ENEOS 首都直下地震を想定しBCP訓練を実施

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2020年10月22日

 ENEOSはこのほど、「首都直下地震を想定したBCP訓練」を実施した。

災害対策本部会議の様子。写真中央が大田社長
災害対策本部会議の様子。写真中央が大田社長

 10月5日に行われた訓練には、大田勝幸社長以下、本社災害対策本部の役員およびチーム員、全国の現業所の担当者のほか一部の特約店や物流協力会社を含む計243人(うち、リモート参加者194人)が参加。

 ①「災害時の行動」「情報共有の流れ」「タイムライン」の確認②本社・国内各現業所(支店・製油所など)間の連携確認③災害対策本部への迅速かつ適切な被災状況の報告と情報共有を実施し、初動対応手順の確認や検証などを行った。併せて、「石油の備蓄の確保等に関する法律」に定める「災害時石油供給連携計画」の初動対応も確認し、サプライチェーン全体での初動対応の実効性と課題を共有した。

情報収集を行う災害対策 本部 チーム員
情報収集を行う災害対策 本部 チーム員

 ライフラインの一翼を担う同社は、巨大地震などの危機発生時にあってもエネルギーの安定供給を最重要責務と捉える。事業継続に向けた高い耐久力や回復力のある体制を構築するため、首都直下地震や南海トラフ巨大地震発生に備え、石油製品の供給能力を強化や、同社系列全体のBCPの策定、BCP訓練の実施を通じた見直しを行っている。

 なお、訓練の実施にあたっては、新型コロナウイルス感染防止の観点から、相当数のチーム員をリモート参加とすることに加え、会議室では全員がマスクを着用し、ソーシャルディスタンスの確保などを徹底した。

 同社では、訓練で得られた課題を速やかに解決するとともに、今後も継続的にBCP訓練を行い、より実効性のあるBCPとすることで緊急時の石油製品などの安定供給に努めていくとしている。

出光興産 ボイラ制御最適化システム、海外で初の採用

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2020年10月22日

 出光興産は21日、日本郵船グループと出資する郵船出光グリーンソリューションズが、台湾プラスチック社(FPC)と、ボイラ制御最適化システム「ULTY‐V plus(アルティ ヴイ プラス)」6基の納入契約を締結したと発表した。同システムは国内で、約100基の導入実績があるが、海外への納入決定は今回が初。導入完了時期は今年度中を予定している。

ボイラ制御最適化システム「ULTY-V plus」
ボイラ制御最適化システム「ULTY-V plus」

 「ULTY‐V plus」は、AI(人工知能)を活用することで、燃料投入量調整や蒸気圧力調整などの一連の動作を「自己計測」「自己分析」「自己判断」で行う完全自己完結型制御システム。発電所や工場で使用されるボイラに装備することで、最適な運転を実現する。今回の導入により、FPC社は、約1.0%の燃料量削減(6基合計の燃料量削減量:年間約9万t)と、6基合計で年間約23万4000tのCO2削減換算量となる見込みで、経済性向上と環境負荷低減が期待できる。

 FPC社は、出光興産と機能化学品事業で提携関係がある。今回の納入先となる麦寮工場で稼働中の石炭火力発電ボイラにて同システムの評価を行ってきた結果、燃焼効率向上による燃料使用量削減効果を実証した。

 郵船出光グリーンソリューションズは、同システムをはじめとした環境技術の開発、コンサルタント業務などを通じて、国内外でのCO2削減に貢献することを目指す。

ポリスチレン 1-9月期の国内出荷は前年比6%減

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2020年10月22日

室園会長「需要は回復傾向も、今後の動向を注視」

 日本スチレン工業会は21日、都内で定例会見を開催し、ポリスチレン(PS)とスチレンモノマー(SM)の出荷実績について説明を行った。

 1-9月期のPSの国内出荷は、前年同期比6%減の45万1000tとなった。室園康博会長(PSジャパン社長)は、「9月の国内出荷は大きく伸びた。PSメーカー各社が10月からの値上げを打ち出していたこともあり、駆け込み需要が発生したことが背景にある。また、包装系や家電系を中心に、7月以降は需要が回復傾向となってきたことも大きい。ただ、例えば巣ごもり需要でスーパーが好調な反面、コンビニが振るわないなどまだら模様となっており、動向を注視している」と総括した。

