DNP 機能性PETボトルがダウの包装業界賞で最高賞に

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2019年10月29日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、包装業界で世界的に伝統のある「パッケージング イノベーション賞(The Packaging Innovation Awards)」で、最高賞の「ダイヤモンド賞」を受賞した。

授賞式で盾を受け取るDNPテクノパックの鈴木康仁社長(右から2人目)
授賞式で盾を受け取るDNPテクノパックの鈴木康仁社長(右から2人目)

 対象となったのは、DNP機能性フィルム複合型PETボトル「Complex Bottle(コンプレックスボトル)」。酸素バリア性をもたせることもできる外層フィルムにより、ガラスのような品質や高級感のあるデザイン性を保持しながら、リサイクル可能で、軽量かつ実質的に割れない製品であることが高く評価された。

 「コンプレックスボトル」は、透明で小さい試験管のような形のプリフォームに、遮光性や酸素バリア性などの機能をもった着色フィルムを被せ、膨らませながら一体成形することでボトル底部まで着色フィルムで覆ったPETボトル。

DNP 最高賞 写真 受賞した「Complex Bottle」の製品一例
コンプレックスボトルの製品例

 印刷による美麗で高級感のあるデザインを表面に施せるとともに、外側の着色フィルムをはがすだけで透明なPETボトルになるため、飲み終わったあとは通常のPETボトルと同様にリサイクルができる。

 同賞は、1986年に米国デュポンが設立し、昨年にダウが継承した包装業界で歴史のある世界的な賞。第3者の専門家で構成された審査委員会は、市販の製品・技術・プロセスを対象に、「技術的進歩性」「社会的責任をともなうパッケージング」「より優れた利便性」を審査する。

 今年は、世界30カ国以上から過去最高となる250点近い応募があった。日本企業による最高賞の受賞は、1995年以来の2例目。DNPは今後、これらの特長を生かすことで、清涼飲料や酒類のほか、医療医薬・化粧品・トイレタリー分野へも展開していく考えだ。

アジア石化市況 エチレンは750ドル/tに続落

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2019年10月29日

芳香族3製品も下落、スチレンモノマー弱含みに

 アジア地域の10月第1週の石化市況では、エチレンは下値が5ドル/t安、上値が50ドル/t安と3週連続で下落し、750~800ドル/tでの取引となった。

 世界経済がダウントレンドとなる中、原油需要が減少するとの見方が強まっているが、中国が国慶節休暇(10月1~7日)に入ったこともあり市況は静かな動きとなった。ただスプレッドは、ナフサが

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ランクセス 小学生対象の化学実験教室を岩手で実施

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2019年10月28日

 ランクセスは社会的責任(CSR)活動の一環として、今年度も岩手県山田町で、小学生を対象にした化学実験教室「つくってまなぼう!わくわく実験教室」を開催した。

ランクセス 山田ふれあいセンター「はぴね」での化学実験教室の様子(写真: ランクセス株式会社)
「はぴね」での化学実験教室の参加者たち

 この教室は子どもたちに楽しみながら化学の知識を学んでもらうことを目的としている。6回目となる今年は、昨年に続きセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとの共催により、8月24日に山田町立轟木児童館と山田町ふれあいセンター「はぴね」の2カ所で、地元の1年生から6年生までの小学生を含む計26人の児童が参加して行われた。

 実験教室では「自然にやさしいエネルギー実験!」をテーマに、前半は「空気とは何か?」「空気から作られるエネルギー」などを学ぶため、ペットボトルと風船を使った空気砲作りなどを実施。後半はペットボトルを使ってプロペラを作り、小型モーターをつなげて風力発電実験を行い、プロペラで風を起こしてLEDライトを点灯させたり、電圧計を使って発電量を計測したりした。

 同社は東日本大震災で被災した子どもたちの支援を目的に、2011年からセーブ・ザ・チルドレンの活動を支援している。その支援活動を通して、被災地の復興が進む中、子どもたちへのさらなる支援の拡充を目指し、2014年から宮城県内、2017年からは岩手県内で化学実験教室を開催するプロジェクトを実施してきた。

 今年度は5月に社内を横断するメンバー14人によるプロジェクトチームを立ち上げ、実験教室の企画・準備を行った。ランクセス日本法人の辻英男社長は「これからも、すべての子どもたちに質の高い高等教育の機会を提供するという持続可能な開発目標に向かって、教育分野への支援を続けていく」と述べている。

フタル酸系可塑剤 9月の国内出荷は4ヵ月ぶりに増加

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2019年10月28日

 可塑剤工業会がこのほど発表した需給実績によると、9月のフタル酸系可塑剤の国内出荷は、前年同月比7%増の1万6700tとなり、4カ月ぶりにプラスとなった。

 品目別では、DOPは同8%増の8300t、DBPは

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KHネオケム 川崎に「KH i-Lab」を開設

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2019年10月28日

オープンイノベーション加速、新規事業創出狙う

 KHネオケムは、同社が目指す「VISION2030」の達成に向け、今年度から始動した第3次中期経営計画(2019~21年度)を新たな挑戦の3年間に位置づけている。

説明を行う磯貝取締役
説明を行う磯貝取締役

 3つの戦略の1つ「機能化学品事業拡大に向けた積極投資」の中には「独立した研究新拠点における新ビジネスの早期創出」を掲げており、その拠点となる「KH i‐Lab(イノベーション・ラボ)」が、10月1日に川崎市の産学交流・研究開発施設「AIRBIC(エアビック)」内にオープンした。

