三井化学 「ゼロエミベイ」に参画、GHG削減を推進

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2020年11月6日

 三井化学は5日、政府の「革新的環境イノベーション戦略」の提言に基づき設立された「東京湾岸ゼロエミッションイノベーション協議会(ゼロエミベイ)」の主旨に賛同し参画を決めたと発表した。ゼロエミベイは東京湾岸エリアを起点に、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けたゼロエミッション技術を発信し、世界最大の研究開発と実証・PRの拠点となることを目指している。

ゼロエミベイのロゴマーク
ゼロエミベイのロゴマーク

 三井化学は、地球規模の環境課題解決に向けた取り組みを重要な経営課題と捉え、特に気候変動問題を化学メーカーとして真摯に取り組むべき社会課題の1つと位置づけている。

 具体的には、東京湾岸に位置する袖ケ浦センター(千葉県袖ケ浦市)をはじめとした研究拠点で、バイオマスによる原料転換やプラスチック資源循環、人工光合成、省エネなどに取り組み、様々な技術開発を行っている。今回の参画を契機に、ゼロエミッション技術の研究開発を引き続き推進していく考えだ。ゼロエミベイでは、東京湾岸に位置する多くの電力、ガス、石油、化学、電機、自動車など多様なエネルギーサプライヤー・ユーザーなどの研究所、工場・事業所や研究機関、大学などが連携を図り、ゼロエミッション技術の研究開発や実証を行っていく。

 会員数は118(10月19日現在)。産業技術総合研究所(産総研)内に設立した、吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)をセンター長とするゼロエミッション国際共同研究センターが運営を担う。

デンカ 窒化珪素を能増、機能性セラミックス材料を強化

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2020年11月6日

 デンカは5日、xEV向け放熱材料の事業強化の一環として、大牟田工場(福岡県)で製造する窒化珪素の能力を現行比から約3割増強すると発表した。稼働時期は2022年度下期を予定しており、機能性セラミックス事業の強化を目指す。

窒化珪素
窒化珪素

 窒化珪素とは熱的・機械的特性に優れた代表的なエンジニアリングセラミックの1つであり、同社は生産能力、市場シェア共にトップクラスを誇っている。xEVの普及に伴い、放熱材料市場の伸長だけでなく、車載部品の高性能化により、高熱伝導性や高信頼性など、その要求水準が飛躍的に高まっている。同社の窒化珪素は、高熱伝導性をはじめ高強度、耐摩耗性、高信頼性といった特長から、車載駆動用インバーター向け放熱基板や風力発電向けベアリングボール、半導体製造装置など構造材用途で高い評価を得ている。今回の能力増強により、安定供給体制をさらに強化するとともに、多様なユーザーニーズに答えていく。

 同社は経営計画に基づく成長戦略の一環として、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野に注力。1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御などの基盤技術をもとに、球状溶融シリカ、窒化ホウ素、球状アルミナ、蛍光体など多岐にわたる機能性セラミックスを提供するトップメーカーとして、先月市場に投入した球状マグネシアのほか、新たな素材の開発にも積極的に取り組んでいる。また、今後需要の増加が見込まれるLIB向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努めるとともに、5G用途のLCPフィルムや低誘電絶縁材料(LDM)など、機能性セラミックス以外の新素材開発も進め、環境・エネルギー分野の2022年度の営業利益200億円達成を目指す。

 同社はSDGsを羅針盤に、通信速度の高速化や電気自動車の性能向上に向け5G・xEV用途を広げ、スペシャリティー事業の成長を加速させていく方針だ。

環境・エネルギー分野の主力製品図
環境・エネルギー分野の主力製品図

 

OPPフィルム、9月の国内出荷は前年同月比3%減

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2020年11月5日

日本ポリプロピレンフィルム工業会がこのほど発表した需給実績によると、9月のOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムの国内出荷は前年同月比3.4%減の1万7800tとなり、3カ月連続でマイナスとなった。

 用途別では、食品用が

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東亞合成 仏社サステナビリティ評価でプラチナを取得

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2020年11月5日

 東亞合成は4日、同社広野工場(福島県双葉郡広野町)が仏エコバディス(EcoVadis)社のサステナビリティ評価で、今年から新たに設けられた、対象企業の上位1%以内の企業に付与されるプラチナ評価を取得したと発表した。昨年の最高評価で、同上位5%以内に付与されるゴールド評価に続き、2年連続での最高評価取得となった。 