 輸入品については

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住友理工と産総研 先進高分子デバイス連携研究室を設立

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2020年10月21日

 住友理工と産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、産総研のつくばセンター内に「住友理工-産総研先進高分子デバイス連携研究室」を設立したと発表した。自動車業界は「CASE」(コネクト、自動運転、シェア、電動化)など新規の機能・役割で、100年に1度の大変革期を迎えている。

ステアリングタッチセンサー
ステアリングタッチセンサー

 住友理工は新たなニーズを取り込むため、防振ゴムやホースの研究開発で培った「高分子材料技術」「総合評価技術」によりハンドルやシートへの圧力や接触を検知・可視化するセンシングデバイス「スマートラバー(SR)センサ」技術を開発し、この変革に応えた技術・製品を生み出してきた。

 今回提携する産総研の「情報・人間工学領域ヒューマンモビリティ研究センター」は、人を計測し理解する基盤研究の下、運転支援や自動運転技術をはじめ、歩行から公共交通機関まで様々な移動手段の支援技術と移動価値向上技術の研究開発を行い、人間を中心にモビリティ全体を最適化し、ライフスペースの拡大を図っている。

 連携研究室は住友理工の先進技術と産総研の研究開発の成果を融合し、生活全般での人々の安全・安心・快適への寄与を目的に設立した。具体的には、センシングデバイス実装車両による実際の再現走行実験で、生体情報・状態の推定可能限界を明らかにする。

 例えば、「SRセンサ」をシートに内蔵またはクッション形状に加工して座面に置き、座面の圧力変化からドライバーの心拍・呼吸・体の動きなどを検知し、疲労や居眠り、急病予兆などドライバーの状態を推定することで、警告や運転支援システムの作動、外部への通報などにつなげるドライバーモニタリングシステムを開発する。

ハプティクスインターフェース
ハプティクスインターフェース

 また、ステアリングタッチセンサや「SRセンサ」の柔軟・通電性を利用したハプティクスインターフェース(信号入力で振動)などで自動運転の安全性を確保していく。 その中で官能定量化の先端的技術やデータ解析技術の深化、既存技術とデジタルの融合による技術革新など総合評価技術を高度化し、各種開発途上技術を確立し、高付加価値の製品群とソリューションを創出することにより、グローバル・システムサプライヤーとしてモビリティ社会のさらなる発展に貢献することを目指す考えだ。

ABS樹脂 9月の総出荷は2%減、前月比では大幅に改善

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2020年10月21日

 日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、9月の総出荷量は前年同月比2%減の2万6800tとなった。国内出荷は同8%減の1万7900t、輸出は同10%増の9000tとなり、どちらも2月並みの水準にまで回復している。特に輸出は、経済が活発化している中国で、ABS樹脂の需要が盛り上がっていることを反映している。前月比で見ても、国内出荷36%増、輸出22%増と大幅に回復しており、ようやく事業環境が好転しつつある。

 9月の国内出荷を用途別で見ると、

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DIC 蓄熱シートがエコプロアワード奨励賞を受賞

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2020年10月21日

 DICはこのほど、サステナブル経営推進機構(エコプロ運営事務局)が実施する「第3回エコプロアワード」で、エネルギーを使わずちょうどいい温度を保つ蓄熱シート「THAMONA(サモーナ)」が奨励賞を受賞したと発表した。

エコプロアワード 奨励賞受賞
エコプロアワード 奨励賞受賞

エコプロアワードは、経済のグローバル化やパリ協定の発効、SDGsの制定など社会経済を取り巻く状況の変化を視野に入れ、環境配慮に優れた製品やサービス、技術、ソリューション、ビジネスモデルといった案件を表彰する制度。第3回エコプロアワードには合計47件の応募があった。