 24日に開催されたメディア向けお披露目会で、研究開発本部長兼イノベーション戦略室長の磯貝幸宏取締役は「前中計では新事業などに取り組んできたが、『市場との距離感』が大きな課題だと分かった。「KH i‐Lab」は、

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米国ポリエチレン輸出 7月は対前年比39%増

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2019年10月25日

中国向けはやや減速、ベトナム・韓国などが大幅伸長

 貿易統計によると、米国の7月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比39.4%増の77万3000tとほぼ6月並み(77万5000t)となった。シェール由来の大型エタンクラッカーやPE設備が相次いで稼働を開始し、全世界に輸出が加速。3月に月間70万t超となり、その後も80万tに迫る勢いを見せている状況だ。

 7月の主な輸出先は、1位がメキシコ(10万t)、2位がベルギー(8万1000t)、3位がカナダ(6万6000t)、4位が中国(5万700t)、5位ブラジル(5万600t)となった。中国は

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日本ABS樹脂工業会 9月総出荷16%減、国内・輸出の不振続く

2019年10月25日

 日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、9月の総出荷量は前年同月比16%減の2万7500tとなり、5カ月連続でマイナスとなった。国内出荷は同5%減の1万9400t、輸出も同34%減の8200tと、前月に続き国内・輸出ともに振るわなかった。

 国内出荷を用途別で見ると、車両用は

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東洋紡 人財育成プログラム第2期始動、CFで事業創出

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2019年10月25日

 東洋紡は、クラウドファンディング(CF)を活用し、新規事業の立ち上げを促進する人材育成のための社内プログラム「みらい人財塾」の第2期を始動した。

東洋紡 「みらい人財塾」のワークショップの様子
「みらい人財塾」のワークショップ

 「みらい人財塾」の第1期は、昨年11月に開始。社内公募で選ばれた20~40代の社員30人が参加し、自社の素材・技術を生かした新商品を企画した。

 マクアケが運営する国内最大級のCFサービス「Makuake(マクアケ)」を活用し、第1弾商品として高機能なドッグウェア「HUGLABO(ハグラボ)」のCFを実施。目標を上回る資金を調達し、商品化が決定した。

 CFは発売前の段階で顧客(支援者)を獲得できることに加え、属性や意見などの情報を専用のツールで分析することも可能だ。「みらい人財塾」の参加者は、潜在的な顧客ニーズを基に、これまでにない新商品のアイデアを創出するだけでなく、自らが資金を調達することで、実際に商品を形にすることができる。

 同プログラムを実施し、新商品の企画・開発から販売までの一連のプロセスを実践的に経験させることで、新規事業の立ち上げに挑戦する人財を育成するのが狙いだ。先月24日から新たな参加者15人による第2期の活動を開始した。

 来春以降のCF実施に向け、新商品を企画し、事業化計画を作成していく。東洋紡は今後も同プログラムを継続し、新商品・新事業の創出に挑戦する人財育成を通じて、多様化する顧客のニーズに応えていく。

日本ゼオン 医薬用COPの低吸着性について学会で発表

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2019年10月25日

 日本ゼオンは22~23日に、スウェーデンのイェーテボリで開催されたプレフィルドシリンジに関する学術大会で、バイオ医薬品でのプレフィルドシリンジ製剤の安定性について発表した。

日本ゼオン プレシリンジ プレフィルドシリンジとは、感染の危険除去や投与量調整の過誤軽減を主な目的として、薬剤があらかじめ充填された注射器のこと=写真。同社のシクロオレフィンポリマー(COP、製品名「ZEONEX」「ZEONOR」)製シリンジを使うことで、バイオ医薬品製剤の吸着・凝集が抑制されるとの結果が得られており、その研究成果を紹介した。

 同社はユーメディコ、大阪大学の内山進教授との共同研究により、COPをプレフィルドシリンジに使用した場合の、タンパク製剤の吸着と凝集体の発生について研究を進めてきた。

 これまでにタンパク製剤であるAdalimumab「Humira」、Etanercept「Enbrel」、Infliximab「Remicade」を使い、既存材質製とCOP製のプレフィルドシリンジ中のシリンジバレル表面への吸着性・凝集性を比較し、COPが低吸着性・低凝集性であることを報告している。

 さらに今回、同様にタンパク製剤であるAbatacept「Orencia(オレンシア)」のシリンジバレル表面への吸着量と凝集体の発生状況を比較したところ、COP製のプレフィルドシリンジにオレンシアを充填した場合、吸着量と凝集体発生量が、既存材質製に比べ抑制されるという結果が得られた。

 今回の発表では凝集体の発生状況についても報告した。なお、この研究に関連して、今年5月にはFDA(米国食品医薬品局)の下部組織であるバイオテクノロジー製品部でも、プレゼンテーションを行っている。

 抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品は、医薬品市場で急成長している。ガラス製シリンジを使ったバイオ医薬品の保管では、その主成分であるタンパク質に影響を及ぼし、凝集体の発生が懸念されている。

 一方、COPはガラス製に比べ、タンパクの吸着・凝集が抑制されることが知られており、プレフィルドシリンジをはじめとする、バイオ医薬品に適用される材料として期待されている。同社は今後も独創的技術に根差したソリューションを積極的に提供し、医薬業界の発展に貢献していく。