開発を行い、ZEH比率のより一層の向上を図っていく考えだ。
2020年5月28日
帝人は27日、炭素繊維「テナックス」を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)が、ドイツのシュトゥットガルトにあるシュタットバーン橋のケーブルに採用されたと発表した。
シュタットバーン橋は、鉛直に加わる力を、上方に弓のように反った曲線(アーチ)構造を使って荷重を支えるアーチ橋。全てのケーブルにCFRPを採用したアーチ橋の建設は、世界で初となる。
シュトゥットガルト近郊のA8高速道路上に架かるシュタットバーン橋は、全長127mの鉄道用アーチ橋で、重量比強度の高いCFRP製ケーブルを使用することにより、8車線ある高速道路上を支柱なしに横断できる構造を可能とした。
このアーチ橋の72本のCFRP製ケーブルには、同社の炭素繊維「テナックス」が使用されており、鉄鋼製のケーブルに比べ、断面積は4分の1で同等の強度を持ち、低コスト化を実現。また、大幅な軽量化により、クレーンを使用せずにケーブルを設置することが可能となり、鉄鋼製ケーブルの使用時に比べてCO2排出量は3分の1、エネルギー消費量は2分の1になった。
帝人は今回の採用を契機として、炭素繊維の建築・建設用途に向けた展開強化を進めるとともに、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提供を強化し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。
2020年5月28日
2040年を見据え成長事業の育成・強化を図る
JXTGグループの新たな中期経営計画「第2次中期経営計画」(2020~22年度)が始動した。20日にオンライン説明会を開催。JXTGホールディングスの杉森務社長は、第2次中計の3カ年を「第1次中計で行ってきた構造改革を加速させるとともに、長期ビジョン実現に向けた変革を推進する期間」と位置づける。
同社は昨年5月、2040年を見据えた長期ビジョンを策定し、グループのありたい姿として、①アジアを代表するエネルギー・素材企業②事業構造の変革による価値創造③低炭素・循環型社会への貢献―を設定した。新中計の策定にあたり、ありたい姿③の要素に「自社排出分のカーボンニュートラルの追求」を追記。また、発電事業の名称を「次世代型エネルギー供給」事業に変更するなど、同社が考える将来像をより明確化した。
新中計の基本方針は「長期ビジョン実現に向けた事業戦略と
2020年5月27日
2020年5月27日
2020年5月27日
クラレはこのほど、新型コロナウイルス感染症対策の支援のため、「知的財産権に関する新型コロナウイルス対策支援宣言」の趣旨に賛同し、支援者として同宣言に参画した。
新型コロナウイルス感染症のまん延をくい止めるためには、産官学が連携し、治療薬やワクチン、医療機器、感染防止製品などの開発・製造を、従来の常識にとらわれない発想とスピードで進める必要があることから、クラレは同宣言の趣旨に賛同。
診断や予防、封じ込め、治療をはじめとする新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした行為に対して、同社グループが持つ特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を一定期間行わず、対価や補償を求めないことを宣言した。
今後も、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めるとともに、同社グループの固有技術が感染症の終息に貢献できるよう取り組んでいく考えだ。
2020年5月27日
三菱ガス化学はこのほど、同社が9%出資し事業パートナーとして参画している福島ガス発電(FGP)が、相馬港4号埠頭(福島県相馬郡)で建設を進めていた福島天然ガス発電所1号発電設備(1号機)について、先月30日に営業運転を開始したと発表した。
2016年に、FGPとFGPへ出資する事業パートナー5社(三菱ガス化学、石油資源開発〈JAPEX〉、三井物産、大阪ガス、北海道電力)は、トーリング方式による相馬港天然ガス発電事業の推進と、その事業基盤となるLNG発電所(出力59万㎾×2基)の建設を決定。1号機が昨年12月から発電を開始し、電気事業法で定められた使用前自主検査にすべて合格したことから、先月30日からの営業運転に至った。
トーリング方式とは、パートナー各社が各々調達した燃料を、FGPが電気に変えて相当量の電力を各社に返し、各社が独自に販売する、電力自由化に即した方式。同発電所は、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指している。
燃料には化石燃料の中で最も温室効果ガス(GHG)や大気汚染の原因物質(SOx、NOxなど)の排出が少ないLNGを気化したガスを使用し、発電効率の高いガスタービン・コンバインドサイクル方式(燃焼ガスタービンと排熱蒸気タービンを併用)を採用した。さらに、最新の要素技術を加えることにより、現時点で世界最高クラスとなる約61%の発電効率を実現している。
なお、2号機は今夏の営業運転開始を目指し、現在は試運転中。また、2期工事となる、隣接するJAPEX相馬LNG基地敷地内への23万kl級地上式LNGタンクは今夏に操業を開始する予定で、LNG気化設備増設分は先月に操業を開始した。これら設備の操業開始後の運用を含めた管理、事業パートナー5社が持ち込むLNGの貯蔵と気化、気化したガスの同発電所への送出などの業務は、FGPからJAPEXに委託している。
同社を含む事業パートナー5社とFGPは、電力全面自由化やGHG排出量削減などの市場環境の変化を踏まえた、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指し、引き続き同事業を推進する考えだ。
2020年5月27日
三菱ケミカルはこのほど、モスアイ型反射防止フィルム「モスマイト」を絵画額装用途に拡販すると発表した。同社のアクリル樹脂板「アクリライト」およびモスマイトを取り扱う藤光樹脂が、アクリル樹脂板の両面にモスマイトを貼合した低反射アクリル板を額装向けに販売を開始する。
三菱ケミカルが開発したモスマイトは、蛾の眼(モスアイ)が持つ微細な突起構造を模倣した反射防止フィルム。表面には高さ200ナノメートルの突起が100ナノメートルの間隔で並んでおり、この突起の幅が可視光線の波長よりも狭いことで、光の屈折率の変化が緩やかになり、光の反射を抑制することができる。
一般的なガラスやプラスチックの表面は光の反射率が通常4~5%程度あるが、それらの表面にモスマイトを貼付することにより反射率を0.1~0.3%にまで抑え、絵画の鑑賞を妨げる表面の反射を防ぐことが可能。
同社はこれまで、佐藤美術館(東京都新宿区)が開催する展覧会に協賛し、2017年「吾輩の猫展」、2019年「絵本にみる日本画展」、今年1月の「ビクトリーブーケ展」に、モスマイトを両面に貼ったアクリル樹脂板を提供。これらの活動などにより、画家や画商、学芸員から好評を得たことから、今回、藤光樹脂と共同でこの分野への事業展開を強化することとした。
三菱ケミカルは引き続き、モスマイトの新たな用途開発・市場開拓を目指し、国内のみならず、グローバルに事業を展開させ、さらなる拡販に努めていく考えだ。