 今回の同社の受賞は、蓄熱材の加工性を高め建材利用しやすくした点が評価された。「サモーナ」は潜熱蓄熱材料を樹脂に分散してシート化することに成功したもので、これまでは液化するために組み込みが難しかった潜熱蓄熱の効果を、様々な用途で容易に組み込めるようにした画期的な製品。蓄熱材料の漏れを解決したことから、切る・留める・曲げるなど自由な加工が可能になった。

 

積水化学 鉄道枕木向け合成木材の生産工場をオランダに設立

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2020年10月21日

 積水化学工業は20日、環境・ライフラインカンパニーが、ガラス長繊維強化プラスチック発泡体「FFU」製枕木の生産工場をオランダに設立すると発表した。2021年度上期に着工し、2022年度下期から生産を開始する予定で、これによりFFU製枕木の生産能力はこれまでの1.8倍に拡大する。

合成木材「FFU」オランダ工場イメージ
合成木材「FFU」オランダ工場イメージ

 「FFU」は、軽量でありながら、耐久・耐候性、加工性に優れており、天然木材とプラスチックの長所を兼ね備えた合成木材。これまで様々な用途に展開してきたが、鉄道の枕木用途では採用から今年で40年を迎えており、日本国内では多くの鉄道会社が採用している。

合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例①
合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例①

 また海外でも、2003年に初受注を獲得して以降、鉄道大国であるドイツ、イギリスなど需要が見込まれる欧州を中心に事業規模を拡大。2017年には、EBA(ドイツ連邦鉄道庁)の本認証を取得するなど、欧州各国をはじめ、米国、オーストラリア、中国など世界31カ国で販売実績をもっている。

 一方、近年では、環境配慮から高品質な木材の調達が難しいことに加え、木材の防腐剤として使用されるクレオソート油が、発がん性の危険からEUで使用が禁止(鉄道分野は2023年)された。こうした背景により、木製枕木の代替品として樹脂製枕木の導入が世界中で進んでおり、「FFU」では、特に軽量・高耐久が求められる分岐部や橋梁部分での採用が拡大している状況だ。

合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例②
合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例②

 現在、同社はFFU製枕木の生産を、ほぼ全量滋賀栗東工場で行っているが、海外市場の需要増により生産能力の向上や納品期間の短縮が必要となってきた。海外での鉄道分野最大の需要地である欧州に生産工場を設立し、さらなる事業拡大とグローバル化を推進していく。オランダのグループ会社SEKISUI ESLON内に、FFU製枕木の原木を生産する工場を新設(延床面積4400㎡)。また、市場・顧客ごとに製品仕様が異なるため、販売先の近傍で加工パートナーと提携し、欧州需要に対応する。

 同社は、欧州での生産開始により、海外鉄道会社からのさらなる採用拡大を図り、FFU製枕木を柱とする機能材事業で、2030年度の海外売上高100億円を目指す方針だ。

経産省 「ゼロエミ・チャレンジ」企業リストを公表

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2020年10月20日

 経済産業省はこのほど、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)サミット2020の中で、上場・非上場企業あわせて320社の「ゼロエミ・チャレンジ企業」を発表した。

 経産省が日本経済団体連合会や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携し、脱炭素化社会の実現に向けたイノベーションに挑戦する企業を「ゼロエミ・チャレンジ企業」としてリスト化し、投資家などに活用可能な情報を提供するプロジェクト「ゼロエミ・チャレンジ」の一環。投資家・金融機関・有識者などで構成する「環境イノベーション・ファイナンス研究会」で制度設計、リストアップの客観性・網羅性の基準を策定し、実際の活用に向け公表するもの。