広野工場が2年連続で最高評価取得jpg
広野工場が2年連続で最高評価取得

 広野工場は、医薬・化粧品・トイレタリーなどの用途に特長のあるアクリルポリマー製品を生産・供給している。東亞合成グループは、「未来の子供たちに幸せが届くよう、新しい価値創造に挑戦します」とのサステナビリティ方針の下、今後も持続可能な社会の実現に貢献できる高付加価値製品の提供を続けていく方針だ。

 なお、エコバディス社は、4つのテーマ(環境・労働と人権・倫理・持続可能な資材調達)に分類された21項目のサステナビリティ分析を行うグローバルな評価機関であり、世界160カ国、200業種、6万5000以上の団体・企業の評価を行っている。

 

クラレ 来年1月に社長交代、川原常務が昇格へ

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2020年11月5日

伊藤社長「次期中期計画の策定と実行は新社長に」

 クラレはこのほど社長交代人事を発表した。来年1月1日付で川原仁取締役・常務執行役員が新社長に就任し、伊藤正明社長は会長となる。28日に本社で開催された記者会見で伊藤社長は、「次期中計の策定と実行を新社長の下で進めるために決断した」と社長交代の理由を述べた。

社長交代(伊藤、川原)
伊藤正明社長(右)、川原仁取締役・常務執行役員

 同社は今年度、中期経営計画「PROUD 2020」(2018~2020年度)が終了するが、コロナ禍を踏まえて次期中計のスタートを2022年に変更した。創業100周年となる2026年に向けて、来年1年かけて策定する予定となっている。川原常務については、

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NEDO 無電力熱エネ輸送のループヒートパイプを開発

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2020年11月4日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)と名古屋大学とともに、世界最大6.2kWの熱エネルギーを無電力で輸送できるループヒートパイプを開発した。3者は、エネルギーの供給過程で排出される未利用熱の革新的活用技術に関する研究開発に取り組んでいる。

世界最大6.2kWの熱エネルギーを無電力で輸送できるループヒートパイプ
世界最大6.2kWの熱エネルギーを無電力で輸送できるループヒートパイプ

 近年、工場排熱や自動車エンジンからの排熱など、これまで未利用であった熱エネルギーを有効活用する技術が注目されている。このような熱は、排出されている場所が利用先から離れている場合が多く、有効利用のためには、高温の熱源から利用先まで熱を損失なく運ぶ熱輸送技術が極めて重要になる。

 こうした中、2009年に名古屋大学は、電力を使用することなく半永久的に大量の熱輸送を可能にするループヒートパイプ技術を開発。ループヒートパイプは、多孔体が液を吸い上げる毛管現象を駆動源としており、高温廃熱を動力源として駆動することができるため、電力不要の熱輸送技術として期待されており、近年、スマートフォンなどの電子機器への適用が広がっている。しかし、これまでは熱輸送量が数百W程度と少なく、自動車や工場の排熱利用に適用できるような大量の熱輸送を行うことができなかった。

 そこでNEDOは、TherMATと名古屋大学とともに、未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発事業の一環として、「ループ型ヒートパイプの研究開発」に取り組み、今回、大熱量ループヒートパイプを開発し、電力を使わずに6.2kWという世界最大の熱エネルギーを2.5m輸送することに成功した。

 今後、自動車のエンジンや工場からの排熱利用、電気自動車やデータセンターの機器類の熱マネジメント、大型発熱機器の冷却などへの適用を図り、抜本的な省エネルギー化を目指す。

日本ペイント 自動車補修用のオール水性塗料システムを発売

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2020年11月4日

 日本ペイントはこのほど、自動車補修用の次世代型オール水性システム「nax E-CUBE(イーキューブ)WB水性システム」に作業者の健康配慮と環境負荷低減を両立させた新製品「(2:1)NNクリヤー」と「プラサフ ヴィータ」を加え全面リニューアルしたと発表した。

 環境問題が重視される中、自動車補修業界でも従来の溶剤系塗料から環境に配慮した水性塗料への置き換が進むが、水性塗料では溶剤系塗料並みの乾燥性と仕上がり性は困難で、カラーベース(色彩や意匠)に留まっていた。また、生産性向上だけでなく、作業者の健康や環境への意識が高まり、働きやすい安全・安心な職場環境を実現するため、クリヤー(光沢と耐候性)やプラサフ(プライマーとサーフェーサー兼用の中塗り)の水性化も求められてきた。

 「nax E-CUBE WB水性システム」は人と環境の両面に配慮した次世代型オール水性システムで、VOC排出量は溶剤系システム比で約70%削減し、作業性向上と環境負荷低減を同時に可能とした。「(2:1)NNクリヤー」は70℃20分の乾燥でポリッシュ可能な速乾性と同社溶剤系クリヤーと同等の高外観を備え、「プラサフ ヴィータ」はパテ巣穴隠ぺい性を維持しつつ乾燥性を向上させた。今後はウェットオンウェットやグレーバリエーション仕様の設定など、さらなる作業効率の改善に取り組む。

 2005年よりキーコンセプトとして掲げている「E-CUBE」は3つのE(Easy×Exciting×Ecology)を表すが、今年、鈑金塗装事業のサスティナビリティに係るもう1つのE(Engagement)を加えて「E3 PLUS」とした。従業員の会社への愛着、鈑金塗装事業者と顧客や周辺地域との絆といったエンゲージメントを強めることで、一層のサスティナブルな事業経営を実現していく考えだ。

日本ペイント 自動車補修用

アジア石化市況 エチレンは8週ぶりにマイナス

2020年11月3日

ブタジエンは強含み継続、SMは約90ドル高に

 アジア地域の10月第3週の石化市況では、エチレンは下値30ドル安、上値20ドル安の820~870ドル/tでの取引となった。8月第3週以来8週ぶりのマイナスとなり、スプレッドも

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NEDOと浪江町 水素活用の協定を締結、道の駅に供給

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2020年11月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県の浪江町はこのほど、水素の普及拡大に向け連携・協力する基本協定を締結したと発表した。なお、同協定は2022年3月31日までとなっている。

NEDO石塚理事長と浪江町の吉田町長
NEDO石塚理事長と浪江町の吉田町長

 NEDOは、浪江町に建設した再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」を通じて、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。

 一方、浪江町は「浪江町復興計画【第二次】」(2017年3月)に基づき、「エネルギーの地産地消の実現と新しい産業の創出」を目指すとともに、今年3月には「ゼロカーボンシティ」を宣言し「水素社会実現の先駆けとなるまちづくり」に向けた取り組みを進めている。こうした中、両者は、水素の普及拡大を視野に連携・協力する基本協定を締結した。

 同協定による初の取り組みとして、浪江町が「道の駅なみえ」に設置した純水素型燃料電池にFH2Rで製造した水素を供給し、今月から施設内の一部に電力供給と熱供給を行う予定。

 今後も、NEDOと浪江町はFH2Rで製造した水素の利活用や情報発信に取り組み、水素の普及拡大をけん引していく。

 

デンカ 診断キットの変更承認、ウイルスを同時に診断

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2020年11月2日

 デンカは30日、インフルエンザウイルス抗原診断キット「クイックナビ‐Flu2」の製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省より同日付で受けたと発表した。

 今回の承認により、日本感染症学会からの提言で推奨されている新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検査を行う際に、鼻腔ぬぐい液も共用できることが明確化され、一般の医療機関での検査体制拡充が期待される。

 また、鼻腔ぬぐい液については、「クイックナビ‐Flu2」についても、「クイックナビ‐COVID19 Ag」と同様に、医療従事者の管理の下、受診者による検体採取が可能となった。これにより、医療従事者の感染リスクがさらに低減され、受診者の負担も軽減される。これら一部変更承認は販売提携先の大塚製薬から販売される製品にも適用される。

 デンカは感染症への対策を社会的責務と捉え、今後も関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援により、様々な角度から研究開発を進め、医療現場のニーズに応える予防・検査体制の拡充に貢献することで、人々のQOL向上に寄与していく考えだ。

インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット 一部変更承認
インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット 一部変更承認