 第1弾として公表した320社は、「革新的環境イノベーション戦略」に紐付く経産省の事業やNEDOが実施する28のプロジェクトを対象に、この趣旨に賛同する企業。そのうちNEDO関連では170社、8技術研究組合が含まれる。

 今後、水素やCCUS(CO2回収・有効利用・貯留)、再エネなど39の主要テーマごとにゼロエミ・チャレンジ企業、投資家、政策立案者などの対話の場を設け、投資家の技術や経営戦略としてのイノベーション動向に対する理解を深め、民間資金をイノベーションに呼び込むよう環境整備する。また他省庁と連携してリストを拡充し、ゼロエミ・チャレンジ企業を投資対象とした金融商品の組成などに活用できる情報をアップデートする。

 なおゼロエミ・チャレンジ企業だけが使用できる「ロゴマーク」を策定。投資家への訴求を図っていく考えだ。

経産省 ゼロエミ

日本化学会 「化学の日」を含む化学週間イベントを実施

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2020年10月20日

 日本化学会は、10月23日「化学の日」を含む化学週間に、各種イベントを科学館やオンラインで開催する。

化学の日缶バッジ
化学の日缶バッジ

 2013年に、日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の4団体は、化学および化学産業の魅力、社会への貢献などを広く知ってもらいたいという想いの下、10月23日を「化学の日」、その日を含む月曜日から日曜日までの1週間を「化学週間」と制定。10月23日は、アボガドロ定数(1モルの物質中に存在する粒子の数=6.02×10の23乗)に由来している。海外でも米国をはじめ多くの国が同日を〝モル〟を記念する日として祝い、化学関連のイベントが多数開催されている。

 今年は新型コロナウイルスの影響で実験教室など各種イベントが中止され、オンライン開催へ変更となっている。主催・共催イベントとして、10月24日に化学週間「君たちの将来と化学の未来‐東大で過ごす化学な週末」(オンライン開催)、11月3日に「はじめての科学実験「身近な光るものを探そう!」」(はまぎんこども宇宙科学館)を予定している。

 

三井化学 介護関連で圧電センサー採用製品が本格展開

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2020年10月20日

 三井化学はこのほど、同社が開発したフレキシブルな極細同軸線構造の張力センシング基材である圧電センサー「PIEZOLA(ピエゾラ)」を採用した、Z-Wprks社製介護ベッド用見守りシステム「LiveConnect」の介護施設での本格展開が始まったと発表した。

『LiveConnect』のパネル画面。複数高齢者の様子を一覧で確認
「LiveConnect」のパネル画面。複数高齢者の様子を一覧で確認

 これまでに千葉県・沖縄県の4施設で有効性が検証され10施設の導入が決定しており、今後の全国展開に向け販売活動を強化している。また、同システムは、「令和2年度 新型コロナウイルス感染症緊急対策 東京都トライアル発注認定制度 認定商品」となり、導入面でメリットが得られることから一層の普及が見込まれている。

圧電センサー「PIEZOLA(ピエゾラ)」
圧電センサー「PIEZOLA(ピエゾラ)」

 三井化学の「ピエゾラ」は、高感度で柔軟性のある同軸線構造を生かした接触・振動を検出するセンサー。今回はその高感度と柔軟性を生かして介護用ベッドの下に配置することで、ベッド上の要介護者のバイタルサイン(脈拍数、呼吸数)やわずかな体位移動などを感知する。

 一方、Z-Wprks社の介護支援システム「LiveConnect」は、センサーを高齢者の居室・介護ベッドに設置することで、個々の高齢者の行動や生体データ、異常状態を遠隔から可視化できるシステム。これにより、安否確認のためのフロア巡回を減らすことができ、本当に介護が必要な高齢者に集中することが可能になるほか、介護職員と高齢者の接触機会を減らし、新型コロナウィルス感染症予防対策への効果も期待されている。

 三井化学は、「ピエゾラ」採用の同システムの利用拡大を通じ、ウィズコロナ下で最前線に立つ介護職員の業務負担削減と安全確保に貢献していく考えだ。